【感想・ネタバレ】女を書けない文豪たち イタリア人が偏愛する日本近現代文学のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

中学、高校のころは漫然と触れていた近現代の文豪たちも作品も大人になって読み返してみると、女性への解像度の低さに唖然とする。読み進めながら(んなわけねーだろ!!)とちゃぶ台をひっくり返したくなるような気持ちになるのだ。

これはある意味で現代に生きる女性たちから文豪たちへのカウンターとして生まれたブックガイドでもある。私が本書に取り上げられている作品のなかで読んだことがあるのは「舞姫」「こころ」「痴人の愛」「ヴィヨンの妻」あたりだが、やはり読んでいてツッコミどころが満載なのである。女性のことをなんだと思ってるんだー!と叫んでやりたい。イザベラさんが我々に変わって「おいおい!」とキレ味するどいツッコミを入れてくれている。この本は文豪とその作品の主人公にブーブー言いつつも本の内容を的確に紹介してくれているので、もちろん興味をそそられた。個人的には江戸川乱歩の『人でなしの恋『がとても読みたいと思った。こういう意味での「人でなし」なのかと衝撃を受けた内容だった。

近現代の文豪が描くまるで絵空事みたいな女性の捉え方に文句を言いたい人や、それを理解してもらいたい人は楽しく読めると思う。

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2022年12月25日

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