あらすじ
「カケイさんは、今までの人生をふり返って、しあわせでしたか?」――ある日、ヘルパーのみっちゃんからそう聞かれた“あたし”は、絡まりあう記憶の中から、その来し方を語り始める。母が自分を産んですぐに死んだこと、継母から薪で殴られ続けたこと、犬の大ちゃんが親代わりだったこと、亭主が子どもを置いて蒸発したこと。やがて、生活のために必死にミシンを踏み続ける“あたし”の腹が膨らみだして……。この世に生まれ落ちて、いつの日か死を迎え、この世を去る。誰もが辿るその道を、圧倒的な才能で描き出す! 著者デビュー作にして第45回すばる文学賞受賞作!!
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Posted by ブクログ
老いた体の重さの描写や、思考や記憶が鮮明になったりあやふやになったりする感じの表現がリアル。
全てカケイさんの語りだけで完結しているのがすごい。
カケイさんの物語なんだけど、自分の老後にも重なるし、亡くなった祖母も思い出されて、最後は泣きました...
とても印象に残る一冊でした。
文庫版の表紙が読後に見るとまた素敵で、涙出ます。
Posted by ブクログ
老いによって体の自由がきかない、認知症のおばあちゃんが語り手。
あい。
わかりましぇん。
しわのある口から出る言葉として、読んでいて想像しやすい。
主人公のカケイさんの思考はさまざまな方向に飛んでいく。これが認知症の頭の中なのだろうか。
カケイさんの人生は、客観的に見ると虐待だの望まない認識だのと不幸の連続ではあったけれど、その中にも幸せはあったのだな、とあとあと分かってくる。
私ばっかり、となってしまいがちな人生が、本当は恵まれたものだということに気づくカケイさん。
心が温かくなる、おばあちゃんのさいごの物語だった。
私もさいごの時にはてのひらに花畑を見たい。
Posted by ブクログ
表紙に惹かれて購入。
認知症の女性の人生のお話。
語り口調で進んでいくんだけど、話があっちこっちにそれていったりするところが認知症ってこういう感じなのかなあとリアルに感じた。
『きんとと』
が、小さい子特有の、言葉がおぼつかない時期しか聞けない発言で、その後ものすごく寂しくなってしまった。