【感想・ネタバレ】誰が勇者を殺したか 預言の章【電子特別版】のレビュー

あらすじ

――世界編纂――死の原因である魔王を打倒するまで世界はわたしを特定の時間まで自動的に巻き戻す。幾度となく繰り返され精神的に疲弊する中、ある男に興味を抱いたわたしは彼を勇者に認定し行動を共にする。

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ラノベ読者でない方にもおすすめしたい傑作!

勇者は魔王を倒した。だが同時に帰らぬ人となった。
なぜ、勇者は死んだのか。
魔王が殺したのか、それとも仲間なのか……。

他作品ではあまりない珍しい切り口で描かれるファンタジーミステリ!

魔王が倒され、落ち着きを取り戻した王国は、亡き勇者の偉業を文献にまとめる事業を開始。
魔王討伐の旅を共にした仲間をはじめ、勇者とゆかりある人物へのインタビュー、そして彼らの視点による回想を挟みながら物語は徐々に核心へ。

読みやすい文章ながら、登場人物たちの心情描写や物語の構成の巧みさに唸らずにいられない。
そして充実の読後感。

本作の著者、ライトノベルというジャンルで「本屋大賞」の受賞を目指しているとのことだが、これ本当に狙えるのでは?
老若男女問わずおすすめ。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

レナードよ、あなたは勇者だ。

物語がはじまったとき、レナードは法外な報酬を要求する冒険者。あげくには、志半ばで倒れた勇者の装備を追い剥ぎする始末。でも、それは露悪的な振る舞いをしていただけで、金で贖える命を救うために金を要求していた。
そして、彼が真の勇者と認めるルークに報いるために、ただひたすらに仇である魔人を追い続ける。彼の思いは、ルークの息子ザック(アレス)につながる。まぎれもなく勇者の系譜。

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2025年12月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

これは1巻とどう繋がってくのか?と思っていたら、後半でわかってきてなるほど!と。こっちの方が個人的に更に楽しく読めました!何度も繰り返すなかでこぼれていた命を救えることもあったのですね。そしてマリアがどんどんヤバくなりますね(笑)

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2025年08月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

預言者が繰り返し勇者を探す中で何度も耳にした、悪名高い冒険者レナードとそのパーティの顛末を見届ける話。

複雑な構成の前巻に比べ、本巻は預言者が噂として耳にしていたシーンを実際に辿る一本道で、ラストへの流れも含めて王道的で盛り上がる内容。前巻が綺麗に終わっていたので、続編を出すのはどうなんだろうかと少し心配していたが杞憂だった。

イイ性格をしていて、泥臭く戦うレナード達の戦いも良かったが、前巻の主人公たちが明らかな化物として書かれていたのも好みだった。預言者の人は少し性格変わった?と思ったが、素はこういう性格の人だったのかもしれない。

靴の中の小石を取り除けたレナード達が、すでに目的を果たして一緒にいる理由もなくなったのに、まだ同じパーティで活動していたのも少し嬉しかった。

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2025年07月20日

ネタバレ 購入済み

第2巻はさらにレベルアップする

まさか第1巻の勇者たちは関連性がある、びっくりした。
そして王妃がとても美しいです

#感動する

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2025年06月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

1とこれほど話が絡んでいるとは思わなかった!最初は性格が悪くお金にしか興味がないと思われた主人公・レナードが、1の主人公ザックの父親を死なせてしまった後悔から、冒険者として遠回りの人助けをしながら、敵である魔人を倒すまでの物語。
預言者の心を救い、預言者もまたレナードを救うべく勇者一行を導いたところにグッときた…。
もう続編はなさそうだけど、さすがドラクエの堀井さんが認めてるだけあって、RPG好きにはたまらない作品だった。

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2025年10月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

魔王打倒を果たすため何度も時を巻き戻し「世界編纂」を行う預言者と金の亡者と呼ばれる冒険者パーティー。
彼らの抱える過去や想いが段々明らかになるにつれて胸が熱くなった。
思わず一作目を読み返したくなった。

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2025年07月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

