あらすじ
伊藤亜和――彼女はいったい“何者”なのか。
父の日、X(旧Twitter)上にぽつりと投稿されたnoteの記事「パパと私」が瞬く間に話題となり、著名人の目に留まった彼女。
彼女の淡々とした語り口で紡がれる物事の数々は、我々の世界の解像度を少しだけクリアにしてくれる。
彼女のフィルターを通して見えている世界を体感し、彼女の一端に触れることが出来る、家族、人間、愛にまつわる珠玉のデビュー作!
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私の努力で報われたことなどなにもない。
だからせめて、この1冊目は愛してくれた貴方たちに捧げます。
私を信じてくれてありがとう。
互いの愛おしさに耐えられなかった私たちへ、言いそびれてしまったことが全て届きますように。
(「わたし」より)
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Posted by ブクログ
〈忘備録・ネタバレあり〉
「パパと私」がやっぱりすばらしいな。
普通なら隠したいような父親の気質や2人の喧嘩を(しかも現在進行形)、ユーモアある表現で少し笑いも交えながら書き、私たちに公開してくれた。それはただ自分の過去現在を書いたというよりも、父へのちょっと荒いラブレターのようだった。絶縁状態でも父は近くに住んでいてTwitterフォローしてくるし、その後リムるし、娘は父の仕事にいく姿を見つめている。形はちょっと歪だけど、2人は心で想い合っている。こんな文章を読ませてくれたことに、ありがとうね、という気持ち。
言語の違いで自分の親と完全には意思疎通ができず、厳格な宗教が生活や教育に絡む状態ってどういう感じなのだろう。今まで考えたこともなかったことについても思いを馳せた。
(引用)パパは日本語があまり上手ではなかった。日常の会話で困ることはほとんどなかったけど、込み入った会話はなかなか成立せず、私はパパがどんな人間なのか知ることができなかった。
正直で不器用で自分を粗末に扱ってしまうところがある彼女の視点や文章は、自分にとって珍しくてとても興味深かった。
彼女然り若い方々は、調子に乗る人が少ないような気がする。俯瞰でみているかんじ。
一方で「肩書きが大好き」とはっきり言うの面白いなぁと思ったが、人と違う特別はもう十分経験させられてきたから、それよりもみんなが認める社会の仲間に入れてほしい…という理由に、なるほどなぁと思った。そう思わせちゃう人生だったんだね。
でも、彼女も書いてるように、誰も欲しがらない石ころだと思っていたあなたの姿、声、話し方、考えは、世界中どこを探しても見つからない宝石なんだよ。本当にきれいだよ!と心からお伝えしたい。
(引用)私は今も昔も、自分が損している状況に鈍い
(引用)「幸福な出来事」の理由を「自分が頑張ったから」という結論に繋げる方法が分からないのだ。私はなぜか人に「頑張ったね」と言われると過剰に否定しようとする。
(引用)自分の優しさを粗末にしていたのは私自身だと思う。優しい自分を認めていよう。
(引用)私は、怒りや憎しみという感情を長く持ち続けることが不得意なようだった。
自分の人生の終わりがカーテンコールみたいになればいいなっていうところ、すごく素敵な考えだ!わたしもそうなりたいなって思った。