【感想・ネタバレ】ミステリ・トランスミッター 謎解きはメッセージの中にのレビュー

あらすじ

いま、もっとも注目されるミステリ作家による短編集。収録した全5編、時代背景や描かれた国、人物は異なりますが、すべての作品で共通するのは「人に伝える」ということ。今は携帯電話で他人と簡単に連絡が取れますが、では携帯電話を使うことなく大事なことを伝えるにはどうしたらよいのか? 手紙なのかチェス盤なのかカメラなのか……。伝えるのは、愛か動機か犯人か……。驚きの設定に驚きのラスト。すべてが新鮮、すべてが傑作。

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Posted by ブクログ

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あれー、レビュー少な。5編の短編集。『妹の夫』は前アンソロジーで読んだことあって、涙が出たやつ。今回もちょっと泣きそうになった。これはよくできてるよ。もう一つ宇宙系?の話があって、そういうのが好きな人なんだろうか。でもそれもめっちゃ面白かった。普通に吹き出しちゃった。『ゴールデンレコード収録物選定会議予選委員会』。『ワイズガイによろしく』もSFっちゃSF。『ある女王の死』も面白かったし。あれ、今見返したら人に伝える、がテーマの5編だそうだ。全然気付かなかった。

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2025年06月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

殺人事件は添え物。
大切なのは伝えること、の短編集。

時代も国も背景もバラバラな話だったけど、どの話もサクサク読めて面白かった。
「ある女王の死」と「妹の夫」が特に好き。

「ある女王の死」は、そうなったのも仕方ないと思わせて、それでも驚異の先読み力を生かした最期になんだか切なさを感じた。

「妹の夫」は、殺人よりも、異なる言語の中、短い時間でお互い理解し合おうとするふたりにジンときた。最後が熱い。

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2025年05月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

※後半、ネタバレが多いのでご注意ください

[こんな人におすすめ]
*斬新な設定のミステリーが読みたい人
 とにかく設定が面白いミステリー短編集です。タイトルや本の帯に書かれている通り、スマホがない状態でメッセージを伝えること、メッセージを読み取ることに焦点を当てていて、どの話もとても読みやすいです。それぞれのお話がキレイにまとまっているので、ストーリー自体にはストレスを感じずスルスル読むことができます。
 ミステリー小説を読みすぎて既存の設定に飽きてきた人も本書なら楽しめるかもしれません。

[こんな人は次の機会に]
*勘の鋭い人、想像の斜め上のミステリーが読みたい人
 設定は斬新ですが、謎解きパートや結末にはあまり驚かされないので、普段からミステリー小説が好きな人には物足りなく感じるかもしれません。謎解きより世界観を楽しむタイプのミステリー小説です。
 最初から4編目までは物語の序盤で結末に気づく可能性が高いです。個人的には最後の話が人間ドラマとしても余韻が残る面白さなのでおすすめです。

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2025年10月23日

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ネタバレ

またまた朝井リョウさんの紹介本。
斜線堂作品は2冊目だが、『星が人を愛すことなかれ』とは同じ著者が書いたと思えないぐらい全く毛色が違う作品でびっくり!

ミステリ短編集なのだが、それぞれの作品が全然違う世界観でどれも変わった作品ばかりで斬新だった。
SFっぽいものや外国のギャングスタを題材にしたもの…。
振れ幅が大き過ぎて、ついていくのが大変だった。
結構現実離れした内容なので、読み手の想像力が試される気がする。
ミステリといえばトリックや謎解きを楽しむものだと思っていたが、この本はどちらかといえば展開や個々の登場人物を楽しむものなのかなと思った。

最後の短編『ゴールデンレコード収録物〜』はよく分からず、後で調べてみたら実際の出来事をモチーフにしていたのか!
とすると玖水という架空の人物が謎過ぎる…。
こういう人物がいたら面白かっただろうな、という著者の妄想、で合ってる?

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2025年10月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

★3.5
メッセージが謎を解く鍵となり、スッキリ読める。
強かに生きた老女の年代期ような展開で、仕掛けた罠が巧妙に作用する「ある女王の死」が好み。
「雌雄七色」は逆順じゃないかなと思ったらまさにその通りで。結末はわからないが、因果応報迎えていたら胸が空く。

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2025年08月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

短編集。

『妹の夫』は、宇宙に旅立った男の妻が殺され、犯人について懸命に伝えようとするが、翻訳機が壊れてしまって…というやきもきする話である。地球で男の通信を受けるドニという職員が優秀で、言葉が通じなくとも表情や仕草からこうまで推測できるのかと目を見張った。しかし、全てが上手く行く訳ではない。無事、妻を殺した奴について伝わるのか最後までどきどきだった。しかし、なぜ妻は殺されてしまったのだろうか、気になる。

『ゴールデンレコード…(以下略)』は、地球外生命体に人類を伝えるための写真を選考する委員会である。設定が面白い。こういうのは利害関係で雁字搦めな大人より、子どもが選んだ方が良いかもね。各人が、自分の写真を選んで欲しくて頑張って説明するが、その思惑をオタクの玖水が次々と暴いていってしまうところが小気味良い。いや、決して玖水は好きなキャラクターではないけども。ヌーディストビーチは、私ならアリだと思うが、裸に関するものはNGと結構厳しめである。結局、どんな写真が選考されたのだろう。

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2024年11月14日

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【収録作品】
「ある女王の死」
「妹の夫」
「雌雄七色」
「ワイズガイによろしく」
「ゴールデンレコード収録物選定会議予選委員会」

テーマは「伝えること」。
何を誰にどうやって伝えるのか。
携帯電話でサクッと……ができない場合に、知恵を絞ってコンタクトを取る人々の話。
「ある女王の死」は、貸金の「女王」の生き様が小気味いい。願わくは最後の願いがかなわんことを。
「妹の夫」は、本人もすごいがそのメッセージを受け取った相手が偉い。
「雌雄七色」は、虹の色の順に読むという手紙。読み方で書き手の気持ちが真逆になる工夫が面白い。
「ワイズガイによろしく」は、並行世界もののSF。テンポ良く語られる。
「ゴールデンレコード……」は、面白みがよくわからなかった。

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2024年10月31日

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