あらすじ
老いを生き、描く76歳作家の「純」漫画!
舞台は高度経済成長期に建てられた団地。現在そこにはひとり身の老人たちがいつか訪れる孤独死、「ぼっち死」を待ちながら猫たちと暮らしている。
そんな彼女らが明日迎える現実は、どんな物語なのかーーー
自らも団地に暮らす76歳の著者が描く、私たち全員の未来にして、圧倒的現在。
『夕暮れへ』にて日本漫画家協会賞優秀賞、文化庁メディア芸術祭マンガ部門収集賞を受賞した齋藤なずな、渾身の最新作。
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Posted by ブクログ
独居老人たちが主に住む団地が舞台の漫画。
老人たちにも人生があり、そして自分もいつか老人になるのだということが実感された。
おそらくアシスタントも入れていないのであろう、人物から背景までフリーハンドで描かれている、そういうタッチの漫画が好き。漫画というのは手間をかけて精密な絵を書けばいいというものではないと思う。
とても伝わってくる漫画だった。
いつかは行く道…
以前テレビで、新潮社の中瀬ゆかりさんがこの本を紹介したのを見て購入しました。
変に美化した絵柄ではなく、後期高齢者のリアルが描かれている所が良いです。
年を重ねて生きていくとはこういう事か…なんて切ない気持ちにもなりますが、
仲間内で団地の住民にあだ名を付けたりして(そのネーミングセンスが秀逸!笑)、クスッと笑えるシーンもあります。
後期高齢者と呼ばれる年齢になったらこんな団地で暮らすのもいいな、と思いました。
匿名
読み応えのある一冊です。
作品はオムニバス形式になっており、ありきたりな日常に見えて他にないセンスを感じる会話劇が人生をなぞるように繰り広げられていきます。
どのお話も端々でくすりと笑えて、特に第3話では何度も泣けてしまいました。キャラクターの一人ひとりがとても愛おしいです。
また、紹介文に76歳の作家さんの御本とありましたが、古さはまったく感じられません(もし失礼な物言いだったらすみません…)
漫画の中にも時代を語り、その時の波を楽しむキャラクターが登場するようにいくつになっても感性はアップデート出来る。歳を重ねるほど物事の本質へ近づき、心に響く言葉を紡いでゆける。そんな未来への希望と尊敬の念を持ちました。
私は恐らく作者さんの孫世代にあたりますが、こんな風に老いていきたいです。素晴らしい時間をありがとうございました。
Posted by ブクログ
高齢者が集うアパートで繰り広げられる群像劇。過去の思い出、動かなくなった身体、疎まれながらもやめられない事…高齢になると分かるであろう境地と、そこから見つけるささやかな幸せと生きがい。
Posted by ブクログ
カラスのアップから始まる団地の日常?
ゴミ袋で満杯になったトラック。
一人で死んで、見つかって、ご近所さんが噂話をする。
家猫と外猫それぞれお世話する人。
6話とも死人の話し。
気分が落ちこんだらドーシヨウ?と恐る恐る読みはじめました。
「牛の行く」
泣いてしまった。
妻に先立たれ、一人で生活しているジジイ
今の「バァさん」って中身はケッコー豊かよ
と幽霊奥さんに言われても、バァさんを下に見ているインテリジジイ。が、
バス停で「律気な方」と言われて涙ぐみ、
バァさん達の仲間に。
私が先に行ったら?夫は大丈夫かしら?
最後のページに
何もかもみーんな
順ぐり順ぐり
なんだよね。
そう、死なない人はいないんだもの。