あらすじ
老舗糸問屋・嶋屋元当主の徳兵衛は、還暦を機に隠居暮らしを始めた。
風雅な余生を送るはずが、巣鴨の隠居家は孫の千代太が連れてきた子供たちで大にぎわい。
子供たちとその親の面倒にまで首を突っ込むうち、新たに組紐商いも始めることとなった。
商いに夢中の徳兵衛は、自分の家族に芽吹いた悶着の種に気が付かない。
やがて訪れた親子と夫婦の危機に、嶋屋一家はどう向き合う?
笑いあり涙ありの人情時代小説『隠居すごろく』、待望の続編!
感情タグBEST3
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隠居すごろくに続く第二弾は「隠居おてだま」
嶋屋の隠居・徳兵衛
第一弾のすごろくでは、人生隠居で上がりと思ったら…上がりどころか別のすごろくを始めてしまった
そんなお話。
今回は商いも孫や子供達もさらにパワーアップして
順調と思いきや?
世話している子供達の家、親子の話
そして徳兵衛の悩みの種の一人娘の話
親に振り回されてもたくましく元気な子供達に涙し
頑固で意固地、自分の性格をわかっていても変えられない徳兵衛がまさかのお登勢を離縁?
男にとって商い以外の厄介事は慣れぬお手玉を三つも四つも手にしているかのよう…
そんな第二弾も最高だった〜!!
さぁ次は何の遊びがタイトルになるのか?
楽しみに待ちます‹‹\(´ω` )/››
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初出2021〜22「小説野生時代」
『隠居すごろく』の続編。 あれ、徳兵衛さん死んでなかった?
糸問屋の商売一筋だったが頑固者の徳兵衛は、主人を隠居した後何もしないではいられず、隠居所に組紐の作業所を作り、職人3人と見習いを置いて新たな事業を興したほか、近所の子供たちを集めて手習塾も開いていた。もっとも孫の千代太が塾の師匠と合わずに辞めたのをフォローしたらしく、師匠は徳兵衛の妻でまだ糸問屋の大女将を勤めているお登勢が通ってきて、子供達に給食も与えていた。
孫の千代太が友達になった子どもたちは、徳兵衛の世話で王子権現の境内で参詣案内の仕事で駄賃稼ぎができるようになったが、問題のある親がいて、千代太の頼みを断れずその世話までしていた。筋を通す頑固者だが、隠居して少し柔らかくなっているらしい。
さて徳兵衛の末娘のお楽は、出戻って奔放な暮らしをしていたが、錺(銀細工)職人秋治の子を身籠もってしまい、徳兵衛に知れると大騒ぎになると心配した家族たちは、一度縁談をまとめかけるがお楽の気が変わる。そこで、お楽が意匠を考えて秋治が作った見事な帯留を、新たな商売の種としてそれとなく徳兵衛に見せて、ふたりの仲を認めさせる作戦に出た。しっかり食いついた徳兵衛が商売の道を広げた矢先、たまたま二人が暮らしているのを見て、自分が騙されたことに気づき、店とも、妻とも、孫とも縁を切ってしまう。
千代太が日参して詫びるが敷居を跨がせない。しかし妻が店を去ったことを知り、30年前に流産した時にもいなくなって行った先を思い出して会いに行く。その後の展開が暗示されるけれど、頑固爺さんはどう収めるのだろう。
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「隠居すごろく」の続編。
すごろくの次はおてだま。人生なんてそんなに簡単に上手くいかないモノ。あっちに振られ、こっちに振られ、隠居後の生活を上手く表現しているなと思った。
前作で上手く収拾ついていたように思えたものが、次々ともうひと悶着あって、、、しかしながら、それらも何とか上手く収まりそうだったのに、最後の最後でお楽と錺職人の秋治のできちゃった婚でとんでもない展開に。いや、決してアンハッピーではないんだけれど、これは続きがないと嫌だー!っていうモヤモヤの残る終わり方。お願いだから、めでたしめでたしな結末を読むまではこのシリーズ終わらないで(哀願)
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この人の本を読み始めてもう何冊にもなるけど、初めて結末にちょっと納得いかない感じがした。途中まで各家庭のごちゃごちゃがあって、大本に嶋屋の娘のゴタゴタがあってとても面白かったのに、最後がなー。そもそもこの娘が全部悪いんだから、もうちょっと長くしんどい想いをしてもらいたい。だってあんな仕打ちはご隠居があまりに可哀想。と、相変わらず登場人物に肩入れしてしまうほど面白い物語。
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前作「隠居すごろく」で隠居後の生きがいを取り戻した徳兵衛。
出戻り娘の結婚を巡る騒動で、その基盤を破綻させてしまう。
最後に一番大切なものを取り戻す。
短気は損気。
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読み終わったらほっこり
めでたしめでたしで終わらない話。家庭の事情を各々で消化していく頼もしい子供たちの話。そして、投げても戻ってくるお手玉のように、隠居しても悶着が続きます
最後はどうなることかとドキドキ。でもほっこりで終わって良かった!
