あらすじ
男性は孤独に弱くてひとりぼっちでいると生きる気力を失い、おかしくなってしまう――売れない小説家兼雇われコンビニ店長の春来は、SNSで流れてきた投稿を見た途端不安に襲われる。恋人も人生の目標もない。家族をつくる未来も見えない。俺は生きる気力を失ってしまうのか? 周りを見ると、同僚や友人たちも中年独身ならではの抱えるものに悩まされていて……。不器用な人間のいきざまや繫がりを丁寧に描いた長篇。
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Posted by ブクログ
面白かった。
主人公は独身中年男性コンビニ店長の春来
その元カノ兼女友達 夏枝
友達 バーの雇われ店長 女装の秋生
友達 認知症の母と障害者の兄弟2人の介護から解放された春来のコンビニ従業員の真冬
4人の人生の中での一部分の期間を覗き見させて貰うような小説
登場人物4人ともに興味を引かれる部分があって一気に読めてしまった。
例えば春来は独身中年男性でこれからも結婚できる見込みなし
夏枝は元々貧乏育ちで婚活して医者と結婚はできたが、夫から子供はいらないと言われたり関係が悪い。
秋生は今はゲイだが、過去に結婚履歴がありそこで子供が生まれている。
真冬はすべての介護から開放され、パート先で気になる男性もできたがどうもその男性の様子がおかしい。
自分の人生と春夏秋冬の人生を重ねて考えて読むととても面白かった。
他の作品も読もうと思った。
Posted by ブクログ
それぞれに生きにくさを抱えた4人の中年男女の40代10年間の群像劇。
タイトルは少し前にXあたりで話題になった、独身男性45歳で狂う説をもとにしている。
生きにくさと言ってもハードではない。4人ともしょっちゅうグループLINEでやりとりするほどの仲良しだし、困ったときには献身的に支え合える。金がなくて生活に困るでもない。最初の章を読む限り過酷な話かと思ったらそうでもなかった。4人とも、人生うまくいってる方では? 終盤に出てくるクレーマーおっさんの方が悲惨そう。
夏枝の春来の母への献身はやりすぎというかフィクション感がかなりあって、ここでくっついたら興醒めだなーと思いつつ読んだらそうならなかったので安堵した。
自分の健康を案じてくれたり、人生がうまくいったら一緒に喜んでくれる、そういう誰かがいるなら独身中年だろうと孤独じゃない。…ってそういう誰かとの関係を築くのも家族を持つのと同じくらいハードル高い気がするが。
友だちゼロの独身中年男はどうしたら?
Posted by ブクログ
全員が結婚せずに終わったのがなんか良かった。結婚して子供を産むことだけが人生の幸せじゃないということを改めて感じることができた。
みんな結婚したからといって友達の縁が完全に切れるわけじゃない(と思う)し、いざという時に助け合えるような関係を構築しておくべきなのだろうなということに気づいた。
春来の気持ちえぐいぐらいわかる。夜には孤独が押し寄せてくるんだよね。でも相手を探す前に自分の世話は自分でやらなきゃいけないし、そのための技術は身につけないといけないのだなぁと。この人が幸せに生きることを願おう。
まぁでも今の私が思うことは、ずっとひとりぼっちは寂しい
Posted by ブクログ
「とにかく誰か1人でも幸せになってくれ!」と早いペースで読み終わったが、4人とも独身のまま終わった。
特に春来は心を入れ替えて仕事と自炊を頑張るようになったが孤独であることに変わりなく終わり少しモヤモヤした。でも、夏枝と安易に結婚してご都合主義にならなかったのが現実味があった。
正直言うと大人になってから頻繁に会える友人がいて羨ましい。既婚でも寄りかかる先が家族だけでは寂しい気がするし、既婚でも独身でも孤独感は付き纏うのだろう。既婚者だった夏枝や秋生が離婚を選び、真に自分に合う生活スタイルを見つけたように結婚も向き不向きがあるように思える。
