【感想・ネタバレ】さかさ星のレビュー

あらすじ

戦国時代から続く名家・福森家の屋敷で起きた一家惨殺事件。死体はいずれも人間離れした凄惨な手口で破壊されており、屋敷には何かの儀式を行ったかのような痕跡が残されていた。福森家と親戚関係の中村亮太は、ある理由から霊能者の賀茂禮子と共に屋敷を訪れ、事件の調査を行うことになる。賀茂によれば、福森家が収集した名宝・名品の数々が実は恐るべき呪物であり、そのいずれか一つが事件を引き起こしたという。賀茂の話を信じきれない亮太だったが、呪物が巻き起こす超常的な事象を目にしたことで危機を感じ始める。さらに一家の生き残りの子供たちにも呪いの魔の手が……。一家を襲った真の呪物は? そして誰が何のために呪物を仕掛けたのか? 数百年続く「呪い」の恐怖を描く特級長編ホラー。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

黒い家の恐怖を超える恐怖はないけど、呪術の蘊蓄や、曰く付きのあれやこれ、その背景や因果関係が本当に面白かった。ホラーというより、ゴシックホラーテイストミステリーで、呪いの大元を探せ!的な感じ。
二部作ということで、消えた月震や入場することなく退場した日震との対決を楽しみに次作を待つ!

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2025年12月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

極度のビビりなので夜は絶対読めなくて日中のしかも1人じゃない空間で読み切った。
なのでそこまで怖くはなかった、よかった…
貴志さんのホラーなので難しいかなと思ったけど、呪物とかたくさん出てくるわりに読みやすくて、途中賀茂さんと月晨どちらを信じたらいいのかわからなくなったりハラハラさせられた。
主人公亮太、軽薄なうだつの上がらない底辺YouTuberの設定だったけど頭の回転早いし行動力あるし普通に有能な青年だった。

普段ミステリーを読むのでつい伏線回収や意味を求めたくなるけど、これはそういうのは求めちゃだめなんだよねきっと…
うわあこわー!って楽しめばいいんだよね…

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2025年08月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

結論から言うと、噂に違わぬ面白さ(怖さ?)でした。第一章のこれでもか!と言わんばかりに次々と出てくる呪物。それにちらっとヒトコワもあり、最期は怒濤の勢いで読ませるすごさ。呪物のどんでん返し的な部分もあり、とにかく飽きさせず読めました。呪物と人の恨みコワッてなること請け合い。

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2025年07月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

福森家で起きた一家惨殺事件を調査する霊能者・賀茂禮子と中村亮太。
訪れた事件現場の屋敷は、曰く付きの呪物で溢れ返っていた。戦国時代から続く恩讐が今回の事件の引き金になっているのだろうか。事件の夜を生き延びた福森家の子供たちを更なる脅威から守れ。

呪物紹介ツアーが長くて閉口した。
庭木も多分に呪われていて、屋敷の門から母屋に入るまでにも随分時間がかかった。事件の内容もよく分からないうちから繰り広げられる講釈に、早く物語の全体像を掴みたいという気持ちが先行して、とてもじれったかった。母屋の中に入れば、河童の木乃伊や天尾筆などを始めとしたエピソードをちゃんと持った呪物が多かったので、その完成度はさすがだと思った。いや、それにしても呪物が多すぎて、また解説か…と嘆息する場面もあったのは事実だ。

手っ取り早くもっと怖くできたような気がする。
例えば、亮太のストーカー・リリコ。ファミレスでの邂逅は、作中で一番怖かったと言っても過言ではない。リリコの家に市松人形を取りにいく流れになるのかと手に汗握ったが、リリコはすぐ死んでしまった。他にも、生首を持ってうろつく稲村繁代や最後の大黒柱を目指して亮太が決死の床下探索する場面なんかも、貴志先生なら百倍怖く掘り下げられるだろうに、このフェザータッチ加減には首を捻るばかりだ。

あっけなく散っていく呪物たちがもったいない。
あんなに頁数を割いて解説してきたのに、亮太や賀茂禮子が駆使するわけでもなく、重要な呪物たちがさくっと燃える。もっとポケモンバトルみたいに呪物を繰り出して月震に立ち向かうのかと思ったのだが、使い方がもったいなかった気がする。
賀茂禮子が早々に退場してしまうし、月震も河童の木乃伊の攻撃が急所にあたって退場してしまうので、実況者不在で戦況がいまいち分からない。敵の具体的な目論見や守らねばならぬゴールの位置もいまいちよく分からず、それ故にはらはらする切迫感がない。気付いたら終わってた。

良質な貴志祐介作品を知ってしまっているが故に響かなかった。
もっと震え上がるような恐怖を、もっと飲み込まれるような世界観を紡ぐ貴志先生の作品を読んできたので、さかさ星じゃ満足できない。

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2025年11月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ホラーだと知らずに貴志祐介の最新作というだけで読み始めた結果、ホラーが苦手な私は怖すぎて震えながら読みました。
とても面白かったですが、最後のバトルシーンがもう少しあったらよかったなぁと思いました。

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2025年08月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

名家・福森家で起きた凄惨な殺人事件。福森家の親戚で祖母に呼ばれた亮太は事件現場である福森家の大きな屋敷へ向かうと、霊能力者を名乗る賀茂禮子という女性がいた。
家を見ていく過程で、賀茂はこの事件は呪物によるものだと断言する。実際、福森家には様々な骨董品が集められていて、そのひとつひとつに怨念のこもった曰くがついていた。

冒頭から様々な植物の魔除けの効果や呪物の説明がたくさんあって情報量が多く、覚えながら読むのが大変だった。結構すぐ忘れて戻って読み返したりもした。
月晨が出てきたあたりでもともと得体の知れなかった賀茂禮子が敵かもしれない、となり、そうなるともう全員怪しくて疑心暗鬼になりながら読むことになってとてもドキドキした。
幽霊画が実は子供たちを守ってくれていたのはなんだか切なかった。ていうか子供たちはみんな最終的に無事でよかった。
まあでもかつての福森家がやばすぎる。過去の行いを悔い改めた方が良いよ。恨まれるのも致し方ないレベル。亮太くんよく頑張ったよね。でも亮太もおかげでやばストーカー女撃退できたわけだしウィンウィンみたいなとこあるかも。そういえば人形調べてくれた先輩て無事だったんだっけ?

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2025年08月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

賀茂禮子については他の作品でも読んだことがあったため、再会した驚きと喜びがあった。
書かれているのは主人公の先祖の狡猾さと悪行の数々だが、主人公が現代の若者なので独特の軽さがあって、それが読者としては息抜きポイントになっていて良かった。ふとした瞬間の言葉が面白くて何度か吹き出した。
怨念と賀茂禮子の戦いになるのかと思いきや、主人公がひとりでなんとかしなくてはならない展開が無茶で、また笑いを誘った。「やったれ!頑張れ!」と応援していたが、当人はそれどころじゃない。
現代の殺人事件のようなはじまりだったが、どんどん過去を掘り下げて先祖の因縁にまで行き着くのは予想外だった。こうやって束になって復讐されたらひとたまりもない。
呪物に対する説明が多く、それはそれで面白いもののじっくり読んでいるとなかなか先に進まなかった。でも子どもたちを守ろうとした呪物の話は切なくて温かい。生前の苦しみや人柄を思わせる物語があり、それが物に宿っていることもあるのかなと思わされた。
この一冊で一生分の呪いと怨念と不吉さに触れたような気持ちでお腹いっぱいだ。

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2025年07月19日

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