あらすじ
文章を読むと、作家の内面を体感できる共感覚を持つ女はある時、吐くほどにおぞましい内面世界を持ったΩという作家を見つける。Ωの驚愕の正体とは。(スコッパ―の女)
著者が知り合った奇妙な作家L。彼は物事の終焉までの距離を【深さ】として観測できるらしい。ある日Lは鏡に映った自分に【深さ】が全くないことを知る……。(終焉を告げる小説家)
自分が生み出した天峰翔陽というキャラクター。同名の人物が現実にいることが分かり、やがて物語と現実がシンクロし始める。(シンクロニシティ) 他2編。
小説家に纏わる身の毛もよだつ戦慄の短編集。
「この本に収録されている作品は、私が収集した出版関係者の奇妙なエピソードを、小説の形式に書き直したものである。
中には現在も活躍中の小説家が登場する。もしかしたら、あなたの尊敬する大好きな作家こそ、この本に登場する破滅的な小説家その人かもしれない。」 山白朝子
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Posted by ブクログ
乙一さんの別名義の1つ、山白朝子名義の新刊である。全5編で200p以下とボリュームは少ない。乙一名義の『さよならに反する現象』を思い出す。
前書きによると、出版界の風習として、アイデア交換会なるものがあるという。ここに収録された全5編は、乙一さんが収集した出版関係者の奇妙なエピソードを、小説の形式に書き直したものだという。まあ乙一さんだけに、嘘でしょうね。
「終焉を告げる小説家」。詳細には触れないが、彼には【深さ】が見えるという。読者の立場ではありがたくないその能力、作家としては武器になるのかどうか。彼は作家をやめても、その能力で令和の世をしぶとく生きていくだろう。
「小説講師の憂鬱」。専門学校のライトノベルコースで、光る才能に出会った講師の男。彼女の意欲を維持させるため、さて彼はどうしたか。あまりにも見え見えで、おぞましいというより引いてしまった。最後のオチは必要か?
「シンクロニシティ」。ある作家の人気作品に登場する少年と、同姓同名の少年がいた。彼が作中で少年を事故死させると、同姓同名の少年も事故死してしまった…。作家がどういう運命を辿ったか、興味がある方は読んでみてください。
「青軸卿」と呼ばれる作家は、ある事情から離島に住むしかなかった。山白朝子作品にしてはユーモア寄りかなあ、と苦笑しながら読んでいたが、最後の最後に…なるほど山白朝子っぽい。彼はその贈り物で、意思を継ぐのだろうか。
表題作「スコッパーの女」。ネット上に公開されているアマチュア小説の数々。そこから才能を発掘する人を称して、スコッパーと呼ぶという。そんな彼女の嗜好が変わった結果…。オチといい、嫌な後味といい、文句なく本作中の一押し。
あっという間に読み終えた。これら5編の中に鬼才・乙一の才能は確かに息づいているが、できればこの倍くらい読みたいというのが本音である。
Posted by ブクログ
文章を読むと、作家の内面を体感できる共感覚を持つ女はある時、吐くほどにおぞましい内面世界を持ったΩという作家を見つける。Ωの驚愕の正体とは。(スコッパ―の女)
著者が知り合った奇妙な作家L。
彼は物事の終焉までの距離を【深さ】として観測できるらしい。
ある日Lは鏡に映った自分に【深さ】が全くないことを知る……。(終焉を告げる小説家)
自分が生み出した天峰翔陽というキャラクター。
同名の人物が現実にいることが分かり、やがて物語と現実がシンクロし始める。(シンクロニシティ) 他2編。
小説家に纏わる身の毛もよだつ戦慄の短編集。
「この本に収録されている作品は、私が収集した出版関係者の奇妙なエピソードを、小説の形式に書き直したものである。
中には現在も活躍中の小説家が登場する。
もしかしたら、あなたの尊敬する大好きな作家こそ、この本に登場する破滅的な小説家その人かもしれない。」
山白朝子
山白氏の雰囲気満載である。
何処か拭っても取れない泥のような気味悪さが。
オチはなんとなく読めるが、文章で最後まで引っ張る。
そこは『流石』としか言いようがない。