【感想・ネタバレ】TS衛生兵さんの戦場日記Vのレビュー

あらすじ

北部決戦で仲間を喪い、自らも瀕死の重傷を負ったトウリ。彼女を救ったのは、軍を除隊しサバト領オセロ村へ亡命していたゴムージだった。オースティンへ帰ることのできないトウリは、戦場に戻れない後ろめたさを抱えながらもオセロ村で静かに傷を癒していく。穏やかな日々の中で、次第にゴムージや彼の息子セドルと共にこの地で生きていく道を考え始めていた頃。突如「労働者議会」と名乗る武装集団が村に現れ、一方的に略奪を宣言。女子供すら容赦なく襲い始めたのだ。命からがらセドルを連れて村を脱出したトウリだったが、その先で彼女はサバト連邦軍の参謀大尉・シルフ・ノーヴァと邂逅し――。

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転生モノながら、チートや無双といったワードとはほぼ無縁。
過酷で悲惨な戦場の地獄を、衛生兵の少女・トウリによる日記として描いた物語。

現世でいうところの第一次世界大戦頃の時代に魔法も存在するファンタジー世界。
戦争で両親を失い、孤児院で育ったトウリは、成人となる15歳で軍へ志願する。

回復魔法の適正があり、衛生兵となった彼女だが、配属されたのは後方ではなく、最前線の突撃部隊だった!
前世ではFPS廃人だったトウリは優秀な兵士になれる自信があったが、目の当たりにした現実はまさに地獄。

前線での新兵の生存率は極めて低く、戦友がひとりまたひとりと命を散らしていく。
非戦闘員であり、ただの華奢で非力な少女でしかないトウリは、この絶望しかない戦場をどのように生き抜くのか?

本作は、数十年後の歴史マニアが当時の戦場跡から発掘したトウリの日記を読み進める、という形で進行する。
ということはトウリはもう…?

重苦しい雰囲気が漂っているもののリアリティもあり、主人公の辿り着く結末をすこぶる見届けたくなる作品である。

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匿名

ネタバレ 購入済み

暗いな

日記ではサバトがロシア革命のような地獄のような内戦に突入。

現代ではトウリが最後に何を思ってたのかは不明ですが、既に亡くなっている。汚名を着せられたシルフの姪の登場と救いが全くない。

勝てば官軍、負ければ賊軍は世の常だけれども、このまでくるとハッピーエンドとはほど遠い終わりになりそうですね。
とより戦争物にハッピーエンドを求めるのはアレですが、主人公に少しでも安らかな終わりを迎えて欲しいのもまた事実。

そういう意味ではトウリの死亡が確定的なのは残念でした。

#ダーク

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2025年08月05日

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