【感想・ネタバレ】ミシンと金魚のレビュー

あらすじ

「カケイさんは、今までの人生をふり返って、しあわせでしたか?」――ある日、ヘルパーのみっちゃんからそう聞かれた“あたし”は、絡まりあう記憶の中から、その来し方を語り始める。母が自分を産んですぐに死んだこと、継母から薪で殴られ続けたこと、犬の大ちゃんが親代わりだったこと、亭主が子どもを置いて蒸発したこと。やがて、生活のために必死にミシンを踏み続ける“あたし”の腹が膨らみだして……。この世に生まれ落ちて、いつの日か死を迎え、この世を去る。誰もが辿るその道を、圧倒的な才能で描き出す! 著者デビュー作にして第45回すばる文学賞受賞作!!

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Posted by ブクログ

辛いことや頑張ってきたこと、乗り越えてきたことがたくさんあり、そんな人生の終盤で認知症を患っているおばあちゃんのカケイさん

そんなカケイさん目線で語られるトンチンカンだけどちょっとおもしろい会話や過去のカケイさんの話

カケイさんがかわいくてクセになる!
そしてこのお話がすごく好き!

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2025年10月31日

Posted by ブクログ

好き。
すごく好き。

もう、
人生の全部が詰まってる。

人生ってきっとこう。
時代は違うけど、人と人はこんなふうに社会で支えあったりすれ違ったり、自分の思いをうちに秘めて、生きる。

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2025年10月07日

Posted by ブクログ

おばあちゃんの語り  
楽しくもあり淋しくもありました 
嫁とのやり取りやヘルパーさん(みっちゃん)とのやり取りがちょっと違うのが感心しました

毎日ミシンを踏んで頑張ったこと お兄さんや広瀬のばーさん 夫や息子 そしてみっちゃん いろんなことを思い出して 幸せだったと言える人生 

手に花が咲くまで 私も楽しく幸せな人生を送りたいなとおもいました

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2025年10月02日

Posted by ブクログ

面白過ぎて一気に読んでしまいました。ユーモアもあり哀しさもあり色々な感情になりました。ぜひまた読み直したいです。

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2025年09月27日

Posted by ブクログ

医療職者だからか、
認知症で短期記憶が覚束ない女性目線の話はものすごく勉強になった。
あれは気を遣ってくれてたのかとか
そんなふうに思ってたのかとか。

覚えたいことは忘れちゃうのに
忘れたい過去ははっきり覚えてる。
その間で揺れる主人公。

斬新で読みやすいのに
心に深く沈む小説。

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2025年09月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

介護の問題について検討する話だと思ったが、そうでもあるけれども、泣きそうな物語である。余韻が残る小説である。

物語は、一人称の「あたし」すなわちカケイさんがヘルパーのみっちゃんに滔々とまくし立てるシーンから始まる。饒舌といっていいほどの雑談と、ひらがなが長く続く文は、最初は少し読みにくかったが、その少々脈絡の乱れる独り言のなかに、カケイさんの波乱万丈の過去が少しずつ浮かび上がってくる。そして現実に戻ると、家族の過酷な接し方などを見て、その無力さが鮮明に描かれている。

では、カケイさんは、しあわせだと思うのか。

全編を通して、涙を誘うところは二つある。まず、前半を読んでいながらずっと疑問を抱くカケイさんのヘルパーに対して付ける「みっちゃん」というあだ名。一人だけではない。すべてのヘルパーは「みっちゃん」である。どうして?「面倒を見る人」だからかと思ったが、中盤のところ、カケイさんの寝る前の朦朧とした意識に、「みっちゃん」が蘇ってきた。

過去を振り返っているときのカケイさんは感情的ではない。逆に、すごく淡々と昔のことを述べている。でも、ここまできて、読者はもうすでにカケイさんの人生に入り込んでしまって、なのでそのとき、この老女が昔のその、人生で一番大事な、なのに一番後悔な話をしているとき、読者も胸が締め付けられるような気持ちになった。

ここは本当に泣きそう。

そして二つ目のポイントは、カケイさんが最後の最後に、自分の人生と和解するところである。早く終わりたいと思いつつあったこの損をしたばかりの人生。でも、実はそうではない。

