あらすじ
吉兵衛は吉原で空虚な日々を過ごしていた。房州の縫箔師の子に生まれながらも、絵師を志し故郷を出奔。狩野探幽に入門を志願したものの、門前払いをうけたことで不遇をかこっていたのだ。放蕩の日々のなか、気まぐれに遊女の小袖に刺繍を施した吉兵衛は、己の技巧で人々を笑顔にする喜びを知る。ふたたび創作の焔を心にともした吉兵衛は、絵師として名をあげる決意をした。浮世絵の祖・菱川師宣の熱き生涯を描いた歴史小説。
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Posted by ブクログ
この小説は、浮世絵師の菱川師宣の、挫折、誕生、成功、そして「見返り美人」の誕生を描いたものです。
千葉の縫箔屋の跡取りの吉兵衛は、絵師になりたく江戸に来ました。しかし、狩野派の門を叩くも、コケにされ、吉兵衛は吉原に居着くのです。
吉原の芸妓のさくら、小紫、揚屋のおかみのおさわや、おたえ、実の息子の吉左衛門や作之丞や、様々な人との関わり、人間模様が、細やかに描かれます。
吉兵衛は、狩野派へ憧れ、挫折し、対抗し、売れっ子の絵師になります。しかし、狩野と同じようになり自分を見失う。
最後は、最初絵師を志したときの自分を思い出して、「見返り美人」を描いて、終わります。
最後に、最初の志を思い出し、そういう意味で、吉兵衛は立ち直り、話は終わります。
梶さんの小説は、浮世絵師やその周辺の話が多いので、また読みたいです。