【感想・ネタバレ】秘密にしていたことのレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

アジア系の大学教授の夫・ジェームズは
小さい頃からアジア系や日系が受ける差別を経験して育ってきた。
誰とも関りをもたず結婚するまで寂しい人生を送っていた。
そのせいもあり、娘に友達を作れ周囲に溶け込めと
しきりに言ってきかすようになる。

医師を志すのを諦めた子育て育児に精を出す妻のマリリン。
夫と同じ大学で出会い成績も優秀で医師を目指すために
頑張っていたがその矢先に妊娠が分かる。
そこからは医師を目指すのを諦め家庭に専念するようになる。
そして、その諦めは次第に娘に向き、娘に必要以上の
勉学や知識を与えようとする。

長女のリディアは父と母からの「愛」をたくさん受け、
それをしっかり受け止め次第に愛が重荷になっていく様が描かれている。
自分はいったい何のために勉強をするのか
リディアの学校にも残る日系やアジア系への差別
両親に勉強なんかしたくない
私は学校に友達なんかいない
そんなこと言えるわけがない

長男のネイスと次女のハンナは
長女の陰に隠れてしまうような生活を余儀なくされてしまっている。
どうして父と母は3人いる子供全員に愛を注いであげることができなかったのだろう
そう思ってしまう。

長女のリディアの死から物語は始まり、
家族はリディアという存在がいなくなり
均衡が破れたかのようにどんどん崩壊していく。

しかしその崩壊の中で
父、母、長男、次女、そして長女の
本当の気持ちが物語が進むにつれて明らかになる。

言わなくてもいい後で言えばいい
それは次第に重なり
最後には秘密になってしまう。

それが招いたものが長女の死だったのか

私はこの家族に限らず言わなくてもいい
分かってくれるだろう後で言えばいい
それが招く最悪のパターンを
読んでしまった気がする。

なんでも口にして思いを伝えることが大切だと気が付いた。

この家族の今後に幸せがありますようにと願ってたまらない。

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2023年10月25日

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