【感想・ネタバレ】別れのワルツのレビュー

あらすじ

舞台は東ヨーロッパの紅葉に染まった谷間にある不妊症に効くとされる小さなリゾート温泉保養地。亡命を決意したヤクブは、友人らに永遠の別れを告げるべく、ここにやってくる。ふとした成り行きから薬の小壜に混入された毒薬……物語が動き出す。医師、若い女、高名なトランペット奏者と美貌の妻、アメリカ人湯治客――幾組もの男女がすれ違いもつれ合い交錯する。愛、欲望、裏切り、個々の選択が引き起こす予測不可能な結果……。めくるめく円舞とともに演じる五幕のヴォードヴィルは「小説の魔術師」クンデラの初期の傑作!

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Posted by ブクログ

本人がフランス語で書いた小説である。結末は簡単に推測できるので、推理的な面はない。訳者があとがきで記載しているのは、クンデラは小説にユーモアを入れたかったという。そこで、チェコのユーモアを読み取るためには良い素材であろう。

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2021年05月27日

Posted by ブクログ

テンポよく読めるけれども、テーマはそこまで軽くない。トランペット奏者は話のきっかけなのであってどんどん存在感がなくなっていく。亡命を計画しているヤクブが主人公に近いのか、ラスコリニコフと自分の比較をする部分は面白かった。にしても医者スクレタ、グロテスクすぎる。

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2017年03月22日

Posted by ブクログ

軽やかに踊ることで別れを告げる相手は一夜限りを共にする相手なのか、それとも二度とその地を踏まぬと決意した祖国に対してなのか?クンデラにしては比較的オーソドックスな形式で描かれた5章‐5日間の協奏曲。ダンスのパートナーが次々と入れ替わるように、対比的な会話が次々と交差し、愛という観念は決して留まることなくその印象を変えていく。そして嫉妬や後悔、情念といった感情を精緻に明晰に切り取ってしまうクンデラならではのその筆力が、普遍的な恋愛物語を悲劇と困難に直面した歴史のメタファーとして成立させているのだろう。

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2014年09月16日

Posted by ブクログ

8人の男女を中心にして語られる、ある田舎の温泉地での5日間の出来事。
次々と視点を変えて紡がれる物語はとてもテンポが良くて、まるで本当のワルツのように、くるくると回るように進んでいく。
そして彼らが描く円の中心には何があるのかと言えば、それは死と、生と、愛、罪、罰、そして一夜の情交のように儚い喜びである。

男と女は、どうしてこんなにも分かり合えない。

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2014年01月21日

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