【感想・ネタバレ】びんの悪魔のレビュー

あらすじ

不老不死以外のどんなことでも叶えてくれる不思議なびん。しかし、そのびんを死ぬまで持っている者は地獄におちることになる。びんを手放したければ、かならず自分が買ったときよりも安い値段で、誰かに売らなければならない。 ケアウエは自分の欲のために、幸せのために、そしてときに愛のために、悪魔のびんを追い求める。そしてとうとう、いちばん安い値段で買うことになった彼の運命は…… 『宝島』『ジキル博士とハイド氏』の作者R・L・スティーブンソンによる、怪奇短編作品。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

何でも願いを叶えてくれるけれど、
奇妙な決まりのあるびん…。

貧しいが勇気と行動力をもつ男、ケアウエ。
彼はある日サンフランシスコの港町を散歩しているととある老人に出会う。老人は立派な家に住んでいるのに大きなため息をついていた。その理由を問うと、何とか小さなびんを所有していることが原因だという。
実はそのびん、奇妙で厄介なルールがあり、色々な人の手を渡ってきたものだった。

そのルールとは…
ーこのびんは必ず、買った値段より安い値段でしか売ることができない。買ったときと同じ値段で売ったら、もとの持ち主のところへ戻ってくる。
そしてびんを売る前に持ち主が死んでしまうと、その人は永遠に地獄の炎で焼かれるというとてつもなく恐ろしいもの。ー

ケアウエは若干騙されたかたちで老人からびんを譲り受ける。そのびんで立派な家を建て、すぐにびんを友人に売る。そしてその後運良く美しい妻も手に入れて、順風満帆に見えたケアウエの人生に翳りが見え始める…
果たしてケアウエの運命はー?

感動したシーンは、夫妻のお互いを想って密かに行動し合うシーン。
ケアウエはびんを売り妻を得て幸せの最中、伝染病を患い、びんを再び買うために在処を探し続ける。そしてたどり着いたびんは、既に価格が下落し1セントでしか買うことができなくなっていた…つまりもう他人に売ることはできない…それでも愛のためにびんを買う。この後夫妻が背負ってしまった災難をお互い責め立てることもなく、受け入れ、解決策を探し続ける姿勢に胸が熱くなった。

他人を思いやる優しさを子どもに教えるときに、
おすすめしたい1冊

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2025年11月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

何か教訓がありげな謎めいた雰囲気の本でつい手に取ってしまった。物語の鍵となる瓶は何を象徴してるんだろう?と考えさせられる。最後の展開は、教訓というよりも願望なのかなあと思った。

0
2018年06月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

19世紀末、船の時代に南太平洋の島々を舞台に書かれた話。ハワイはまだ独立国家でした。そのハワイにケアウエ(仮名)という男がいた。彼は船乗りで、サンフランシスコに立ち寄った際に美しい瓶を50ドルで買った。その瓶には悪魔が入って降り、持ち主の言うことは何でも叶えてくれるという。ただし、欠点がある。瓶の持ち主は瓶を売る前に死ぬと永遠に地獄の炎で焼かれるという。そして、瓶は自分が買うより安く売らねばならない。売り買いは硬貨でしなくてはならない。売るときには瓶のルールを説明しなくてはならない。

びんの悪魔をめぐる物語。なんでも願いが叶うからといって、幸せになれるものなのか。

「宝島」でおなじみのスティーブンソン作。昔に描かれたからこそ、という気もします。

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2012年11月04日

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