あらすじ
君を妻と呼ぶなんて、大切に扱うなんて、してはならないのに。
家族を捨て、公爵の愛人になった母。その死の報せを受けて公爵家に赴いたミレーヌは、突然、公爵の息子オクタヴィアンと結婚するよう命じられる。正妻の息子であるオクタヴィアンにとって、憎い愛人の娘との結婚は耐え難い屈辱のはず。初夜、「君を愛することはない」と、オクタヴィアンに白い結婚を提案されたミレーヌは当然のことと受け入れた。だが彼は、態度こそそっけないものの、ミレーヌを公正に扱ってくれる。清廉な彼にこれ以上負担はかけたくないと、城の者たちの冷たい仕打ちに耐えるミレーヌだが……。
【目次】
序章
1章 白薔薇の下で
2章 望まぬ花婿、望まれぬ花嫁
3章 心の鍵を外す音
【著者】
藤波ちなこ
2014年『ためらいの代償』(ソーニャ文庫)で作家デビュー。近著に『風車の恋歌』(ソーニャ文庫)等がある。
鈴ノ助
感情タグBEST3
耐え忍ぶ
もう涙涙でした。こんなにも耐え忍ぶ事が必要だなんて。「親の因果が子に報い」的な感じで… 侍女の態度もひどいが、この時代では仕方ないのかもしれない。幸せには、程遠い二人。次巻に期待しよう!
上に立つ者の義務
権力があるということは、義務を果たさなければならない。
義務を果たしてくれる領主だから、領民は付いてきてくれる。
ヒーローは、嫌と言うほど思い知らされて生きてきたのだろう。
ヒロインは、辺境の地で暮らしていたので、これから母のした行いの影響を知り、報いていかなければならない。
親と子は別とは、現代の感覚で、やはり親の行いは子の人生に影響するし、子の行いは、親が責任を持たなければならない。
因果は巡る。
幼い頃、私が母によく言われたことのひとつに、「あなたがしたことは、良いことも悪いことも、あなたに返ってこなくても、あなたの身内に返ってくるかもしれない。だから、自分の行動には気をつけなさい」というものがあるのですが、まさしく、この物語がソレ。
しかも、自分がしたことが、身内に影響を及ぼしたのなら、償いもできるだろうけど、逆の立場であるヒロインは、自分だけが悲劇のヒロインになることも許されない。なかなかシビアなお話ですが、ヒロインは芯が通った前向きな娘なのがこの物語を読むのに助けられてる〜(。ノω\。)