あらすじ
己が命、武士の矜持のみに賭す――
大ヒット「風の市兵衛」の著者の新たなる代表作!
日当わずか八十文。関八州取締出役の艱難辛苦の旅の一年を、郷愁豊かに描く。
越後宇潟藩の竹本長吉は上役の罪に連座し失職、故郷に妻子を残して江戸に仕事を求めてきた。
様々な職の中、請人宿で選んだのは《雇足軽》だった。関八州取締出役の蕪木鉄之助の元、数名で一年をかけて関東の農村を巡回し治安を維持する、勘定所の臨時雇いである。
日当わずか八十文。二八蕎麦が十六文、鰻飯なら二百文が相場だった。討捨ても御免だが、刀を抜くことは珍しい。多くは無宿の改め、博奕や喧嘩、風俗の取り締まり、農間渡世の実情調査や指導などの地道なものだった。
巡る季節のなか、土地土地で老若男女の心の裡に触れる長吉は、妻子を想い己が運命と葛藤する。
そんな時、残忍非道な押し込み強盗一味の捕縛を命じられ――
ときに鬼神と化し、ときに仏の慈悲を施す八州廻りを、郷愁豊かに描く!
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Posted by ブクログ
昔の地名が分からなくて、どことだろうと思いないながら読んでました。
後で調べました。あと水戸?とどこかだけ幕府の干渉受けたくないと巡回に応じないのが面白かったです。OKなんですね。
杉作の件については、叔父さんのところに返さなくてもというか読んでる時はそのままお店で働くんだろうなと思ったんですが、連れ帰られてしまってえ!と思いました。でも幕府の方針的には農家が農業以外の仕事すんなってことだったので、そうか…と理解。
鉄之助が死んだのは悲しかったですが、最後に杉作に会いに行ってくれたてよかったです。ただ、ちゃんと理解できてないのか杉作がなぜ泣いていたのかちょっと分からなかったです。ただ長吉と別れるのが寂しかったのか、鉄之助が死んだのが悲しかったのか…。