あらすじ
臼原市で死体遺棄事件が起きた。被害女性の遺体は強姦の跡があっただけでなく、身体の一部が切り取られており著しく傷つけられていた。数日後、ふたたび臼原署管轄内で女性が惨殺遺体で発見される。捜査本部に参加する千葉県警本部の刑事・八島武瑠はある事件を思い出していた。二十年前に三鷹で起きた連続女性遺体遺棄事件。今回と同じく遺体はひどく損傷し、彼女たちの容姿も似通っていた。捜査をすすめる武瑠に、従弟の願示が急に接近してくる。彼は独自に調べるうちに、真相に至ったと話す。二十年前の事件の犯人は亡くなった双子の弟で、いま起こっている事件の犯人はその模倣犯だ――武瑠の周囲に暗雲が垂れ込み始める。すべて根源は、壊れかけた家族にあった。
『死刑にいたる病』などで注目の作家が描くサスペンスミステリー。
感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
遺伝、骨肉の物語
相変わらず描写がえげつなくて好きです。
黒く塗りされた手記部分を読ませて欲しい(笑)
真犯人にはさほど驚きはなかったけど
呆気なく逮捕された感。
もうひと盛り上がり欲しかったかも。
きぃきぃ…
なんだか脳内再生されるから不気味さがマシマシ。
Posted by ブクログ
面白かったし怖かった。
親や兄弟のおかしいところを自分も継いでしまってるんじゃないかっていう他にはあまりない怖さ。
たけるたち世代は呪いを引き継がずに幸せになれそうな最後で良かった。
祖母がなぜちあきに味方するかはわからなかったし、ちあきは虐待されてないのかとか疑問は残った。
ヒロや圭一は穴倉で虐待されてたんだろうけど…
動機もちあきだけはないようなものだなぁと。
Posted by ブクログ
最初の一行から不穏な空気。
プロローグが終盤で意外な繋がり。
ぐいぐい読み進めたけど、登場人物が同じ一族でややこしくて、名前が急に出てくると「誰だっけ?」とか「あ、この人はまだ生きてるのか」状態だった。
Posted by ブクログ
ここまでドロドロした話は久しぶりだった。
誰かも彼もが怪しく思えて、なんならタケルの無意識犯行とか…も思ったけど。
赤い穴倉は怖すぎた。そして祖母をそこまで壊した祖父…いったいどんなひとー??
祖父と祖母の話も読みたい。
Posted by ブクログ
現代の社会問題(ヤングケアラーや毒親問題、カサンドラ等)が盛り込まれた、「人間が殺人者になってしまうまで」を描いた小説だった。
文章が読みやすくさくさくページが進むけど、タイトル通り出てくるのは病み散らかした家(血筋)で育った可哀想な人たちばかりで内容は重め。
しかしそれぞれの問題への突っ込み度は浅く、犯人がありがちサイコパスな動機を披露してなんとな〜く終わる。肉親のドロドロをストーリーで直接描くというより、祖父の代から続く呪いを読者に想像させて嫌な気持ちにさせる感じ。こわいこわい。
トラウマやコンプレックスを克服できないまま親になってしまうことの恐ろしさ。
自身の欠落を弱者(この本では配偶者や子供だった)に押し付けないようにしなきゃな…と思う。