「しあわせでした。」

不憫な「孤独死」ではなく、最後に見たのは掌に咲き誇る花と、迎えてくる昔の仲間たち。

とても心に沁みる物語である。

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2025年09月06日

Posted by ブクログ

これはボケたおばあちゃんのコミカルな現実話かと思えば、なかなかディープな人生のお話で短いながらとても内容の詰まった作品で感動もあった。

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2025年08月24日

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ネタバレ

最初から最後まで上手くまとまっていて欠点のない素晴らしい小説だと思った。
カケイさんは亡くなった自分の祖母を思い出し、愛おしくてせつなかった。
おばあさんって特に認知症の高齢者はのどかで優しいだけじゃない、嫌味も言うしネガティブになるし何度も何度も同じこと言われ大好きなおばあちゃんでも疲れるなと思ってしまうけど、それでもおばあちゃんが長生きしてくれたことが嬉しかった。
この本を読めて良かった。
最後も暗い気持ちにさせず、ワンちゃん二匹がお腹に紐括られてリヤカーで登場し「お迎えの看板にいつわりあり」が好き。笑

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2025年08月11日

Posted by ブクログ

語り口調や、老人文学が自分にとって新しい小説の世界の扉を開いた。

カケイさんが、しあわせな人生だと言っているように、私もしあわせな人生だと言えるように生きたい。

2025年ナツイチでこの作品と出逢った。
出逢えて良かった1冊。



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2025年07月24日

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切ないほどに狂おしく、そして真綿のように暖かく…
認知症のカケイさんの頭の中は、それでもすごく鋭いし、過去のことも手のひらのシワを読み取るが如く細かく覚えている。
人生の果ての場面においては頭の中がこういう働きさえしてくれれば良いのではないかと思わせてくれるような、面白い小説だった。

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2025年07月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

2025のナツイチクリアしおりが欲しくて購入。ナツイチがなかったらたぶん読むこともなかったろうなあ。とてもおもしろかったです。

認知症で施設に預けられている老女、カケイさん。
過去のことははっきり憶えているが、最近のことは日付すら分からない彼女のすがたを、主体と客体が入り交じる文体で描写する。しっかり過去を回想していたかと思えば、「あい」「しりましぇん」と気の抜けた返事をする自分をどこか他人事のように見ている箇所もあり、もしかすると認知症の人の自己認識はこういうものなのかもしれないと思った。実際のところは知らんけど。

解説にもあったが、カケイさんのように介護が必要になった高齢者は、それまで固有の長い人生を送ってきたにもかかわらず、えてして個性を失ってしまう。いや、実際には失われていないのだけど、言語や身体が不自由になっていくこともあって、他人から個性を認められにくくなってしまう。(高齢女性は、と書いてあったけど、高齢男性もある程度名を成してないと同じなんじゃないかと思う)

「ミシンと金魚」は、そんなカケイさんの人生を詳らかにし、名無しのおばあさんに名前を取り戻すような作品だ。
下世話な言い方だが、カケイさんの過去に何があったのか、どんでん返しミステリっぽい要素もあって引き込まれて読んでしまった。

望まぬ子を孕まされ、夫は逃げて、兄や子どもはみんな不幸な死を遂げ、身を粉にしてミシンで作った財産はたかだか110,000円かそこら。遺言通り「みっちゃんたち」で山分けしたら本当に微々たる額だ。
端から見ればかなり壮絶で不幸な人生に見えるのだが、それでも、カケイさんは「しあわせでした」と答えてよい。
「人間の尊厳」という言葉は見るからにいかめしく、分かったような分からんような言葉だが、要するに、自分が幸せだったかどうか、自分で決められることなのではないだろうか。

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2025年06月29日

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本人には見えてない部分の周りの人の力で私達は生かされている。今、生活出来ているのも自分自身には見えない人たちの努力のおかげなのだと気づける一冊でした。
主人公の老人の女性の気づきによって幸せの意味を今一度考えさせられました。

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2025年12月08日

Posted by ブクログ

ほっこりする話

おとなしいだけのおばあちゃんに見えて、実はすごい過去を背負っていて、我慢の人だった。
そして卑屈でずっと自分が虐げられてると思い込んでたけど、実はそこまででは無かったって話。

