あらすじ
「死」の場面は、なぜ女ばかりなのか
源氏物語の魅力を味わう絶好の入門書
『源氏物語』全五十四帖の現代語訳『謹訳 源氏物語』(全十巻)の著者林望が、
『源氏物語』の味わい方を徹底解説。現代語訳を進める際に残したメモをもとに、
名文、名場面、登場人物など、面白く読むためのヒントを十三の視点でまとめる。
千年の時を超えて堂々生き延びてきた日本文学の金字塔、
その魅力を存分に味わうための絶好の入門書。
本書は、単行本『謹訳 源氏物語 私抄』を新たに「はじめに」を入れるなど加筆修正したものです。
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源氏物語が単なる平安の雅な恋愛物語などではなく、登場人物の生々しい生き様の描写や卓越したストーリー展開により、紫式部が描こうとした世界を分かりやすく解説していて、とても興味深い。源氏物語を新たな視点から読み直すことができる。
Posted by ブクログ
源氏物語は10代後半から20代前半にかけて幾度となく読んだ。田辺聖子、与謝野晶子、円地文子などなど色んな訳者で読んで、それぞれ自分に合う合わないがあった。
今思えば、どれも女性の訳だった。
そういえば男性の訳した源氏物語ってどんな感じだろうと、謹訳源氏物語を読む前にこちらの本を読んでみようと思った。
林望先生といえば自分の中では「イギリスはおいしい」のイメージが強かったけれど、この源氏物語の解説本はとても読みやすかったし、わかりやすかった。
かつて自分が必死に読んでいた頃から30年近く経っている。自分の立場も変わり、林先生の解説のためか、あの頃と自分が変わってしまったためか感じ方も変わり、なるほどと思える箇所はたくさんあった。忘れてしまっている部分ももちろんある。
林望先生の謹訳源氏物語を読んでみようと思う。
Posted by ブクログ
繰り返し読んだ『源氏物語』を、非常に立体的に味わうことができた。
はじめ筆者は女性ではないかと思っていたほど、細やかで、(こと性に関する)男性特有の穿った見方のない解釈と説明は、読んでいてストレスフリーであった。
高頻度で登場する命令口調(ex:「見よ」)に、筆者の興奮やどこにどう衝撃を受けたかがこちらまで伝わり、いつしかそれがクセになっている自分がいた。筆者の謹訳も読んでみたい。