【感想・ネタバレ】藤子・F・不二雄SF短編コンプリート・ワークス 9 宇宙船製造法のレビュー

あらすじ

SF短編、全作品収録の決定版が登場!

2023年、TVドラマ化を機に、藤子・F・不二雄のSF短編シリーズ全111作品+αを単行本全10巻に再編集し、装いも新たに刊行!
「SF・異色短編」シリーズ6冊(第1~6巻)と「少年SF短編」シリーズ4冊(第7~10巻)に分け、それぞれ概ね発表順に収録します。

第9巻の収録作品は以下の通りです。

<第9巻収録作品(少年SF短編)>
・「宇宙船製造法」
・「ふたりぼっち」
・「ベソとこたつと宇宙船」
・「影男」
・「山寺グラフィティ」
・「恋人製造法」
・「マイロボット」
・「コマーさる」

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Posted by ブクログ

ネタバレ

全体的にハッピーエンドで救いのある話が多かった。

『ふたりぼっち』
SF短編集全体の中でもかなり好きな作品。
主人公は中高生で、パラレルワールドの自分と仲を深めていたが次第にすれ違いが生じていく。
中学生くらいまでは生まれた時に与えられた環境に強く作用されながら人生が展開するけど、それ以降は自分の意思や自分で広げた交友関係からの影響が強くなる。
同じ環境で育った兄弟がそれぞれの道に進むように、パラレルワールドの自分自身たちもそれぞれの道へ進んでいく過程がじっくりと描かれていて良かった。
「ピラブタ」ってあだ名変すぎる。

『ベソとこたつと宇宙船』
ひとつの星を救ってやる気が出てやることが「雪の結晶を虫眼鏡で見る」なのがかなり良い。

『影男』
「くだらないいたずらや脅迫に屈せず、断固まんがを読みつづけるのだ!!」「娘の身の上より、テストの結果が気がかりとは!」なんかのび太みたいな女主人公が可愛い。

『マイロボット』
言うまでもなく人工知能の話。
機械オタクの大学院生?のお兄さんが良かった。
ロボットが「自己欺瞞」の能力を持つことを「おそろしいと思う」のはまさに専門家の視点。
ロボットがねたみという感情をおぼえたこと自体より、ねたみを隠すためにウソをついて、さらに自分でそれがウソだと気付かないことの方がやばい。たしかに。

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2024年02月28日

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