【感想・ネタバレ】火狩りの王 〈三〉牙ノ火のレビュー

あらすじ

結界を破り首都に侵入した炎魔をなんとか食い止めた灯子たち。明楽は亡き兄の思いを胸に、願い文を届けるため神族の住む神宮に、煌四は〈蜘蛛〉の進攻を止めるため、自身が作った武器を手に工場地帯に向かう。しかし、一足先に天然の火を手にした〈蜘蛛〉の進攻は静かに始まっていた――。ひとり逃がされた灯子は燠火家の娘・綺羅と再会するが、彼女の前にも神族が現れる。彼らの狙いは一体何なのか。それぞれが戦いへと動き出す中、ついに千年彗星〈揺るる火〉が帰還する。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

人、神族、蜘蛛による死闘が始まり、目が離せない。それぞれが正義を掲げながら、世界の滅びに向かっている感がある。頭でっかちだけど、自分がしたことの大きさを理解した、煌四の言葉が印象的「この先の世界が、生きるのに値するものか、見てみたい。そんな世界が、もしほんとうにあるなら-ぼくも、見てみたい」。炉六の返答もすてきだ「ならば、生きることだ」

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2024年02月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

挿絵の緋名子ちゃん可愛い、と暢気なことを言っている場合ではない。

本当に見た目も大ごとに、そして様々な存在の様々な思惑が絡まり合って混沌としている首都。
それでいて絶対的強者もいないという。
神族ですら一枚岩ではなく、帰ってきた「揺るる火」すら迷える小さな少女だった。
この「揺るる火」の姿には本当に驚かされた。
この「揺るる火」すら絶対的強者になれないこの世界。
3巻まで読んでもまだ先が想像できない。
取り敢えず、灯子の目が治ったのは喜ばしいが……他は何も安心できないしなあ。
そういう意味では非常に苦しい読書だけれど、それでも読み進めちゃうのは、この作品の持つ魅力なのだろう。

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2023年03月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

揺るる火が帰還して物語が更に勢いづく。
読み進めるにつれて激化する争いにハラハラしながらもページをめくる手を止められない。
まだまだ謎めいた部分も多いけど、作り込まれた世界観に何度も魅せられる。

クンがひたすら可愛い!
可愛すぎて、修羅場でも、ホワッと癒しを感じてほのぼのしてしまう!!!
あの水の中に引き摺り込まれたときはどうなることかと思ったけど、やっぱり可愛い。
どうか、最後まで生き残って!と願わずにはいられない。4巻もたくさん登場しますように!

☆4.5

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2023年02月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

先が気になるという意味では面白いけど、新発見は特に無かった。なかなか前に進まないというか、人間が争いを繰り返す生き物でその世界を滅ぼすか生かすのかという話だけど、そのテーマがうーんってという感じ。普通というか…イラストが小野不由美さんの十二国記シリーズと一緒だから期待してるけど、どう終わるんだろう…。もっと自分の想像とは違う世界が見たい。

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2024年03月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

第二巻の勢いそのままに、炎魔との戦いから始まる第三巻。

↓ネタバレ↓

炎魔と戦うために集まってきた首都の火狩りたちが、クンが蜘蛛の子だとわかると途端に矛先をクンに向けて、炎魔をほったらかしにクンへ攻撃する様というのは「人間だなあ」と顔を顰めて思います。

善と悪・正と偽、状況や背景を考えずにどちらかを区別しようとするのは、火狩りだけじゃなく、すごく人間らしい思考というか、そういう人の多さに最近は疲れ気味でした。


人というのはどこかの組織に属して、
身内と外の人を隔たせて考え、
集団の意向と個人の思考と、何かの“考え”に正しさを見出して、
その正しさからはみ出さないように生きているものだと思う。
それをアイデンティティと呼ぶ場合もあるだろう。

灯子や煌四の、首都を守り、この世界を守り、〈揺るる火〉を狩るために姫神に手紙を届けて、存続させたいという仲間としての組織。
仲間を守りたいという気持ちからの行動。

神族、蜘蛛、人間、新人類という、
同じ枠組みのものとしての組織。
その組織として定められた正しさを全うするための行動。

ひばりのように、自分の信じるもの(自分が傷つけられたくないと思うもの)だけを大切にする考えからの行動。

どこを拠り所にするかで行動は変わるけれど、
個人個人にとってその行動は全てが正しいものなのだよね。
全てが何事もなく収まらないだけで。

自分の信念からの行動を変えることというのは、アイデンティティを揺るがしかねないから、なかなか変更することができない。
でも、それを変更できる人や、自分の行動が正しいものかどうかを振り返られる人というのは強い。
そしてそれができているのが灯子や煌四。

ひばりもまた、神宮へ向かう地下の中、新人類がクンを襲った時、それまでの思考と対峙しながらの行動が取れていたんじゃないかなと思う。

p.297
「……なにを選ぶのか〈揺るる火〉は決めることになるが、せめて最後は、これでよしの思える選択肢でなければならない。ぼくは、姉上を大勢のための犠牲にするのは、もういやなんだ」

やっとひばりの本音を灯子と煌四に漏らしながら、それでも最後の決定は〈揺るる火〉が決めると覚悟している。
その覚悟の中には、〈揺るる火〉本人が大勢のための犠牲になることを選ぶことも含まれていると、自分でも理解している言葉なのだと胸を打つものがある。

ビジュアル含めてひばりが好きです。

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2024年01月14日

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