悲しいような、良かったような。
教訓になる話でもある。

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2025年10月26日

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短めだからスキマ時間にと手に取ったが。
認知症のおばあちゃんがのべつ幕無しに語る壮絶な人生
起きて立ち上がるだけの動作の描写が超リアル
ヘルパーさんがみんなみっちゃんなワケ
悪いことばっかりじゃなかったね
人生の最後に何を思うのだろう

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2025年10月25日

Posted by ブクログ

最後、ちょっと泣いた。
カケイさんという、認知症のおばあさんの話しなんだけど。おばあさんって、当然だけど最初からおばあさんなわけではなくて。それまでにあったいろいろなことを思い出しつつ、でも、あれ?今何してたっけ、みたいになったりして。
昔の時代だからか、周りからの愛情なんかも伝わりにくいよね。と思いつつ。死ぬ間際になってから、愛されていたこととか知っても…遅いよー、なんてもどかしく思ってしまったり。

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2025年10月24日

Posted by ブクログ

いろんな感情が押し寄せて心がふわふわしたような読後感でした。認知症の主人公の視点から描かれるので同じ事を何度も聞いたり、確認したりするのが痛々しい。でも、同じ事を聞くからこそ、相手の心の機微が見えたりもするから面白かった。
みんな介護はいろんな思いを抱えながら生きていくものだと思います。家族だから分かること、家族でも分からないこと。デイサービスだから気づけたこと、どうしようもなかったこと。最後はお互いの和解があったから良かったけど、認知症の主人公だから本当のところはわからない。
でもそれでいいんだと思う。

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2025年08月02日

Posted by ブクログ

なんの事前情報もなく読み始めて、読みやすくてさらさら読めてしまった。
でもなんというか、作品のリズムがちゃんとあるんですよね。
ゆっくり、まったり、思考が忙しくないのに、読んでて退屈はしないという不思議。

言ってしまえば、介護が必要になった認知症のおばあちゃんの一人語りなのですが、生きていてずっと覚えている人生の後悔だったり、死期が近づいて周りの人間も死んでいく中で初めて知る事実があったり、死に際のことだったり。

老いて死んでいくということが、必ずしもみじめだったり怖かったりするものではないのかもしれないな、と思わせてくれる作品でした。

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2025年07月31日

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50代後半でのデビュー作であり、2021年のすばる文学賞受賞作品。テンポ良く読み進められるが、内容は全然軽くない。それでもカケイさんの素直さと達観(諦念に非ず)に救われる。

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2025年07月24日

Posted by ブクログ

カケイさんの壮絶な過去。それを認知症の中でも過去と現在の記憶で苦しんでいたこと。でも最期には自分が幸せだったと感じられたことに安堵しました。ミシンと金魚の題名にカケイさんの人生を感じました。

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2025年07月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

みっちゃんが死んでしまったところ、何かが起こりそうで怖かった。
だから、ヘルパーの人 みんなみっちゃんなんだな。
ミシンと金魚 タイトルにもハっとする。

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2025年11月16日

Posted by ブクログ

認知症のおばあちゃんの思考回路なんて考えてみたこともみなかった、なかなか面白かった。でも、このおばあちゃんの人生って、何だったんだろうか。生きてれば辛いことも苦しいことももちろんあるけど、死ぬときに「やれるだけのことを私はやった、幸せだった」と思える生き方をしていきたいものだ。

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2025年11月01日

Posted by ブクログ

最初は、平仮名が多くて読みにくいな、とか
話がよくわからないなって思っていたけれど
読み進めていくうちに、
(勉強をあまりしてこなかった)認知症のカケイさんが
語っているからそれの表現に平仮名が多いのかとか、だからなのかみっちゃんなのか!と頭の中で結ばれていくことが多くて、平凡なお話の中にある温かみが心地よかった。

きっとこれからは家族みんなで仲良く過ごせますように

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2025年10月23日

Posted by ブクログ

今まであまり読んだことのないタイプのお話だった
最初はなんのことかよくわからなかったけど、読み進めるうちにわかってきた
ちょっと切なくて、可愛らしくて、ラストはあったかい人々の心でほっこりするお話でした

絵がとても素敵

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2025年10月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

あぁ…
タイトルのミシンと金魚は…
カケイさんの心の中にある負い目だったのか。
酷い人生のようでも、知らないところで
いろんな人に愛され、守られて生きてたんだって、
最後に知ることになって、
幸せに死ねそうなのがよかった。

