あらすじ
何となく家にいづらい俺は、夜の繁華街でバイトをしている。ある日、暴漢に絡まれているギャルを助けたら……その正体は、クラス委員長の吉野紗良さんだった!
「いつもきっちりしてると疲れちゃうんだ。だからたまに、素の自分に『変身』してるの」
仲間意識を持った俺たちは、素顔を見せあえる秘密の友達関係に。
「と言っても、まさか高校生にもなって女子と石投げ遊びをするとは」
「いいじゃん、楽しいし! あ、一緒に駄菓子屋にも行きたいな!」
実は無邪気で子供っぽい吉野さん。自然体で過ごす「ちょっと悪い」友達関係が始まる!
感情タグBEST3
高校生のバイト先としては珍しい夜の繁華街。そこで培われた主人公のタフネスさと、優等生で真面目なクラス委員長のヒロイン紗良が素の自分をさらけ出せる場所として働いている意外性が良かった。文章が読みやすく、ツボを押さえた物語の構成も悪くない。ヒロインの為に頑張る主人公に好感が持てる。
等身大の高校生のお話
お互いに学校と放課後では別の顔がある辻尾君と吉野さん。その秘密を共有しながら距離を近づけていきます。ともに家庭環境に悩みがあり、自身の在り方に苦悩する姿には等身大の高校生を感じましたね。互いに毒親ではないのだけどその干渉がうっとおしくてたまらない。そんな似た境遇の二人が心を寄せ合い、心の裡に相手への特別な感情を抱いていく。典型的なボーイミーツガールですが、自然な流れで最後まで共感しながらの読了でした。