あらすじ
男子学生の春雄は毎晩のように寮を抜け出している。
「白い鬼を待っている」という彼の言葉の意味とは?
そして近所の橋に現れた幽霊の正体とは。
探偵助手の少年・真が、小説家の藤と共に真相を探る。
大正末期のアパートを舞台に描かれる奇縁の物語、第3巻。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
生き甲斐を教えてくれ。死ぬ気では死ねない。
たった2つの文章に、この物語の全てが詰まっている。何て怜悧で切実なんだろう。
呪縛であり、執着であり、愛でもあることを、人は秘密と呼ぶのかもしれない。
うっとり
絵といい、台詞といい、本当にステキ。まるで世の中の縮図のように、いろんな人がいろんな事情や想いを秘めて生きているアパートメント。そんな中での、住人同士のやり取りや些細な変化が心配だったり嬉しかったり。何度も読み返したくなる、小説のような漫画です。
Posted by ブクログ
大正もの。あるアパートの住人たちが執着している事柄の話が描かれる。相変わらず人物ごとの煮詰まった澱みを感じられるのがいい。黒色が印象的な漫画だが、その黒も何色もあるように思える。
お話は奇妙な3人の同性関係が描かれる「花に嵐」が好みだった。一人は水面に出られたが、一人は逆に沈んでいくようなラストシーンが良い。
形見分けで得た本に書かれていた文章から、故人が見たがっていた彗星を探す「夜もなごり」の雰囲気も好み。ある種の呪いのようなものを真っ当に引き継がれることになったが、やはりそれも受け入れるのだろうかなどと思った。