あらすじ
九十三回目のゲーム〈ジャンボリーシップ〉。
クルーズ船を舞台とするそれは、あの〈キャンドルウッズ〉をも上回る、運営史上最大の参加人数を記録するものであり、現役プレイヤーのほとんど全員に招待が送られた。
慣れない肉体にもどかしさを感じつつもゲームを進める私・幽鬼の前に立ちはだかるのは、宿敵たる〈密会〉の面々、そして、およそ最も想像したくない組み合わせ、藍里と真熊の二人組であった。
まんまとやられて300人以上の〈敵〉に囲まれ孤立無援となる私だったが、しかしその一方で、心のほうはひどく冷え切っていた……。
潮風にセーラーをたなびかせながら、私たちは、死亡遊戯で飯を食う。【電子限定!書き下ろし特典つき】
MF文庫Jライトノベル新人賞《優秀賞》受賞作!
前人未踏の連勝記録を目指す少女の生き様を描いたデスゲームもの。
裏社会でたびたび行われる平均生還率7割のデスゲーム。
なんとなく、漠然とそれに参加し、その賞金で生計を立てていた社会能力ゼロの少女・幽鬼(ユウキ)。
少女はとあるゲームに参加した際、志半ばで倒れた師匠の意思を継ぎ、未だ誰一人として到達したことのない99連勝を目指すこととなる──。
本作は幽鬼のドライで俯瞰した視点から淡々と描かれる、既存のデスゲームものとは一線を画すものとなっている。
過激なスプラッタ表現はほぼナシ、絶望や恐怖による感情の揺さぶり、パニック要素もほぼナシ。
そのような場面は読み手の想像に委ねる形でライトにしつつ、冗長にならない文章に仕上げられている。
また、プレイヤーは全て美少女であり、毎度異なるコプスレをしてゲームに参加となる点はいかにもラノベ的。
しかし、キャッキャウフフな要素には乏しく、大半の少女はあっけなく退場していく点は非ラノベ的。
人の死すらもあっさりと扱い、もはや無機質ともいえる程淡々としたその内容は、独特の緊張感を醸し出し、気になる先の展開にページを捲る手が止まらなくなる力を持っている。
デスゲームものラノベとして非常に挑戦的な本作。試してみてはいかがだろうか。
感情タグBEST3
ドキドキハラハラ
やはり死亡遊戯の面白さはストーリーでもギャグでもなく鼓動を早くしてくれるようなハラハラですね
このようなハラハラ枠は従来なら初登場健気系(1巻金子、2巻蜜柑、4巻心音、5巻玉藻、9巻神楽)が担当していましたが、今回はほぼ既存キャラで、主人公含む全員に死亡フラグ(1巻との対比、10巻というキリの良い数字、95回目、このゲームが最後、密会全滅フラグ)が立っていて一番ハラハラしたかもしれません
Posted by ブクログ
あらすじやXの出場評にすっかり騙されてしまった。
個人的には9巻の人体売買がフラグになって、幽鬼が今回死んで死体が売られることになり、それを阻止するためエージェントちゃんがデスゲームに復帰する、死亡幽鬼で飯を食う第2部スタートという結末を想定していた。
けれど振り返ってみれば、既に6巻にて自分に打ち勝っている幽鬼が今更何かを恐れたりぶれることがあるはずもなく、真熊か意外と現実的で、藍里が強者感出していたけど既に格付けは終わっていて、たった三百人を相手に幽鬼が負けるはずも無かった回だった。
幽鬼を倒せないのと、船を極限状態に持っていき、同士討ちに持っていくという作戦は、これまでのどのゲームにおいても頭脳的で、逆に幽鬼からしてみてば圧倒的に冷静に考えればすぐにたどり着く結末で、それがとても美しく感じた。
これだけ数感引っ張ってきた密会がたった一つのデスゲームで崩壊して、尸狼が呆気なく死んだのは、きっと運営側の策略なのだろう。密会の存在に気づいて、幽鬼に跡形もなく片付けさせるよう仕向けた。そんな切れ者が、きっと最後に出てきた10歳くらいの謎の女の子、恐らく九龍なのだろう。
次回でラストということだが、幽鬼がデスゲームを99回クリアした後の選択。
クリア特典も絡んでくると思うが、それが一番の楽しみ。