あらすじ
中学受験国語で出題多数の小説、
『キャプテンマークと銭湯と』『ソノリティ はじまりのうた』の佐藤いつ子氏最新作!
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平凡な中学生・優希は、クラス替えでたまたま「1軍」のグループに入れたものの、本当の自分を隠して生きている。
成績が悪いフリをするし、オタクなところは絶対にバレたくない。クラスメイトの投稿に「いいね」をつけるかどうかも悩む。
そして家でも、生理用品を買ってと親に言えない・・・・・・。
「周りからどう思われるか」を気にするあまり、生きづらさを感じる優希が、不登校ぎみの転校生やマイペースなクラス委員との心の交流を通じて、
自分を縛る<透明なルール>に気づき、立ち向かっていく。
教室の雰囲気やSNSの同調圧力に息苦しさを感じる全ての人に、勇気をもたらす爽やかな物語。
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★10代から共感の声続々★
「僕自身も、小学校の頃に同調圧力や連帯責任に疑問を感じたことから徐々に学校へといけなくなり、
悩み続けていた経験があるので本作の主人公の姿にとても親近感を覚えました。
自分自身の軸が決まらず、迷っている人にこの作品をぜひおすすめしたいと思いました!」
「ずっとわからなかった<自分のもやもやとした経験、思い、感情>の名前。
それにぴったりな言葉を知ることができました。
読み終わった時に前を向こうと思えるような、素敵な物語でした。」
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
読みながら小中学の重苦しい空気を思い出してしまった。髪の色、見た目、勉強の出来不出来、運動のできるできない…細かな違いですぐに嘲笑されたり友達ができるかどうかの差になったりするが、きっとその上に立ってた人たちも完璧ではないわけで、妬み僻み、色々な若さゆえの思いでお互いを苦しめたり、自分を縛ったりしていたんだろうなあ。
高校、大学と弛んではいったが、大人になった今でも同調圧力感じるなあ。愛ちゃんが生きやすい学校なんてなさそうだし、社会に出てからはどうするんだろうって心配になってしまう。成功したgiftedの裏には何人という潰されたgiftedいそうだなあ。
Posted by ブクログ
みんな違ってみんないい、と言いながら見えない同調圧力に縛られている、いや自分で縛っている自分たち。ハッとさせられました。とても考えさせられる物語でした。多くの人に読んでほしいと思います。
Posted by ブクログ
今思えば自分の学生時代も透明なルールあったなー。
いい事も悪い事も思い出した。
大人になっても透明なルールに悩んでる人はいると思う。
こけし好きな中2とか好感持てるよね。
今の学生さん達がどんな学生生活かはわからないけど、自分の子供が学生になった時は読んで欲しいと思うし、子供と関わる人(ほぼ全ての人)にも読んでほしいですね。
短いしとっても読みやすく、すぐ読めます。
紙は薄いです。
Posted by ブクログ
中学生の主人公が、学校に漂う同調圧力に思い悩み、そして解決に向けて一歩を踏み出すという物語。クラスメイトの1人がギフテッドで、この悩みを考えるきっかけになるキーパーソン。
同調圧力については、大人になればある程度、割り切って考えるので、悩まなくなる問題だと思うが、現代だとそうはいかないのかもしれない。SNSもあるし。このような悩みを知るためにも、小中学生のうちに読めると幸せだと思う。夏休みの図書にオススメ。
同調圧力を生み出しているのが誰か?というのを考えると、少しミステリ要素を感じれるかも。
Posted by ブクログ
確実に中学受験にでる感動作品。同調するだけがいいことじゃない。人の評価は色んな方向から見て決まる。いろんな意見があっていいんですよね。重要なのは自分の意見を持っていてそれを発言するってこと。発言しないよ相手にはわからないよね。これはSUGARさんがほかの著作でも書いてることだと思います。
Posted by ブクログ
・テーマ/世界観 ★★★★★
・背景描写 ★★★★★
・キャラクター ★★★★
・インパクト ★★★★
・オリジナリティ ★★★★
・テンポ/構成 ★★★★
・文章/語彙 ★★★
・芸術性 ★★★
・感動/共感 ★★★★★
・余韻 ★★★★
Posted by ブクログ
部活に入らない生徒は生徒会所属という設定にややびっくり。今後、部活動のあり方が大きく変わっていくと、部活が出てくる小説は、みんな古い…となるんだろうか。
P207辛島先生のセリフ「ところが、先生になったら、学校現場はむしろわたしが学生だったころよりも、窮屈になっているように感じました。わたしの赤毛は先生としてふさわしくないから、髪を染めるように言われました」
なんか分かる……。
ギフテッドの同級生の今後気になるが、無理にきれいにまとめられていないところにリアリティがあり良かった。