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2025年09月19日

Posted by ブクログ

文章は会話調の割には読みやすいと感じた。本人の中では理論が通っているもろもろなのだなと。最後の気づきのようなものは結構好き。

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2025年09月16日

Posted by ブクログ

かわいいおばあちゃんのお話。年寄扱いされているおばあちゃんの方が冷静ですべてを理解しているようで楽しい。

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2025年09月08日

Posted by ブクログ

ボケてるのかクリア過ぎて頭のいい主人公なのか笑えた。
世の介護を受けている方々はこういう気持ちでいるのかもしれない。
文字で追うのではなく、Audibleで聞いたがそれがよかった。文字で読んでいたら途中でやめてしまったかもしれない。
年上の人はやっぱり人生の先輩だと思った。

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2025年07月29日

Posted by ブクログ

ナツイチのしおり欲しさに読んでみました。
(動機が不純…)

正直、読みやすいとは言えないかもしれません。
主人公・安田カケイさんの置かれている立場や状況が、最初はなかなかつかみにくいのです。
ただ、普通の状況ではないことは、語り口調からじわじわと伝わってきます。

「この話は、こういう状況に置かれた人の話なんだ…」とハッキリわかったのは、カケイさんの子ども・道子の話が出てきた時でした。
(気づくの遅いかも)
それまでは「辛い人生を送ってきた人の話だなぁ」と思いながら読んでいたのですが、道子の話で状況を把握してから、一気に切なさがこみ上げてきて。「走馬灯」という言葉が浮かびました。

よく「死に際に走馬灯を見る」と言いますが、私はそれまで「死ぬ瞬間に一瞬でその人の印象的な記憶が蘇るもの」だと思っていました。
でも、実はそうじゃないのかもしれない。
認知症になり、“今”という時間軸で生きられなくなった時、人はゆっくり走馬灯を見ているのではないか…そんなふうに、ぼんやりと考えました。
現在と過去を行き来するような記憶。だんだんと、昔の記憶が日常を支配していく。
それが、走馬灯なのかもしれないと——。

カケイさんの思い出は、不運な出来事ばかりがよみがえってきます。
もちろん良いこともあったと思うのですが、心に深く残るほど強烈な出来事は、圧倒的に“不運”の方が多かったのだろうなと感じました。

「自分は不幸だ」と思い続けていたカケイさんの心を、広瀬のばーさんの告白がガラリと変えます。

そこで出てきたフレーズが、今を生きる私の胸にも刺さりました。

”損した。
と、おもってたけど、なにかにつけ、自分は損した、自分だけが損した、と、おもってたけど、それは、おもいあがりだった。
広瀬のばーさんをこころん中で煙たがっていた自分に、いままでの自分に、うんと、ううんと、腹が立った。”

不運なことがあると、つい周りと比べて「なんで自分ばかり」と卑屈になってしまい、視野が狭くなります。
でも、そんな自分でも、誰かに生かされている。
だからこそ、今まで生きてこられたのかもしれません。
死ぬ間際にそのことを知ることができた——それだけでも、きっと幸運なのではないでしょうか。

おそらく、広瀬のばーさんの告白を聞くまでは、「自分は生まれてこない方がよかった人間なんじゃないか」という思いが、カケイさんの中に根付いていたのだと思います。
それが、あの告白によって逆転するのです。

ふと思ったのですが、カケイさんにとって、広瀬のばーさんの告白は『幻の光』で言うところの「精が抜ける」出来事だったのかもしれません。

「自分は生まれてきてよかった人間なんだ」
それを知るために、生きていたような気がしました。

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2025年07月26日

Posted by ブクログ

はじめ、あまり好みじゃないかなと思ったのですが
カケイさんの人となりを知っていくにつれて引き込まれました。そんな風に生きてきたのか。
ヘルパーさんを全員「みっちゃん」と呼ぶ理由が苦しい。
しかし結局、広瀬のばーさんに全部持ってかれました。

読み終えて、辛く苦しいけど穏やかな、不思議な余韻が残るお話でした。

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2025年07月25日

Posted by ブクログ

認知症を患うカケイさんという老女の語りで物語が進んでいました。

息子を亡くしたことも、季節や日付も忘れてしまうカケイさんの語りは最初話があちこちにいくので複雑に感じましたが、カケイさんという1人の女性の人生や思いに触れ、最後は心がじんとしました。

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2025年07月01日

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