あらすじ
わたしはこの本を書くために、3名の人物に取材をおこないました。
彼らの身の回りでは不気味な出来事が起きているそうです。
「ワニみたいな生き物」がいるという通報、見えない何者かに付け回され噛まれている女性、放課後の理科準備室で発見したつきのうらがわのほん、コックリさんが流行ったとある学校……
みなさんも彼らの話を一緒に聞いてあげてください。
【目次】
#1 マヨイガ人間
#2 下水道に棲む白い……
#3 皮膚の下のかみおとこ
#4 つきのうらがわのほん
#5 いたかもしれない弟
#6 やとのさたことくぬし
#7 うしのくびとわたし
感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
オチを知ってから、まえがきを読み直してほしい。自分の解釈が正しければ、プラナリアを切っていた「姉」は反後であり、「わたし」はその弟ということになる。
弟は反後が幼少期に死んだが、霊としてすぐに現れたらしい。「わたしが彼女の呼び声に応じなかったら」というのは、恐らくそういう意味。
メッセージアプリに連なるメッセージが全て反後のものだったのも辻褄が合う。
「まえがきにかえる」は、「替える」でもあり、オチから「帰る」でもある。そう思うとゾゾッとするからくり小説である。
Posted by ブクログ
前半はまあ今どきの怪異ホラーって感じで軽く読めて良かったけど、最後のまとめ方が読者巻き込む系でがっかりしてしまった。本を媒介にして読者を巻き込む形は、梨を筆頭にXホラー界隈ではテンプレ化しているように思えて、正直なところ新鮮味がない。一発目が大事なやり方な気がする。それか、読むことで起こる結び付き以外の何かもう一押しが必要だと思う。
後半で読者も重要な立ち位置にあると引き込んでおいて、最後は3人に利用された形で蚊帳の外に置かれてしまった印象がある。特に後日談がとってつけたような体裁で蛇足に感じる。逆杜くんは私たちに気を遣ってこんなことを長々書くとは思えなかった。もっと短文ではないか?
とはいえ、このスタイルを初めて読む人には驚きがあると思う。読者も登場人物の1人にする、というのは面白い設定ではある。
せっかく登場人物も名前といいキャラが立っていて、これだけでシリーズものが読みたいと思わせるくらい魅力的なだけに、ここで終わるのがとても残念。物に嫌われる逆杜やトラブルに突っ込む裏部は面白いし、もっと彼らの話が見たかった。行く先々で物が壊れながら謎解きしたり、怪異に遭遇するも本人は記憶なしで無傷だが周りは大変…みたいなお話。けれど作者がやりたかったのはキャラをこの先も生かすことじゃなくて、この仕掛けだったのね。