独身の自分が読んでいて特にやっかみを感じるのは「都会で人間が多いから友達を近くに作れるんだろう」だ。でも違う。きっと夏枝のように周りを頼り頼られる存在でいようと積極的に動けないし、真冬のように1人行動が平気な上に他人の幸せを心の底から祝えない。春来ほど自堕落ではないが覚悟も決められないし、秋生ほど奔放でもない。
ただこの4人なりの平穏がまぶしく、気の合う友達が近くにいる幸運が羨ましい。
Posted by ブクログ
独身のまま50歳を迎える4人のお話。
売れっ子作家になれず夢破れコンビニ社長に収まる男性。
次々恋人ができる身体は男のジェンダー。
貧乏な家で育ち、玉の輿を狙って夢叶ったように思えたが結局離婚した女性。
障害のある兄弟の介護、それが終わったと思ったら母の介護が始まって気づけばストレスで食べまくり100キロ超えの身体になっていた女。
こんな4人が知り合って友達になった。
それぞれの過去は辛い。
しかし、それぞれがそれを乗り越えて独身人生の孤独に向かいあう。
友の助けを借りながら…でも寄りかかり切りにならず一人一人自分を持って皆同じ目線で付き合っていく。この結末がせめてもの救い。
Posted by ブクログ
2024/04/28リクエスト 8
『みんな一人でがんばる。困ったときは支え合いながら。そんな関係なかなか作れない。私は今、すごく幸せ。』
将来一緒に住もう、とか約束しない
確かにリアルな現実味のある幸せのカタチ。
Posted by ブクログ
40代になって,売れない作家兼コンビニ店長の春来,その元カノの夏枝,ゲイの秋生と家族の犠牲になってきた真冬.四人の友情と40代のサバイブ物語.一人ずつの人生がそれぞれ重く,一番甘ったれている春来に少しイライラしながらも支え合う姿が良かった.
Posted by ブクログ
丁度会社の人に独身男性の平均寿命は65歳とか言われて脅されていたところにこの物語のことを聞きつけ、興味を惹かれて読んでみました。
春夏秋冬の痛い物語?
偏見の塊かも知れません。
気に障ったら読まずに閉じてください。
もしかしたら、アラフォー、いやいや30代半ばで独身というか恋愛経験もなくて、春来くん真冬さんのような生活をしていたら、終盤の春来くんのように生活を改めて将来を見据えて行動を起こすべき何だろうな。
それができる人は。
この中の人たちは苦しみながらも何とか一生懸命生きているのだから、上手く参考にしたい。
何か上から目線のコメントだなと思いましたが残しました。
中盤、全員に結構悲惨な運命が降りかかります。
気持ちが強い時に読まないと、こっちがやられそう。
今日中に読みたくて何とか読み通しました。
気になった箇所をメモりました。
俺には、どっちが正しくて、どっちが間違っているなんて、わからないけど
こっちの道に進んで良かったと思えるように、これから、生きていくしかないんだと思うよ
⇨良い言葉だと思った。
数秒迷って、結局、送信ボタンを押した。
朝になって、きっと後悔する。死ぬほど後悔する。
でも、彼とつながっていたかった。
既読のマークがつく。それだけでも。自分の心からのメッセージを読んでくれる男性が、この世界に一人、いる。
それだけでも。それがなかったら、本当に自分の人生には、何もない。
⇨何となくわかるなぁ。
あのね、わたしはここ数年いろいろあってしみじみ思うんだけど、人生どれだけつらくても、前を向くのをあきらめちゃだめなんだよ。がんばっていたら、誰かがそれを見ていてくれて、いいことがあるかも知らないよ?
⇨こういう意見はあまり信じられないけれど、
前を向いて過ごすには、こういうことを信じて心の支えに
して過ごすしかないのかな?
7年ほど前に 置かれたところで咲きなさい
という言葉を頼りに一生懸命仕事をしていたことを
思い出しました。
いろいろあったし、この四人の今後がまた波瀾万丈になるのかはわからないけれど、今しばらくこの四人の人生は幸せだと思います。