【感想・ネタバレ】路地裏で拾った女の子がバッドエンド後の乙女ゲームのヒロインだった件2【電子特別版】のレビュー

あらすじ

夜会襲撃事件から数日後、レーベン家当主から「お前に釣り合う相手を見つけた。夏季休暇中にレーベン家本邸に戻ってくるように」という手紙が届き、頭を抱えるアッシュ・レーベン。実家への対応でアッシュが寝不足の日々を送っていると、フィーネから半ば強引に「私の故郷の村に行きませんか?」と鉄道旅行に誘われ、一緒に行くことに。その道中、強盗とモンスターの襲撃を受けるなどの騒動は起こったが、無事にフィーネの故郷であるカガト村に到着する。そこで二人は買い物をしたり、村の子供たちと一緒に川遊びをしたりと楽しい時間を過ごすのだが……。

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Posted by ブクログ

第1巻においてフィーネのバッドエンド要素をある程度回避・解消できた事もあって、この巻におけるフィーネはかなり安定している、というよりアッシュとの生活が充実しているように感じられる
この巻ではアッシュをリフレッシュさせるという名目でフィーネの故郷を訪れるわけだけど、その最中に起きたイベントと併せ、まるで彼女の家族に彼氏を紹介する帰省と成ったかのようにすら思えてしまうし

そうした諸々も含め、フィーネとアッシュはかなりイチャイチャしている。けど、バッドエンドを過ぎてトゥルーエンド後のエピローグとも言い切れない不穏さが漂っているのもまた事実なわけで…


カガト村での出逢いは幾つかの予兆を齎すものとなったね
表向きにはアッシュのリフレッシュ且つフィーネの帰省なのだけど、既に深い仲と成りつつある二人の姿をフィーネの家族同然の者達に見せる行為にもなる。また、どれだけ王都から離れても一度物語に関わってしまったアッシュが騒動から逃れられない事も示唆してくる
だからか、マザー・ヒルダも他言できないフィーネ出生の秘密をアッシュに明かすし、辺境の村でもアッシュに因縁のある事件は起ってくる
ただ、どちらにおいてもアッシュもフィーネは過不足無く事態に対応してみせたね。特にカルラとアイシャを救う為にレーベン家へと乗り込んだ二人は善意と勇気の使い方を間違えていないと思える

その点は二人が二人として互いを支え合い大切に想い合っているという様子にも通じているね
家族に頼らぬ生活をしていたアッシュが実父と実兄を断罪した事に精神的ダメージを受けているのは意外に思えたな。意外というのは前世持ちの彼が家族に対してセンチメンタルな事を感じていた部分。それは他の人にとってはもっと大きく感じる意外性の筈で。そう思えば、涙を流せていなかった彼をフィーネが抱き締めて泣けるようにしてやったというのは大きな意味があるように思えてしまう
これまでの二人はいずれ恋人になるのだろうな、なんて軽く受け止めていた。けど、あのシーンを見て二人はいずれ家族に成れるのだろうと考えを改められたよ

バッドエンドに陥りかけていたフィーネはアッシュに救われて、家族のバッドエンドに直面したアッシュはフィーネに抱き留められたわけだ
やはり二人は良い関係だね


アッシュとフィーネって関係をかなり深めているし、ちょっとしたヤキモチというか独占欲みたいなものも互いに発露するようになったけど、一方で気になっていたのはフィーネの人間関係がかなり閉じていた点か
アッシュ以外ではイアンとそれなりに話はするけど、とても仲が良いというわけではないし、サラサとの関係性は何とも言えない。カガト村の住人は遠くに済んでいる。だから友人枠の存在が登場したのはフィーネの生活をより明るくするものと成り得るんだよね
ただ、ここで問題となるのはフィーネにとって学院での友人というポジションはエリーゼという前例のせいで色々と思う処がある点

けど、アニエスの状況があまりに酷いものだった為にフィーネはエリーゼの前例なんて気にせずにアニエスと向き合えたんじゃなかろうか。アニエスがエリーゼとは違うタイプという点も挙げられるだろうし、彼女にかつての自分を見てしまったという点もあるだろうね
虐めに一人耐えなければならなかった頃のフィーネは助けを求める心を持ちつつも誰も助けてはくれないと絶望し、そうして心は荒んでしまっていた。だからこそ声を掛けたフィーネにさえ助けを求められず怪我を無理して隠そうとするアニエスを助けてやりたいと思ったのかな

フィーネが助けてやりたいと想い行動した事でアニエスが陥りかけたバッドエンドは回避された形に
アニエスが見た夢って復讐は完遂されるけど、同時に彼女の精神を粉々に砕きかねないものだったんだよね。あのルートを進んでもアニエスはハッピーエンドなんて迎えられずバッドエンドでしか無かった
フィーネが彼女を迎えに行き、アルディが本当の悲劇は起こらないようにし、アニエスが家族と過ごせるようにとアッシュはアルディを討たなかった。それらの行為はフィーネがバッドエンドを回避したように、アニエスもバッドエンドを回避できた瞬間であるように思えたな

また、こうしてフィーネとアニエス、双方に大切な友人が出来たのも貴重な瞬間となったのは間違いないね


本編は大禍無く様々なバッドエンド回避が行われている。それだけに裏側で膨れ上がっていく不穏さは折角築き上げられつつあるアッシュとフィーネの温かみ満ちる生活を壊してしまいそうで恐ろしいね…

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2026年03月25日

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