Posted by ブクログ
自分がどうしたらいいのかわからない。
自分の言動は、クラスメイトの目を気にしてのもので、自分本来の気持ちとは別の者なのかもしれない。
「相手はきっとこう考えているに違いない」「こんなことをして周りから浮いてしまったらどうしよう」
傍から見れば些細なことに拘っているように思えたとしても、当の本人にしてみれば人生をかけた重大な悩みで会ったりします。
それは主人公のような中学2年生という年齢に限った話ではなく、大人になってからも同じかもしれません。
ちょっと説教臭い部分もありますし、あまりにも上手く行き過ぎているように思えて現実離れしているような印象もありますが、それも主人公が気が付いた通り、読者自身が「透明なルール」に縛られているのかもしれません。
きっと、世の中は(自分の周りにいる人たちは)想像しているよりもずっと懐が深くて優しいのではないか、と思える温かな読後感の小説でした。
小中学生におススメしたい物語です。
Posted by ブクログ
他人からどう思われるか、周囲の友達に馴染めるか、孤立しないか。
多くの中学生が、内心ドキドキしているんじゃないかと思う。
自分もそうだったなぁ。
そんな中学生たちが、成長していく児童文学。
学生の頃、テニス部の女の子たちはキラキラしてて、いつもテニス部で固まってて、でもいつも誰か1人がローテーションで仲間外れにされてたな。
そんなことを読みながら思い出したけど、この話に出てくる中学生たちは、実はみんな良い子。
現実はそううまく行かないと思うけど、まぁ児童文学だしね。
面白かったし、感動しました。
ギフテッドの女の子とのエピソードがちょっと弱いかな。
彼女は、大人になるまでまだしばらくはしんどい思いをするんじゃないかと、そこだけ辛くなった。
Posted by ブクログ
小6の娘が、主人公と同じ感じで、みんなといる自分は演じてる役で、ほんとの自分じゃないから学校に行くと疲れてちゃうんだ…と言っています。
学校に行くと、頭痛や腹痛になることも度々。
そんな娘に自分の中の『透明なルール』を破ってほしいなと買ったのがこの本。まず私が先に読んでみましたが、これ、大人の社会でもあるあるですよね。声の大きな人には逆らったらどうなるか…とか。
子ども時代にみんな違ってみんないい、を実感しながら過ごせたら、大人になったら違うのかな…と考えさせられました。
Posted by ブクログ
#透明なルール
#佐藤いつ子
#KADOKAWA
#YA
#読書記録
伝えたいことに向けて物語の中に様々ことが詰め込まれている。でも考えてみるとそれが現実なのかも。きっとみんな大小さまざまな悩みを抱えている。そして自分を縛っているのは意外と自分なのかもしれない。素敵なお話でした。
髪飾りのくだりが好きだ。大学時代、仲良しごっこみたいな人間関係に馴染めなかった。
Posted by ブクログ
こんな気持ちになることってあるある、と共感しながら読んだ。
心の中で思っていること、ぐっと飲み込んで友達づきあいをする。そんなことってあるあるなのかも。
瞳子や流星(クラスで目立つタイプ。発言力もあり、スクールカーストでいうところの一軍)のような子達に気をつかい、自分の想いを呑み込んで「目立たないように」すごしてきた主人公。
黄色いリボンのエピソードが印象に残った
瞳子たち、キラキラ女子たちに偏見を持って斜に構えていた自分を恥じる気持ちがした
実際にはこんなに上手くいかないとも思うけれど、自分を縛っているのは「自分が思い込んで事実以上に形を作り上げた」透明なルールなのかもしれない
心が軽くなる思いがした
終盤で1人悪者感が残ってしまう野球部の顧問の先生にも心が残った
昭和生まれ、昭和育ちの就職超氷河期世代の私
あの時代は押さえつけられ、理不尽なルールに辟易していたけれど、多様性と自由、個の尊重が叫ばれる今の時代の中、やりすぎじゃないかと感じることもある
こんなことを呟くと否定的な意見の矢がとんでくることも多いけれど、強制的にでもやらされていた「集団行動」の良い面もあったと、少しだけ擁護したくもなった
Posted by ブクログ
思春期に抱きがちなあるあるな気持ちや人間関係がたくさん詰まっていた。大人になった今思い返しても上手い方法など見つからない。あの頃の自分もたくさん悩んで苦しんだだろうな、と感じる。
Posted by ブクログ
校則・友人関係、で悩むお年頃。
友人にどこまで本音を言ってイイのか、目立ちたくない、仲間はずれは嫌だ。親に本当のことは話し辛い、心配かけたくない、恥ずかしい。
優等生と思われている優希は、生徒会仲間同級生の誠や転校生の愛によりギフテッドと言う言葉と[透明なルール]を意識するようになる。
勇気を持ち発言すると、皆も同じ気持ちであることに気付き心が軽くなってゆく。
中2あるある^ ^
Posted by ブクログ
友だちの輪から外れなくて言いたいことを言えない、自分らしくいられないこと
それは、同調圧力から?自分で自分を縛っているから?