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シリーズ第2弾!
孫の千代田の相談におよび腰な徳兵衛にクスリ。
いったい今度はどんなお願いなのか、ビクビクする徳兵衛の姿が目に浮かぶ。
前作から成長した千代田も相変わらず真っ直ぐな気性で、その素直さと優しさにほっとする。
徳兵衛が隠居後に立ちあげた幾つもの“商い”を舞台に、子どもたちや奉公人たちと繰り広げる毎日がにぎやか。
徳兵衛の娘・惚れっぽいお楽のお相手、お楽の選択は?
みんなで何ヵ月も協力してきた「企み」はうまくいくのか…。
誰かを思っての企みではあるけど、今回は徳兵衛の心中を思うと同情してしまう。
これどうなるんだろうって思いながら読んでて、終盤は涙ぐんでしまった。
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自他共に認める意固地な性格の徳兵衛
それも随分と和らいでいるのは、孫の千代太と隠居先で出会った人たちのおかげだろう
なのに娘の一大事を自分以外の家族皆は知り、自分はのけ者にされていたと分かればやはりいい気持ちがしなくて怒るのは理解できる
何より徳兵衛のことを思うと可哀想で…(でもこの事態も本人の意固地さが招いたもの)
勘当騒ぎや離縁はどうなった?と気になるものの、徳兵衛夫婦は大丈夫そうなので一安心かな
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時代は違えど、現代人が抱える悩みと変わらないところに共感。西條先生が描く江戸っ子はイキイキしていて温かい。不動の安定感。正に人生は悶着が続くお手玉だと得心した。
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隠居すごろくが面白かったので、楽しみにしていた続編。最初、忘れていた登場人物の整理に頭が混乱し、なかなか読み進められなかったけど、お楽さん登場のあたりからめちゃくちゃ面白くなった。商機の勘がはたらき時代の先を読む政二郎が私は好きだなぁ。基本みんな思慮深くて良いが、徳兵衛の頑固すぎるところはこうあっては見苦しいわ周りも手を焼くわで他山の石となる。いろんなところでそれぞれ問題抱えているけど地に足ついてる感じ。
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・前作『隠居すごろく』で孫の千代太(ちよた)が拾ってきた、「手習にも行けない子供たち」それぞれの家族のドラマ
・徳兵衛が隠居後に始めた「五十六屋」の組紐の商い
・出戻りの末娘・お楽(おらく)の出来ちゃった騒動
この三種類の糸が複雑に織り合わされてお話が進む。
千代太が拾ってきた子供たちは程度の差こそあれ極めて貧困。
学校に行けない、給食以外に食べるものがない、体の利かない年寄りや病気で働けない親を抱えている・・・あら、今の日本の福祉は江戸時代と変わらないのね。
子供たちの中では千代太より一つ年嵩の勘七(かんしち)と瓢吉(ひょうきち)は、もうすぐ独り立ちを視野に入れている。
苦労している子らは大人びていて、子供には子供の言い分もあるが、大人のダメな姿も受け入れようと努力する。
周りの子らを見て、もっとひどい親がいくらでもいるのだから、という理由で自分の親のダメな部分を大目に見るのは悲しい比較ではあるけれど、やっぱり愛情あってのことだろう。
子供には食べ物と学問と職訓練を、大人には能力を活かした働き口を。
徳兵衛さんは本当に正しい。
しかし、家族には素直になれなくてこじらせてしまう。
ま、そんなところも可愛いのですが。
結果、すごろくはだいぶ戻ってしまいました。
もしかしてまた振り出しかも。
新しいすごろくを始める?
