あらすじ
塾の休み時間にしていたひそかなおまじない。ひとりごとを言うときの見えない誰か。落ちこんだ気持ちをなぐさめてくれるおとも。結婚して気づいた名前というものの存在……。日常の中で通り過ぎてきた、ちょっとしたでこぼこを、やわらかな言葉と絵で切りとったエッセイ&イラスト集。初めて著した本書で、「紀伊國屋書店スタッフが全力でおすすめするベスト30『キノベス! 2021』」に選出される。文庫化に際し、書き下ろし5編を収録。
※本作品は2020年6月に晶文社から刊行された単行本を文庫化に際し、加筆修正をしたものです。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
なんどだって、だれにだってお勧めしたい本。
これ大好き。わたしのバイブル。
日常のひとつひとつにアンテナ張りながら、意図的に感性を鈍麻させないよう心掛けるのって、つかれるとおもう。
でも私は、ちいさな言葉遣いに覚える違和感や、紅茶にミルクを入れた時のやわらかい匂いを拾い続けられる人間でありたいな
と、思うけど、
それでもある程度の鈍感さがある方が生きやすいのも事実で。
そんな世界で、生活のノイズを185ページ分も堆積させられるその胆力と自分への誠実さに感服するばかりです。
言葉選びも刺激に対する受容体も、すべてが憧れです。
三好愛さん、だいすき。
Posted by ブクログ
生きているうちに感じたことのある躓くほどではないけれど、少しざらざらとした感覚…あれって言葉にできるんだ。私だけじゃないんだと嬉しくて解れていく。そういえば、赤福のざらざらは見て見ぬふりしてたのにこの本を読んでまた赤福を見る度、思い出してしまうようになったから、私のざらざらがひとつ増えたなぁと本を閉じた。
Posted by ブクログ
やわらかな語り口とふわっとした文章でしたが確かにザラっとした日常も感じました。
かわいいながらも少し不穏な感じもするイラストはとても魅力的です。
Posted by ブクログ
日常の中で感じたざらっとした違和感を描いたりエッセイ。
三好さんの作品は初めて読んだが、言葉のチョイスが優しさがあって読んでいてほっこりした。
そう思う人もいるのかと、新たな視点で物事を見る気持ちにもなったり、わかるわかると共感する場面もあって楽しく読めた。
「受け止める」のその場しのぎのやさしさというのは、誰の役にも立たないんだなが1番共感した。
Posted by ブクログ
表紙のイラストが素敵だなと手に取った本。
日常にあるざらざらとした部分。
苦では無いし、躓きもしないんだけど、
なんとなく日々感じてる何とも表現し難い
モヤモヤした気持ちが文章で綴られていて
この感情って言葉にできるんだ!と思った。
表現の仕方が素敵だったな。
作者の旦那さんと同じ出身地で
すごく親近感湧いたな〜。
赤福のざらざらとした部分は読んでて
だよね!!って思った。
Posted by ブクログ
共感できることが多く、話し言葉で書かれているからか、心地よくテンポよく読めるエッセイでした。
いいなと思った文章↓
「でも、大人になればなるほど思考と生活と社会は地続きだってことを知るようになりました。」
-p34
Posted by ブクログ
表紙買いした1冊。
文庫なのに巻頭カラーでかわいいイラストが載っていて、なんだか得した気分です。
短めのエッセイにイラストが挟まる構成で、文体も絵もふわふわ優しく、でも淡々と一定のリズムで浮かんでいるような雰囲気。
私も母親に手を繋いで貰わないとエスカレーターに乗れなかったし、未だに乗ったことの無いバスに乗る時は緊張して事前に綿密に調べるし(前払いか後払いしかないのに)、洗濯物は部屋に運ぶところまでしか頑張れません。
同じような人がいることに安心する。
一文が長いものが多く、読点で区切られて綴られる文章はどこか詩的に感じるし独特。
手元に置いておきたい本です。可愛いので。