前回出てきた預言者のくだりがあまり好きではなかったので、彼女が主人公だったらと思うとあまり乗り気になれなかった本作。結果、確かに彼女の出番は多いが、また前作とは別パーティーの話であり、面白かった。

レナードという金に目がない腕利きの冒険者に、槍術使いに魔法使い、僧侶のパーティ。最初は、レナードの粗暴さと金への執着に少し驚いたが、まあその方が人間らしいなと思いながら読んでいた。だって、勇者は人のために我先に自分を犠牲にするのが当たり前っていう風潮、よく考えたらおかしいものね。金に汚い勇者がいたっておかしくない。むしろ、命を張って、人を守るんだからその対価を求めるのは当たり前。
でも、どう見たって好人物であろう魔法使いや僧侶がなぜレナードと共にパーティーを組んでいるんだろうと疑問に思った。彼女たちは最初から、レナードの本質を見抜いていたんだろう。

この4人が共通して、自分が逃げ出してしまったせいで誰かが犠牲になってしまったという経験を持っており、仲間となり目的を達成するまでの流れが熱い展開で、どきどきした。4人ともそれなりに強いし、簡単には倒れないにしろ、魔人は明らかに強そうだし理性もあるしで、実際、彼らはピンチになる。
自分たちが命を落とすかもしれないって絶対分かっているのに、それでも行く。そんな覚悟もある人たちを死なせたくないと、預言者じゃなくてもそう思う。

結局、前作のパーティーたちがピンチに陥った彼らを助けてくれるんだけど、このベタな展開がまた好き(笑)。気分が盛り上がった。なんかみんなとんでもなく強くて、もはや神みたいな存在になってるけど…。
預言者も前作よりは好きになれたかも…。

ぜひ3作目も読んでみたい。

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2025年06月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

誰が勇者を殺したか 予言の賞
 今回は、金に汚いと噂される“勇者”レナードの物語。
彼は報酬の10倍もの金を要求し、危険な依頼にも迷わず手を出す。ただし、依頼は必ずきっちりとこなす。夢想に浸ることなく、冷静に現実を見つめ、行動する。清廉潔白なおとぎ話の勇者とはまるで正反対だが、その分、よほど地に足のついた現実的な男でもある。
 世間に広まっているレナードの噂は最悪だ。強欲で、信用できない男とさえ言われている。だが、その裏にはまったく違う顔がある。
彼が金を集めていたのは、流民たちを救うため。そして悪評をわざと流していたのは、魔王軍の司令官・ベルゼラに近づくための布石だった。
そのすべてが、綿密に計算された行動だったのだ。
 そんな彼にも、拭いきれない過去がある。過酷な戦場から逃げ出し、自分が“勇者”だと認めていた憧れの男・ルークを見殺しにしてしまった。
それ以来、レナードは自らを「偽者」と嘯くようになる。深い後悔と負い目を抱えながら、それでも前へ進むために、彼はルークを殺したベルゼラを討たねばならなかった。
 勇者を導く“預言者”も、最初はレナードのことを勇者足り得る人物とは思っていなかった。だが彼の行動の裏にある真意に気づくにつれ、次第に認めていく。
自分を信じ、勇者のあり方を体現してみせたレナードの姿が、「人は何度でもやり直せる」と、預言者に信じさせてくれたのだ。
 前巻では“世界”を救った勇者の物語。今回は“今、目の前にいる100人を救う”勇者の物語。
自分の役割を理解し、自分にできることを、確実にやっていく。それって、本当に難しいことだと思う。感情ではなく、理性でもう一歩引いて、自分を見つめ直すことが必要だから。
人はつい、自分の理想やこだわりに囚われて、「最大の成果」を見失ってしまう。
正しさにこだわりすぎて、周囲とぶつかり、かえって自分の足を引っ張ってしまうこともある。
けれどレナードは、なんだかんだで最後には自分の信念に沿って命を賭けて戦っていく。

そんな彼が言う――
「勇者ってのは、不屈の精神を持った、泥臭い人間のことなんじゃないか」と。
……やっぱり、彼は間違いなく“勇者”だ。

 

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2025年05月30日

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