【感想・ネタバレ】ことばの番人(集英社インターナショナル)のレビュー

あらすじ

日本最古の歴史書『古事記』で命じられた「校正」という職業。校正者は、日々、新しいことばと出合い、規範となる日本語を守っている「ことばの番人」だ。ユーモアを忘れない著者が、校正者たちの仕事、経験、思考、エピソードなどを紹介。「正誤ではなく違和」「著者を威嚇?」「深すぎる言海」「文字の下僕」「原点はファミコン」「すべて誤字?」「漢字の罠」「校正の神様」「誤訳で生まれる不平等」「責任の隠蔽」「AIはバカともいえる」「人体も校正」……あまたの文献、辞書をひもとき、日本語の校正とは何かを探る。校正者の精緻な仕事に迫るノンフィクション。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

ゆる言語学ラジオで紹介されていたのを予約していたのがようやくきて読んだ。校正の世界、自分では本も好きだし向いてそうって思っていたけど、これは全然向いていません笑、、頭がさがる、、笑
(途中まで、「逐語心象型」p.58だし!と思っていたのに、、笑。言葉を言われた時に、視覚が浮かぶ・聴覚に反応するよりも書かれた文字や印刷を想像するタイプのこと)

なるほどなあと思ったところはいくつもあった。
そもそも日本語には正書法がない(p.118)
誤用でも慣用であれば直さない(p.20)
法律はもとより日本国憲法にも誤植がある、というのは笑っってしまった、そして読んで納得(p.168)

次に読みたい本に追加された箇所はこちら…笑
「マゾヒストの世界体験とは言語体験としての世界体験」(種村季弘『ザッヘル=マゾッホの世界』)なのだから。マゾヒストは物理的な鞭打ちや緊縛ではなく、「「鞭打ち」「緊縛」などの言語を体験する。実際の鞭打ちや緊縛は「生の肉体的苦痛にyすぎなくて、快楽に転化される見込みすらまるでない」が、それが「言語的想像力」を伴うことで快楽に転化される。いやらしい行為は「いやらしい」という言葉で昂奮する。早い話、行為ではなく言葉に反応するのだ。
実際の極貧による屈辱は苦難以外の何者でもないだろう。しかし「極貧」「運命」「屈辱」などの言語体験は快楽に転化しうる。屈辱が快楽という「自己の矛盾撞着を冷静にそのまま認知する者」こそがマゾヒストなのである。(p.149)
これは自分に大いにあるな!と思いまして笑

それから校正とは何か、を複数の校正さんが「リライトではない」、というのがなるほどーとなりました
私校正教室で落ちこぼれるわ…
校正とは「確認するんです。文章の内容ではなく、文字遣いが合っているかどうかを一字一字確認する。合ってるOK、合ってるOK、という具合に一字一字確実に進んでいくんです」(p.76)
その後に出された文、間違っているはずとわかっているのに、私の脳は意味で処理して、初読時に間違いを見つけられなかった…どれだけ日々スピード重視で適当に読んでいるか、よくわかりますね!悲…

辞書オタクの境田さんをはじめ、ドラクエから『新潮日本語漢字辞典』を出版された小駒さん、校正の神様と言われた神代種亮など、まだまだ知りたい人々でした。
面白かった!

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2026年05月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「校正」に関するエッセイ集。最初は校正者への取材から始まり、校正という仕事、言葉の意味について書いているのだが、憲法にも誤植はある、という話からどんどん話は広がって薬のラベル、遺伝子の話にまで行き着く(遺伝子にも校正者がいるのだ!)。読みやすいんだけど読みごたえはある、という感じの文章で、言葉についての面白い話が次々に出てくるので読んでいて飽きない。

憲法にも誤植があるという話は驚いたが、ただ「ある」という豆知識的な話に終わらず、英語の草案との比較や憲法制定のために行われた議論にまで踏み込んで憲法の文章の意図に迫っていくのが面白かった。
その他の章も辞書や古典、哲学者の言葉を引用しながらも言葉の意味を柔らかく解きほぐしていくような内容で、「よむ」は数え上げていくこと、寿ぐ(言葉通りに物事を動かす呪術)こと、というのがなんだかいいなと思った。著者の他の本も読んでみたい。

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2025年11月01日

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