ちゃんと自分の気持ちを伝えると相手も分かってくれるし、周りも変わっていくかもしれない
YA/中2/父子家庭/転校生/ギフテッド/感覚過敏
Posted by ブクログ
学生時代を振り返ると、狭い世界の中で人間関係を工夫しながら構築していたなと思い出しました。目に見えない同調圧力や学生ゆえの言語化が難しく乱暴なコミュニケーションなどあの独特な環境で生活していた事がとても懐かしく感じられました。そんな自分も透明なルールにがんじがらめになっていたり自分を偽ることもありました。
大人としてこの本と向き合えたことは自己を振り返る意味でも大きいし、10代のうちにこの本を読んでいたらかけがえのない読書体験になっただろうと思いました。
Posted by ブクログ
子どもが読者感想文に読んだ本。このまわりの目や、同調圧力と自分が感じているものがクリアーになれば青春時代ってすごく楽だよなーと思いました。(悩むのも青春だけど)
Posted by ブクログ
私は自由奔放な性格だったけど、中学時代は、目立ちたくない、っていう感情が強かったなぁと遠い記憶を思い出した。
先生なり、生徒同士なり、相手をコントロールしようとする圧力があった気がする。
人と違って当たり前、萎縮する必要なんてない、そんなふうな文化が当たり前になるといい。
Posted by ブクログ
本の雰囲気的に、夏休みの課題図書とかになってるのかな?と思ったら、中学受験向けの模試のテスト問題になったりしてるらしい。
なるほど〜、どうりで読みやすいわけだ。
小学校高学年くらいの子ならサクッと読めてしまいそうな内容だけど、ちゃんと伏線回収の要素もあるし、本を読んで自分のことを顧みる余白もあって、とても良い小説だと思った。
私がこの本で1番好きだったポイントは、本当に嫌なやつがほとんどいないこと。(北側先生は明確な悪役って感じなので彼は除く)
たしかに、瞳子や流星など、その人の言動・行動が自然と「透明なルール」を生み出してしまう登場人物もいるが、そいつらも心の芯から悪いやつなわけではない。「無自覚な、でも憎めない女王」なのだ。(p.314)
登場人物も想定される読み手も若者だからこそ、希望を持たせるような人の描かれ方がとても素敵だと思った。
個人的には、北側先生にも変わってほしかったけどね〜
年次の浅い辛島先生と比較して、北側先生は大人=考え方古い・透明なルールに縛られまくり・悪、みたいな感じで終わったのがちょっと寂しかったかな。
ともあれ、とっても爽やかでほろりと泣けるいい小説でした。
Posted by ブクログ
季節は終わりましたが読書感想文にもってこい感強めの1冊。
進級によるクラス替えきっかけで、クラスカースト高めのグループに入ってしまい、とにかく「嫌われないこと」「ハブられないこと」に心を砕きまくることになる主人公の優希。中2女子。
大体の物語では、カースト上位女子はプライド高めの嫌なヤツ率高し。
気弱な主人公は
風見鶏→勇気出す→楯突く→ハブられボッチ
この辺までを共通して辿り、反撃や懐柔などのルートを辿り、98パー
「私らしく生きていく」
にゴールするわけです。
これもゴールは一緒といえば一緒。
ただひと味違うテーマは
自分自身を縛る「透明なルール」。
その透明なルールにはテーマとしてよく扱われる「同調圧力」も含まれているものの、この本が強めに押し出しているのは
「自分自身を縛る」の部分。
私は
①
〇〇したい。
〇〇だと思う。
②
だけどそれを実行すると、
それを表明すると、
③
笑われるんじゃないだろうか?
嫌われるんじゃないだろうか?
ハブられるんじゃないだろうか?
いじめられるんじゃないだろうか?
同調圧力テーマものは、そう予想してブルっていると、まあ十中八九
④
笑われ、嫌われ、ハブられ、いじめられる
んですよね。
そこからの這い上がりや倍返しをカタルシスと感じるのは、脈々と受け継がれし水戸黄門DNAが宿る日本人に限ったことではないはず。
それはそれで確かにスカッとするしいいんですが……
この「透明なルール」は、
③に注目しています。
ネガティブすぎじゃない?って。
ほんとに周りってそんなクズばっかり?
