【感想・ネタバレ】罰ゲーム化する管理職 バグだらけの職場の修正法(インターナショナル新書)のレビュー

あらすじ

高い自殺率、縮む給与差、育たぬ後任、辞めていく女性と若手――、日本の管理職の異常な「罰ゲーム化」をデータで示し、解決策を提案する。「管理職の活性化」に悩む経営層にも、現場の管理職にも役立つ、知恵とヒントに溢れた1冊。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

よくある持論や自慢話満載の新書ではなく、きちんと論理的かつ構成もきちんと書かれていたので、筆者への信頼感がまず、大きかった。
自分は管理職を目指してギアをいれるかどうかという年齢。管理職になることで幸せな自分が想像つかないことで、キャリアを悩んでしまいこの本を手に取ることに。
結論、自分でこのやばい管理職のあり方を変えていこうと思った。


いくつか心に残ったポイントを記載。


「逆説的に言えば、「罰ゲーム化」してもまだ管理職のなり手が現れてきているのは、日本社会に残っているこうした大きなジェンダー・ギャップのおかげだ、という言い方もできます。
つまり、性別役割分業意識を背景に、仕事を通じて女性にモテたり、妻子を経済的に支えようとする、マッチョで男性的な規範があることによって、たとえ管理職が「罰ゲーム化」しても、 「大変だが、やってみよう」と覚悟を決めていく男性が現れてくれるからです。」

これが自分が踏ん切りのつかない部分なのかもと感じた。生活に金銭的に不足している部分があるほど人は、仕事を頑張ろうという気になるのかもと感じた

②部下が自発的に動くには、信頼する・認めるが1番。

よく褒める上司はいるけど、これは優しかったたり人間ができているわけではなくマネジメントであり、自分のためになる。これはかなり良い情報。
自分の負荷を下げるには褒めるのが一番。




日本の管理職レースは手を挙げて入るものではなく、勝手にエントリーされているオプトアウト方式で、管理職を降ろされるときは強制的に役職定年などで落とされる不思議なシステム。

自分も管理職レースに参加してる気分だった、たしかに。



⑤管理職が罰ゲーム化していくなかで、どう対処していくかも提示していた点には希望が持てた。
筆者が提示してるのは
1.フォローワーシップアプローチ(非管理者層にも人事マネジメントのスキルを身に着けさせる)、
2.ワークシェアリングアプローチ(管理者層にも広げた働き方改革)
3.ネットワークアプローチ(縦、横、社外のネットワーク強化による、やりやすい/頼れる人間関係の構築)
4.キャリアアプローチ(管理職になりたい人を早期に選抜して強化する、スペシャリストの道も用意する)


123は今の職場の枠内のなかでもできる見込みがあるが、4は結局オプトアウトの延長でしかないと思った。管理職になるレースの時期が早まっただけで、立候補して挑戦する環境にはないから、選ばれなかった人々は急速にやる気をなくすと思う。
管理職への忌避感って、自分が選んでいないのにレースに乗せられる、知らない所でレースの決着がついている(開かれてもいなく、評価基準も相当に主観的)というところだと思う。
明確に昇進の意思を社員に問い、意思のあるものに、昇格試験を行うということが、大事なのではないかと思う。




働いている限り文句も不満も止まらないけれど、
今のやり方おかしくない?と思える自分が管理職になることは自分の次の世代のためにも良いんじゃないかなと思った。

0
2025年08月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

分析が見事。
以下、メモ。
後半の処方箋からは。。。

罰ゲーム化する管理職の実態
・過多な仕事量
・一般社員と賃金がそんなに変わらない
・日本の管理職はジョブスキルが実は磨かれず、市場価値が下がる
・派遣社員やアルバイトなど多様化する職場を管理するのは大変
・管理職はハラスメントに怯える
・現場管理職の権限が少なすぎる。上が意見をはさみすぎる、入れ子構造になっている。

背景
・日本ではジョブ型の採用でないため、入社から時間をかけて幹部登用が検討され、最終的に「会社」が管理職を選ぶ。一方欧米では、空いているポストに「自分」から申し込む。
・日本特有の役職ローテーションがある。ジョブが育ってない
・出口においても、役職定年という「年齢」で仕事が切られる実態がある。
・家庭を支えるのは男の自分というマッチョ思考

複雑化、無限ループ化する要因
・経営幹部を始め、末端まで浸透する「筋トレ思考」

結果
・世界でも日本は若者と女性が管理職になりたくない国ダントツナンバーワンになっている。

解決策
・自分の後継者を育てるのが管理職の仕事

0
2024年10月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

管理職がなぜ罰ゲーム化するのか、その解決策を個人単位・組織単位で論じている。

・現場には求められることが増え続けている。
・組織の目標達成、働き方改革、ハラスメント対応。
・それら全ての責任が管理職にあり、管理職の筋トレを解決策とする流れが罰ゲーム化を生む。
・フォロワーシップの強化、エンパワーメント(権限移譲)により組織全体として課題解決に向かう必要がある。

様々なデータを交えての議論があり、課題形成や捉え方としての面白さはあったが、解決策が一般的で外部要因に依存する点も多く感じた。

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2025年08月11日

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