あらすじ
嘉永六年五月。圧政を強いる盛岡藩に抗して民百姓が立ち上がった。彼らを導いた首謀者の一人、三浦命助は、一揆に初めて参加したにもかかわらず数々の策を練って武士を翻弄。藩政への怒り、騒ぎに乗じた憂さ晴らし、取るものもとりあえず――膨れ上がる群衆をも巧みにまとめあげた。時を同じくして浦賀に異国船が渡来する。そのことが交渉の行方にも影響して……。果たして、一揆衆の要求は通るのか? 時代の流れに翻弄される百姓たちのドラマを描く、熱き歴史長編!
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Posted by ブクログ
最高に面白い。歴史上、幕末にこんな奇跡があったとは。
民衆の力の強さと、人間の汚さ狡さ、色んなことが詰まったストーリー。
一揆にはこんな側面があるのかということを学ぶ。日本に民主主義が無いなんていうのは、大きな間違いなのかも知れない。こうした物語、歴史を知らなかったので、衝撃的である。
社会課題のありのよう、綺麗事では済まない人間の心情のリアル、運動や動きの複雑さ、陥りがちな陥穽が描かれる。美しいだけの物語など無いということと、その混沌の中でどう動くのか、生きるのか。
見栄や役得に動かされる心。辱めない、辱められない。敵であってもというところが大事なのかも。けど、心の奥底では、蔑むのが人。そこを自覚していけるかどうか。
命を捨てる武士ではなく、生きるために尊厳を保つための民衆に、山本幡生を思い出す。新たな水脈にたどり着いた気がする。帰省中に本屋をぶらついていて、偶然目についた本から、広がった世界。偶然の出会いに感謝。
庶民の感覚のない為政者
民百姓の窮乏を辿っていくと国の仕組みに行き当たる
一揆も私利私欲が動機、得がなければ人は動かぬ
一揆衆は、帰ればいいことしか喋らない
尊い目的のためならば、多少の無理難題を強いるのは仕方がない、少数の犠牲が出るのは仕方がない、そういう思いがいつしか、我らが正義なのだから、民百姓は皆、ついてこなければならないという考えに変化している
美談しか語られぬとか、悪行しか伝わらぬとかは世の常だがな
人は己の力以上のことはできぬ。しかし、自身の屍の上に人は新たに挑戦をする
Posted by ブクログ
題名からは 「一揆衆と施政者の戦い!!」と思ったら、
帯には「一揆衆波乱の行軍」とあり、行軍??
知略を尽くすことで命を守り要求を認めさせる。
う~~ん ここまで考えられない、自分には。