振り出しから再出発して、今度は別の分岐をたどる?
すごろくの上がりは墓に入るまで来ないと思う。
徳兵衛のすごろくはまだまだ続くだろう。おてだまもしながら。
というか、さっそく「その後」が気になりすぎるのだけど。
一 めでたしの先
二 三つの縁談
三 商売気質
四 櫛の行方
五 のっぺらぼう
六 隠居おてだま
嶋屋の、心配性の長男・周到な次男・奔放な末娘というのはバラエティに富んだ組み合わせである。
そして、大店の箱入り娘で、大女将が居ないと奥を回せない頼りない(長男の)嫁として見られていたお園(おその)さんの本性が!!
これは・・・まだ化けるかもしれない?
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時代が変わっても人の営みは一緒。頑固、意固地な性分、わかっていても変えられない徳兵衛さん、分かる。隠居暮らしが存外難しいのも…「慣れぬお手玉をを三つも四つも手にしているよう。ひとつ放り投げても、また一つ手に返ってくる。身内や周囲の悶着はまさにお手玉に似ている。ただ安穏と無縁だったからこそ達者でいられたのかも。安穏に身を置けばたちまち腐り出す。それもまた一つの真理」「日常のそこかしこに諍いの種は落ちていて、隙があればたちまち芽吹く。ひとつずつ丹念に摘み取っていくのが、長く営む唯一の秘訣かもしれない」「調子のいい者は、嘘やへつらいを紛れ込ませるために口達者にならざるを得ない」人生訓もたっぷり。
Posted by ブクログ
困り事を目にしては放って置けない優しい孫と要らぬ面倒はご免の祖父。いつの間にやら孫のペースに乗せられて、気付けば世のため人のためと奔走する日々。思い描いた隠居生活はどこへやら。挙句、身を引いたはずの商売っ気が顔を覗かせる始末。前作一話完結と思っていたらなんと続編。ありし日の徳兵衛さんの奮闘が綴られる。
前作ともに江戸下町の空気を吸っているかのよな臨場感ある作品。暮らしは貧しくともその中で生き抜く強さと心情的な豊かさを感じ、読んでいて心地良い。
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『隠居すごろく』の時も思ったけれど、やっぱりこのシリーズは好きじゃない。
西條奈加作品にも関わらず、登場人物が薄っぺらくて魅力がよく分からないし、何より徳兵衛が読んでいて気分が悪い。
一家総出でお楽と秋治のことを内緒にして上手く事を運ぼうとしたのも徳兵衛の自業自得なのに、離縁だなんだと結局誰も幸せにならない結末。
続編がありそうな終わり方だったけど、ちょっと読むのはしんどいかな。
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「隠居すごろく」の続編。
糸問屋を隠居し、組紐屋を始めた徳兵衛の暮らしあれこれを描いた作品。
家族や商売仲間との日々がにぎやかに描かれている。
頑固で生真面目な徳兵衛が最後は家族とも縁を切ってくらすようになる。
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『隠居すごろく』の続編。
老舗糸問屋〈嶋屋〉の元店主・徳兵衛の隠居家は、孫の千代太の“拾い癖”のおかげで毎日大賑わい。
組紐屋〈五十六屋〉、子供商いの〈千代太屋〉そして徳兵衛の妻・お登勢が師匠を務める手習所〈豆堂〉という三施設(?)を回している状況です。
そんな中、徳兵衛の末娘で出戻りのお楽が錺師の秋治と恋仲になり、赤子を身ごもっていることが判明して・・・。
