【感想・ネタバレ】責任のレビュー

あらすじ

雪の深夜の当直中、刑事の松野徹は不審車両に遭遇し職務質問する。運転手の藤池光彦は急発進、徹は追跡するが車は交差点に突っ込み、光彦と通りかかった車の家族四人が死亡する大惨事となる。警察への批判が強まりかけたとき、光彦が事故直前に強盗致傷事件を起こしていたと判明、非難は遺族に集中した。冤罪を疑う光彦の両親から再捜査を嘆願された徹は、自責の念に誘われるように引き受けてしまう。新事実など出てきようがない、はずだったが――。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

刑事の徹は12年間ずっと気に病んでいることがあった。職質した不審車両が逃亡の末、家族4人を巻き込み事故死したのだ。逃亡した男は近くの家で強盗をした帰りだった。
12年後、その男の家族から息子の事件をもういちど調べてほしいと依頼を受ける。

真相が明らかになったことで新たな犯罪者が出てきてしまうのだが、徹をふくめ、多くの人の苦しみに一段落ついたのかと思うと、これで良かったんだと素直に思える。
とくに光彦への心象は180度変わった。


この作品には加害者家族の苦しみ、そして事故を起こしてしまった警察や刑事たちの苦しみは描かれているが、なぜか巻き込まれて死んだ家族の話はほぼ出てこない。そのせいで徹の罪悪感がすべて加害者家族に向いているように感じてしまうのだが、これはうまい誘導だと思う。

徹へは最初から最後まで嫌悪感しかなかった。
依頼を受けたのは自分なのにグチグチ言い訳ばかり。「お前は悪くない」と言われるためだけに愚痴ってるのがまる分かり。
事故があった当初も、同乗していた水脇は現実を見てあれこれ気を回していたのに、徹は12年前も現在も自分のことしか考えていない。
ずっとイライラしっぱなしだったから、青柿さんがガツンと言ってくれたときは、めちゃくちゃスッキリした。青柿さんマジでかっこいいです!

終始たんたんとした語り口だったので、心情に訴えかけるような文章だったらもっと良かったのにと思う。

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2025年05月28日

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