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大筋では面白いと思います。
中世風ファンタジー、ギルド追放されて成り上がる系のやつです。お話としては、主人公のノエルが王宮魔術師団に入って、緋薔薇の舞踏会での警備の仕事が始まり、要人の暗殺を阻止するところまでです。
大筋では面白いと思います。あまり細かいことは気にせず、魔法に長けているヒロインが派手に活躍するという表層を楽しむ分には、絵柄も安定していてマンガとしてよくできているので、楽しく読むことができました。
一方で、お話の粗が気になっちゃう人にはオススメできないです。
まず、ヒロインが頭良いのか悪いのか分からない点です。おそらく、大好きな魔法のこと以外は興味がないってことなのでしょうが、ブラックな魔道具師ギルドで三年も働いていて何も考えなかったのでしょうか。三年って結構長いので、労働環境の改善を働きかけるとか、転職するとか、頭が良いならいくらでも思いついたはず。
次に、これが一番問題なのですが、ヒロインは魔術学院卒業後に母親の看病のために田舎に帰ったのに、どうしてあっさりと王都の王宮魔術師団で働き始めたのか。しかも、母親の「一緒に王都に来られて良かった」というセリフもあり、じゃあ最初からそうしろよとツッコミたくもなります。母親が体調悪かったのでしょうからすぐには無理でも、ある程度体調が良くなったらさっさと王都に引っ越せば良いのに、なぜ三年も田舎で魔道具師ギルドに勤めていたのか。
あと、最後の展開(+次巻の試し読み部分)ですが、お供の騎士の行動が意味不明です。まず前提として、ノエルに剣を向けていますが、その背後には皇妃がいるので皇妃にも剣を向けていることになります。これが、皇妃がノエルと距離をとって、その間に割って入って剣を向けるなら分かるのですが。そして、次巻の試し読み部分でノエルが王宮魔術師であることを(ちびっ子だからと)信じていないようですが、魔法を使って飛んできたところを見ていなかったのでしょうか。あと、怪しい者に剣を向けるのは百歩譲って理解を示すとして、なぜノエルと執事のどちらもマークせずにノエルにだけ剣を向けるのでしょうか。
と、いろいろ文句を書きましたが、最初に書いた通り大筋では面白いと思うので、次も読んでみたいと思います。