前作に続き、すっかり“生活&就労支援センター”化している徳兵衛の隠居所。
各キャラの関係性などを思い出すためにも、巻頭の“登場人物紹介”がありがたかったです。
今回は、勘七や瓢吉の両親の問題だったり、善三の恋だったりと、男女のあれこれがテーマになっている印象でした。
特にメインとなっていたのは、お楽の“できちゃった問題”で、頑固&堅物爺さんの徳兵衛にバレたらえらい事になる!とばかりに、皆で秘密裏に事を進めていたのが、却って裏目に出てしまうという展開になりましたね。
徳兵衛にしてみれば、お楽の妊娠云々よりも、自分だけが“蚊帳の外”だったことがショックだったのでしょうね。
それで拗ねをこじらせちゃう気持ちもわからんではないですが、それは今までの自身の言動が招いた結果でもある訳で・・。
後半は〈嶋屋〉ファミリーがどうなってしまうのだろう・・と、心配でハラハラしました。
とはいえ、ラストはほんのり光が見える感じで終わっていましたし、他のキャラ達の今後も気になるので、続きがあるものと期待したいですね。
Posted by ブクログ
「隠居すごろく」の続編。
前作から間が空いたので詳細を忘れていたが、読んでいくうちに思い出した。
糸問屋〈嶋屋〉の主人だった徳兵衛は還暦を機に隠居。人生を双六に例えれば、『隠居は上がり』だと思っていた徳兵衛だったが『上がり』どころか新たな双六が始まってしまう。
その大元は孫の千代太。
今で言えば貧困家庭の子供たちを連れてきて徳兵衛に助けを乞い、結果千代太をリーダーにした参詣案内商売をさせている。
また千代太の拾い癖がきっかけで組紐屋〈五十六屋〉を始めることになるのだが、これまでの『苦行』と違って商売を楽しむようになった…というのが前作までの話。
今回の続編を大まかに表現すれば第一話のタイトル『めでたしの先』ということだろうか。
千代太が最初に『拾ってきた』親友・勘七の父親が三年ぶりに帰ってきて、家族が揃い家計も安定してめでたしめでたしかと思えばそうはならず…。
千代太の友人の一人・瓢吉の母親が、再縁した相手の理解もあり瓢吉・逸郎兄弟を引き取りたいと言ってきた。稼ぎをそっくり色街につぎ込む父親と離れられるし、母親の再婚相手も連れ子も優しいので母と暮らす方が良いに決まっているのだが…。
徳兵衛の末娘・お楽は夫と死別後、次々と男を変えて付き合っているが、ついに錺職人・秋吉という良い相手と巡り合った。だが徳兵衛が許すはずもなく更にお楽は妊娠が分かって…。
前作に比べると徳兵衛の四角四面さが少し取れてきたような。お付きの女中・おわさにも度々『ご隠居は変わりましたね』と言われている。
千代太の拾ってくる難題を嫌がりつつも一緒に考えたり、何より貧困家庭の子供たちのことを気にしてくれているのが嬉しい。
だが最後の最後にとんでもないことが。
残り少ないページ数でどう収めるのかとハラハラしながら読んだが、上手く収まったようなまだ先があるような。
他の子供たちの問題やおわさの息子で下男の善三の恋愛問題、秋治・お楽夫婦の今後や〈五十六屋〉の仕入れ先問題などまだ解決していないものもたくさんある。
もしかすると更に続編があるのだろうか。
身内の悶着を『お手玉』に例え、『慣れぬお手玉を、三つも四つも手にしているかのよう』と表した丸喜屋ご隠居のように『ずっしり重いお手玉を握らされている』徳兵衛の今後も見てみたいし、なにより子供たちの成長も見守りたい。
Posted by ブクログ
これは続編があると思っていいんですよね!
