【感想・ネタバレ】翳りゆく午後のレビュー

あらすじ

「人を轢いたかもしれない」
厳格な父親からの一本の電話。それが悪夢の始まりだった――

80歳目前の武は、教職退任後、市民講座で教える地元の名士。父の武と同じ教職に就く敏明は、妻の香苗と反抗期の息子・幹人との平凡な生活を送っていた。
このところ父の愛車に傷が増え、危険運転が目に余るようになってきたため、敏明は免許返納を勧めるが武は固く拒絶する。
さらに、市民講座の生徒である西尾千代子と武との親密な関係を怪しむ噂が広がり、敏明は悩みを深めていた。
そんなある日、近隣で悪質な轢き逃げ事件が発生。
「あれって――まさか」
疑念に駆られ、事件の真相を探る敏明が辿り着いた“おぞましい真実”とは? 『悪寒』『不審者』『朽ちゆく庭』に続く、不穏で危険な家族崩壊サスペンス!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

文章もわかりやすく
展開もおもしろくすらすらと読めた。

警察から電話がかかってきたり、息子が捕まったり、追い詰められていく敏明の感情がスリルがあった。

妻はどんな時も敏明と武のことを心配し、敏明の言うことに従う、すごくできた方なんだなと思っていたけどやっぱり不満はたくさんあったんだなと、こんな完璧な人ばかりじゃないよなと安心した。

敏明は武の人生を、
「翳りゆくばかり」
と表現した。
しかし、最後の武の手記には
家族への思いが伝わってきて
家族の人生がこれ以上翳らないようにと願っていた。

幹人を心配し、幹人を信じてやれない敏明を心配し、そのように敏明を育てられなかったと自身を悔いた武。
親が子供を思う苦しさも伝わってきた。
この心の表現は絶妙だと感じた。




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2025年09月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

伊岡作品、6冊目。人間ドラマを感じさせてくれる作家さん。今回も然り。主人公の敏明には、間もなく八十歳になる父・武がいて、一人暮らしをしている。市民講座の教師を務めている。最近物忘れがいどいが、運転免許証を返納しない。武の車に大きな傷。武は人を轢いたかかもしれないと伝える。さらに近くで轢ひき逃げ事件があったことを知って懊悩する敏明。武は事故を起こしたのか?実はこの物語は高齢者の交通事故の話しがメインではなく、敏明がこれまで家族を蔑ろにしてきた代償を払う作品だった。伊岡作品は単純にはいかないところが魅力。⑤

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2025年03月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

80歳をすぎた高齢の父親の車の運転が危なっかしい…父は認知症かもしれない…免許証を返納させ、運転をやめさせなければ…そんな矢先に父親から『人を轢いたかもしれない』と言われる。それを発端に家庭が崩れてゆく…

なかなか身につまされる内容でした。我が家は父親が60歳で亡くなり、老齢の母親は健在であるが、これが逆に父が存命で年老いていたら…車の運転が心配なことに加え、中年女性と父親が親密な関係の噂が聞こえてくる。そして父親が轢き逃げ事件の重要参考人となり、マスコミが騒ぎ出す。

ネタバレになるが、父親はある人物に轢き逃げ犯にしたてられそうになるが事なきを得る。しかしながら、世の中は高齢者がハンドルを握り起こしてしまう悲惨な交通事故などは格好のニュースでもある。本当に身内が起こした事件ならば、もう完全に家庭は崩壊するだろう…

唯一の救いは部屋に引きこもりゲームばかりしていた息子が、事件解決に一役買っていたことかな。いざとなったら、家族のために身を投げ出す息子にちょっと感動した。

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2025年09月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

主人公の敏明がクソすぎて
「なんだ?こいつ?」と、ずーっと
思いながら読んでたわ

とにかく『保身』
父親にも、奥さんにも、息子にも
愛情が全く感じられん

想像力も、隠蔽する力も
なんもなさすぎ
人として、薄っぺらぺら

高齢者ドライバーが自分の父親って設定
= もっと切ないストーリーを
想像してたのよ
共感できまくり…みたいな?

なのに、主人公性格悪すぎるわ
平気で嘘つくし
カケラも共感できんやん

最後、武の手記で終わったのは
良かった
結局、敏明以外の家族は
みんなまともやん

武の家を売った金で
慰謝料払うとか
マジ許せんわ

今後、自分が高齢になったら
事故起こして
つかまってしもたらええわ
(あ。息子が困るから、あかんか)

…感想が口悪くてすみません…

でもあっという間に読み終えたから
面白かったんやとは思います

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2025年08月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

高齢ドライバーによる事故で死者が出ると、本当にやりきれない気持ちになる。免許返納の年齢を一律で決めてしまえばいいのにと思わずにはいられない。何か起きてからでは遅く、被害者が出れば加害者本人だけでなく、その家族までもが不幸になる。読んでいて「これは他人事じゃない」と感じた人も多いはず。嘘をついたり肝心なことを隠したりせず、警察には正直に話すべきだと強く思った。変に隠そうとすると、どんどん泥沼にはまりそう。

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2025年08月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

敏明。武。元校長。老人。轢き逃げ。認知症。西尾。ドラレコ。秋川渓谷。幹人。家族崩壊まで世間は許さない。家族。人生の翳り。

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2025年06月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

まさに今自分が直面している問題
主人公は自分本位であまり共感できなかった
息子がところどころ怪しい動きをしていたのでもしかして…とも思ったりしたが
犯人は想像通りだった
現実にありそうなお話で最後までハラハラしながら読んだ

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2025年05月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

翳りゆくものが何か分かった時、あぁーと思った。
敏明が一番何も分かってなかったのかなー。
奥さんからの言い返し。あなたはいつも私を見下してるは、言われる方と言う方の感じ方の差が最早埋められないレベルだよね。
子供しっかりしてるじゃないか。
けどまさかの犯罪がらみでびっくり。高齢者の運転事故かと思って読んでたから、そこはちょっと…うーん。

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2025年07月31日

Posted by ブクログ

ネタバレ

祖父が先日免許を返納したのでより身近に感じながら読んだ。認知症により記憶がだんだん曖昧になっていく...という過程をもっと詳しく読みたかったが、主人公である敏明の人間性が気になりすぎてそっちがメインになってしまった。
妻をうまくあしらえてるつもりになっているだけで小バカにしている態度が透けて見える所がすごく嫌。14歳の息子が家に帰っているのかどうかもよく分からないのもちょっと。
自分が犯した罪は何がなんでも正当化するのに人の落ち度は責めまくる...。何かにつけてお金のことを考えるところも...読めば読むほど彼の顔が想像出来なくなっていった。
武が発端で次第に崩壊していき、生活に陰りが出てくるのかと思いきや、陰ってきたのは主人公だった。
最後に、奥さん離婚して本当によかったね!!子供と一緒に楽しく幸せになって欲しい。

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2025年04月18日

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