考えすぎじゃない?
妄想でしんどくなってない?
もうちょい自己主張してみては?
的な。
しかしまあ……これは実際どうでしょうね。
がっつりネタバレですけど、結果このストーリーではクラスカースト上位は普通にいいヤツばっかりでした。
先生のナイスアシストもありつつ(ああいう場での先生の空気作りって小中ではけっこう結果を左右する)、
悲観的な妄想で自分で自分を押し込めんなよ!キラーン
っていう爽やかエンドです。
でも、リアルの言動にはある程度の不可逆性があるもので。
あ、やべ。主張してみたら周りクズばっかりでネガティブパターンだった……。ってなった場合。
現実はセーブポイントまで戻ったりはできないわけですよ。
ネガティブ妄想が現実になった結果訪れる地獄に、耐え忍び、抗えるメンタルが備わっているのか。
緊急避難場所はあるのか。
最悪の場合、自死を選ぶ結末や、暴行がいきすぎて殺されるパターンもあるわけです。
おそらく加害グループだって、それぞれの「透明なルール」にガッチガチに縛られてますから。
③の段階で透明な戒めを引きちぎり腹を割るっていうのは、実際けっこうな大博打なわけです。
自己主張の貧弱さに定評のある日本人。
「透明なルール」はとっても日本人らしい自己防衛手段ともいえるんじゃないでしょうか。
かといって縛られ続けて生きていくのが幸せかっていうと決してそうではなくって。
学校っていう括りから卒業しても、結果次は会社とか組織っていう括りに入学するわけで、そこにもきっと透明なルールは必然的に生まれる。時が解決してくれる問題ではないんですよね。
むしろ大人になればなるほど、透明なルールから逸脱したときに身に降りかかる結果は良くも悪くもデカくなる。ハイリスクハイリターン。
多分日本人にとっては(いや、自己主張ガチムチ日本人だっているから自己主張貧弱族に属する日本人にとっては)幼稚園から老人ホームまで解決することはないテーマではあるんです。
1人がそこを取っ払おうとすると、ネガティブ展開鬱エンド訪れがちなので、目指すはみんなでいっしょに自己主張マッチョになろうぜ!の方向なんでしょうね。
職場でいろんな外国の方と雑談する機会がありますが、透明ルール緊縛外国人も実は結構いて。
彼らは母国より日本が生きやすいって言いますね。
自己主張マッチョなタイプに囲まれ、消耗しながら生きてきたと。
なんかそんな話を聞いていると、透明なルールっていうのも100パー悲観するべきものってわけでもない気がしてくるんですよね。
透明なルールに縛られながらも、苦しいポイントを縛るものは切っていって、ある程度の縛りには寄りかかって身を委ねるのもありなじゃないかなーと。
あ、ギフテッド完全スルーしてますが、ギフテッドである必要あったかな?
気付きへのきっかけ。他者理解。の役割は果たしてるから、まあいっか?
Posted by ブクログ
今子どもが共感できるYAの書き手としてはトップクラスかもしれないな、佐藤いつ子さんは。
主人公は中2になったばかりの優希。友達とクラスが離れて不安だったが、一軍女子のグループに入れてもらえてホッとする。しかし、嫌われないよういつも気を遣っている。真面目な優等生だが人に心を開くのは上手くない。そんな優希が名門私立をやめて転入してきた愛と知り合って、同調圧力や自分を縛る思い込みに気づき始める。
文章が読みやすいしわかりやすい。テーマもいいし、登場人物の描き方もリアル。「オチ」があって物語としての読み応えもある。おまけに、長い読み物が苦手な今時の子どもたちにも読める短さ。
読むのが苦手でも、こういう共感できる物語が好きな子どもに進めやすい。
スマホもSNSも出てくるので子どもにも自然だけど、必要最低限の描写なので大人も不快にならない。
瀬尾まいこや重松清がちょっと大人向けになっているので、小学校高学年から中学生にぴったりで高評価したくなる作家は意外に少ないのだが、佐藤いつ子さんはいいんじゃないかと思う。
あんまり読書経験のない日常系が好きな大人にも良いと思う。
Posted by ブクログ
中学生が主人公のYA小説。
知らず知らずのうちに自分自身を縛ってしまう「透明なルール」。子供だけでなく、大人も同じように縛られていると感じることがある。
空気を読むのは大事なことでもあるけど、自分の意見を自由に言えて、それを認め合えるような環境がやっぱり理想。
それに子どもたちが気づいていく様子が清々しかった。
ギフテッド、ブラック校則など旬なテーマも盛り込まれていて、国語の試験問題にたくさん使われそう。