あらすじ
大正末期、翻訳家・藤が引っ越した先は
雅趣あふれる「開花アパートメント」。
そこでは住人全員が秘密を抱えていた。
亭主を手にかけた「毒殺婦人」に歳の離れた探偵コンビ、
不自然なほどに仲睦まじい二組の夫婦……。
妖しき人間模様が絡み合う集合住宅奇縁譚。
新鋭・飴石のデビュー作、第1巻!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
装丁が素晴らしい。気合の入った同人誌かと思った。遊び紙はタントセレクトTS-10? 高級アパートのロビー感がすごくて、開いた瞬間に作品世界に引きずり込まれる。ぜひ紙で手に入れてほしい。カバー裏さえラグジュアリー。
謎めいた住人が集まる高級アパートでの、謎解き短編連作集。謎解きといえど大きな事件を解くのではなく、住人それぞれの抱える「謎めき」に触れてみる、といった感じか。
近代日本の美、それも明治・大正期の華やかな美に加えてほんのりと退廃の香る美に触れたい人にとって垂涎の一冊。作画、台詞回しのテイストまでそれらしく、特に自然光の下の光と影が非常によく描かれている。
近代文学好きの自分にとっては非常に居心地の良い作品だった。2巻はまだ手に入れられていないが、必ず手に入れるつもりだ。
Posted by ブクログ
大正末期、翻訳家の男が引っ越した先のアパートメントは誰もが秘密を抱えている。
此処の住人は全員「訳あり」
とてもとても好きです!!!
慌てて2巻買いに行きました…
まるで小説を読んでいるかのような世界観
妖しく、美しく、切ない物語。
絵が美しく繰り返し読んでしまう漫画です。
読書好きには読んでいただきたいです!
(普段、漫画の感想はアップしないのですがあまりにも好きすぎるので)
11頁目、ノンブルでは7頁目の藤先生の後ろ姿に一目惚れしました。着物が!色っぽい...!
時代は大正末期との事、古きと新しきの絶妙に混在する空気、湿度、香りがまざまざと感じられて
すっかり魅入られました。
登場人物も皆魅力的で、特に学ラン制帽の真くんの吸い込まれそうな瞳から目が離せません...
Posted by ブクログ
描き込みが緻密でとても引き込まれた。
独特な大正時代の雰囲気があり、ページをめくるごとにその香りが広がるよう。
登場人物の目が特徴的。黒塗りの瞳は一見して感情を表していないようでいて、実は口ほどに物を言っていると感じられる。
特に第1話での藤と麒嶋、作家と助手の尊敬や心酔、嫉妬、才能など複雑に絡み付いた感情を、しつこく表さずある程度想像させるように表現する所が好きだ。