あらすじ
地方都市で暮らす三上咏子は、縫製工場でパートとして働きながら、高校生の翔琉と小学生の紗希、夫の丈史と平凡な毎日を送っていた。ある日の夕方、駅近くの商業施設から白い煙が上がるのを目撃。近くの塾に通う息子が気になり電話を掛けるが、「誰かが爆弾を仕掛けたテロだ」と興奮して語る様子に違和感を覚える。翌日、今度は市立図書館でも同様の事件が発生。いったいなぜこの町で、こんなことが? 咏子は今まで気にも留めなかった、周囲の異変に気がついていく・・・・・・。
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Posted by ブクログ
解説の町田そのこも書いているが、忘れてはいけない心持ちというものをみた気がする。
自分も、どうしても恐怖感が拭えない対象があるが、その感情は、広めるものではないし、静かに自分自身で背負うものだと改めて感じた。
投げかけの状態でお話しは終わるので、モヤモヤしてしまう読後の方もいるとは思うが、現実も同じだと感じる物語だった。
Posted by ブクログ
コロナ禍の鬱屈した雰囲気が思い出される作品だった。どうしようもない鬱憤をSNSで匿名攻撃したり、冷静な判断ができない世の中…。
日常だったら気にならない小さなことから事件へと発展していく。
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●主人公は普通のパート主婦。
家ではコミュニケーションが取れなくなってきた思春期の息子、自粛生活から太りだした娘。
子育てに無関心な夫。唯一の拠り所は飼い猫だけ。
職場では感染症に無自覚な同僚、外国人技能実習生の指導、上司との立場格差。
日常生活での悩みごとが溜まっている。
そんな悩み事を娘のPTAで知り合った知人に相談したことから視野が広がり、今まで自分が知ろうとしていなかった社会問題や家族の事実(本音)を知っていく…。
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淡々と進むわりには読みやすく一気読み。
主人公の正義感あるわりに周りが見えていなかったり、空回り具合が少しじれったかったが、ストーリー展開は面白かった。
Posted by ブクログ
ふと気づくと
確かに自分の地元にも、通勤途中にも
町中にも色々な国の人が多くいます
ほんとに日本は旅行者の方も含めて
様々な国の方が増えたなと
思います
デリケートな問題になってしまうので
詳しくは書きませんが様々な事が
問いかけれた話でした
Posted by ブクログ
身近なことのはずなのに、自分事として捉えることが難しいものが多い。見えなければ無いものとして生きて行くことに罪悪感を覚えてしまったら、この世の中の何と生き難いことか。
Posted by ブクログ
知らないことは怖い。
ただ、知った後でも怖いこともある。
知ることと、わかろうとすることや、考えることは違う。
膨大な距離が存在する。
自分ではどうしようもできない大きなことの主語は大きく、主語の構成も複雑。
だから、主語を形作るひとつひとつのバックグラウンドを実名で表されないと、知ろうとされづらく忘れられやすく、その先の理解には進まない。
だけど、その大きなことの一端が身近な何かだったなら、一気に距離が詰まってくる。
そのことに対して、隣人が考えていること・感情は、たとえその隣人が家族ですら、わからない。
咏子さんのような、そういう正義感や、ある種の正直さは、生きづらさや、周りの人への影響も生むだろうけど、やっぱり人として強いんだと思う。
私はどうなのかな。
考えさせられるな。