あらすじ
いつものファミレス――そこは、親の再婚でなんとなく家に居づらくなった俺の逃避先。家族と無理に過ごさずにすむ、自分だけの居場所。
そんなファミレスでいつも見かけるクラスメイトの加瀬宮小白は、誰とも馴染まない孤高の美少女。どうやら彼女も家に居場所がないらしい。ひょんなことからお互いの秘密を語り合った俺たちは、遅く帰るためのアリバイを作る《ファミレス同盟》を結ぶことになって……。
その日から俺たちは、お互いがありのままでいられる関係になり、退屈だったファミレスでの時間は小白と愚痴り合う楽しい時間になった。
「「―――明日の放課後、いつもの店に集合で」」
放課後のファミレスで、今日もふたりの帰らない理由探しが始まる。
感情タグBEST3
タイトルにも書かれた「ファミレス」を起点にヒロインと関係を育む構成が独創的で面白い。似たような境遇の悩みから家から逃れるお互いの時間を共有し、距離が近付いていく。気の合う友達となる過程が自然であり、飾り気がない恋愛模様がとても魅力的。
表紙絵
作品購読のきっかけは表紙絵でした。透き通るような透明感の絵、シャープなタッチの絵に惹かれました。絵の力ってすごいなぁと。
で、中身。これもなかなかでした。似たもの同士が出会い、会話を重ね距離を縮めていく。互いにウィークポイントが似通っているからか、それに対するカバーも互いにできるという。よくいえば運命的なふたり。
しかし、距離の縮め方があっという間という気もします。仲良くなるのは時に衝突もあっていいと思う私です。2巻以降は互いが互いを全肯定、ではなく意見のぶつかり合いがあってもいいと思います。
まあでも全体的に面白いと思いました。