あらすじ
平和惚けした日本人を震撼させるテロ事件が勃発。中東の過激派組織「イスラム国」の極秘捜査をしていた公安部のエリート刑事・幣原は、突然上司から自宅待機を言い渡される。テロリストに志願したとして逮捕された青年は、なんと同じ家で暮らす息子の秀樹だった。妻や娘からは仕事のために息子を売ったと疑われ、警察や世間からは身内に犯罪者を出したと非難される。マスコミが家族に群がり、心身共に追いつめられる中、さらなる悲劇が――。衝撃的な結末に打ちのめされる、傑作社会派ミステリー!
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Posted by ブクログ
秀樹、おめーは最高の兄貴だよ!!
中山七里先生のリリカルさが好きなんよ。
物語が壮大でなくても登場人物たちの心の機微が表現されてて私はこの作品好きです。
Posted by ブクログ
オーディブルにて。
公安部の刑事だが家庭を顧みなかった父親。
しかし、息子がテロリストとして逮捕され、、、
それぞれの人間性も掘り下げられて、公安や警察の気質も見えつつ、安定のどんでん返しもあり、中弛みせず面白かった。
Posted by ブクログ
この作品もとても面白かった。
「公安刑事の息子がテロリスト志願者」という設定の元進んでいくが、テロリストに志願したことが問題の本質ではないと感じる。
安価な外国人労働者に職を取られ、イジメをしていた側が被害者よりもより普通の生活を送る。
現代社会の問題をこの作品は訴えていると感じる。
Posted by ブクログ
最初から最後まで、まるで崖の縁を歩いているかのような緊張感に包まれた一冊だった。息をつく間もない展開に、ページをめくる手が止まらなかった。
物語の中心にいるのは、公安のエリート・幣原。その息子がまさかのテロリスト志願者として晒されるという衝撃的な展開に、ただただ唖然とした。国の中枢に関わる父親を持ちながら、どうしてそんな道を選んだのか。その謎に迫っていく過程で描かれる幣原の苦悩、そして何よりも母親の切迫した感情が胸に刺さった。
物語の途中、母親の予想外の行動に「ちょっと待ってよ!」とイライラしてしまう場面もあったが、それもまた彼女の必死さの表れなのだと感じた。
そして、ラストに明かされる「息子が実は娘を庇っていた」という真実。あまりにも意外で、思わず読み返して確認してしまうほど衝撃を受けた。すべてが繋がったときの静かな感動と、切なさは忘れられない。
読み終えたあと、「この先は?」「続きは?」とページを探してしまった。それほどまでに、この物語の世界に深く引き込まれていたのだと思う。
Posted by ブクログ
公安の人たちってそんな酷い世界なのかな?
子供が殺されても???
中山七里さんの本に出てくる嫌悪や憎悪の対象に対する人たちの反応の表現は、
そんなに?!そんなことするかな???
ってくらいにひどく感じることがわたしには多いかもしれない。
実際そうなのかな。小説だからなのかな。
だから読んでると辛くもなってしまう。
お兄ちゃんがいいやつ過ぎてなんで死んじゃうんだーーー。・゜・(ノД`)・゜・。
この家族一生罪悪感に苛まれそう〜。
でもようやく本当の家族になるんですね。代償がデカ過ぎだけど。
Posted by ブクログ
公安刑事の息子がテロリスト志願者なんて、なんというアクロバティックな設定なんだ!と思って手に取ったけど、ハラハラする展開と幣原の心の変化が良かった。
恒例どんでん返しは、本作では気付けなかったので久しぶりにえぇっ!?てなってしまったw
それにしても、息子殺しの犯人の決め手となったセリフは何度読んでも、秘密の暴露には思えないんだけど、あたしだけかな。
Posted by ブクログ
話は割と面白かったけど感情移入は出来なかった
公安の情報収集はすごいみたいなこと言って、妹の学校でのあだ名すら押さえてないのはどうなのか…と思ってしまった
でも、歪な家族関係の中、最期まで兄を全うする姿はカッコ良い
過激で身勝手なテロリストも、何かを守ろうとしている点は皆同じなのだろうか
Posted by ブクログ
中山七里先生の作品を読むのは2作目ですが
中山七里先生特有の日本語の妙が炸裂していて
読んでいて心地よいです。
序盤の公安刑事の父からだんだんと人間味が出てくるところは見ていて面白い描写だったが、内容的に読み終えてスッキリするものでもなく
真相解明のところがあっさりまとめられて
少し秀樹が可哀想すぎる設定だなと思いました。
父親として勇一郎みたいにならないように
家族に関心を持ってコミニュケーションを取らないとな。と考えさせられた一冊でした。
Posted by ブクログ
テロリストに志願するか大麻所持かの違いはあるけれど、主人公が警察官、奥さんと娘、息子の4人家族、息子の犯した犯罪によって主人公が窮地に陥る、という類似点で、今野敏の隠蔽捜査シリーズ『果断』を思い出した。
家族の再生もテーマの一つだから仕方がないのかもしれないけれど、竜崎家に比べて、とにかく幣原家には家族間に信頼関係がない。窮地に陥った家族の命運を分けるのは、日頃からの信頼関係の構築なのだな、と。
とにかく何もかも父親のせい、と、ヒステリックに泣きわめく母娘に、怒声と暴力で答える主人公…。終盤、父親と大喧嘩した息子を母親が諫める場面があったけれど、普段からそういうことを子供にきちんと伝えていれば、こんな事件は起こらずに済んだのではないかと思わずにはいられない。
テロリストへの志願については、なんと荒唐無稽な!と思いきや、過去に実際に日本で同じことがあったらしくびっくり。