というか、続きが読みたいです!
帯留とか組紐の話し、着物好きにとっては、もっと詳しく〜とおねだりしたい。
Posted by ブクログ
時代が変わっても恋と言うのは本当に厄介、大胆に変えてしまう。末娘のお楽の件で徳兵衛に知らせずお楽の幸せを考えたばかりに徳兵衛が傷つき、すっきりしない終わり方。
Posted by ブクログ
以前出版された「隠居すごろく」の続編。
前作で巣鴨の糸問屋・嶋屋の隠居,徳兵衛が隠居家で始めた新しい商売組紐屋「五十六屋」,孫の千代太達が営む参詣案内の店「千代太屋」は好調で,手習い所に通う子どもたちも元気いっぱい。
それでも子どもたちを始め,その家族にまつわる厄介事には事欠かず,隠居したはずの徳兵衛もあれこれ始末に飛び回ることになっているのは変わらず。ところが今作では,そうしたことに加え遂に徳兵衛の身内に厄介事が発生してしまう。そして徳兵衛の生来の頑固さ意固地さが原因で話はこじれにこじれ,大騒動に発展する。
ネタバレとも言えるが,予め断っておくと,本作の最後ではすっきりと気持ちよくは解決しない。さらなる続編では皆がもっと幸せな状況で終わらせてほしい。
それにしても年寄の意固地は見苦しいな。自分でだめだと気づいていても止められないのは手に負えない。くれぐれも自分はああはならないように気をつけよう。
Posted by ブクログ
え!これで終わるの?!みたいな終わり方、、、モヤる〜笑
もっと長くなっていいからもうちょいすっきり終わって欲しかった
しかし話せばわかるけどそもそも話すのが無理というか話す前から相手のあれこれを汲んで勝手に自己完結してしまうというのは人間関係あるあるだよね
レビュー見たらみんなご隠居のこと嫌い過ぎて笑ったけど、あの年になって自分の来し方を反省できるってすごいと思う
次作があるなら蟠りが溶けてみんなハッピーな物語になりますように
Posted by ブクログ
相変わらず賑やかしい隠居屋。
〈また何か、拾ってきたのではあるまいな?〉
孫の千代太が厄介を持ち込んだのではないか。
のんびりと過ごすつもりだった徳兵衛はヒヤヒヤする。
厄介ごとを持ち込むのは孫だけではない。
徳兵衛の娘が、母親のお登勢まで巻き込んで忙しい。
徳兵衛の頑固さは読んでいてもイラっとくる。
反対に千代太の可愛さと言ったら。
今作で終わりではないでしょう。
徳兵衛とお登勢のその後も気になる。
Posted by ブクログ
元凶は徳兵衛である。
面倒事とばかりに家族と向き合ってこなかったくせに、文句は言う。しかも、物事の決定権を持っているだけに始末が悪い。現に今回の騒動でも、癇癪の後に暴走したものの誰も止めることはできなかった。
「どうせ話が通じない」そう思うのも当然のことだ。不器用なだけなんだから除け者なんて可哀想とかいうレベルではないだろう。
ただその上で思うのは、相手は力を持っている、画策しても失敗したら元も子もないということ。大切なことは、やはり正攻法で主張するべきなのではないか。それでうまくいかなければ、出るとこ出るとか決別するとか二の矢三の矢を放つのがよろしいかと。
それは、はだかの王様になっている相手の為にもなるはず(まあ徳兵衛は自覚があるのに直せないようだが)。混乱の中、立て直して筋の通った対応をしたのは秋治。ここだけは希望が持てました。