あらすじ
度重なるタイムリープ現象の解明に向けて動く和彦と翔香。そして徐々に明らかとなる、タイムリープ現象の輪郭。和彦の友人・関鷹志に協力を仰ぎ対策を練るも、導き出されたひとつの答えは、翔香にとって到底受け入れがたいものだった……。
緻密に組み上げられた時間のパズル。最後のピースが嵌まるとき、運命の秒針が動き出す――。
巻末には、ここでしか読めない作品の舞台裏を描いた新規書き下ろし「『タイム・リープ』の思い出」を収録。
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上巻終盤でタイムリープの法則が発見されて、下巻はするすると読めてしまいます。
あの時の思わせぶりな友人の態度はここから繋がっていたのかといくつも気づきがありました。
結末が冒頭に繋がることを示して終わりかと思いましたが、おまけの章でしっかりと着地が描かれていました。
ミステリとしても恋愛小説としてもSFとしても良い意味で軽めでバランスが良く読みやすい作品でした。長く愛される理由がわかります。
若松君に詰め襟着させ隊
私が隊長(自称)です。若松君が表紙(ブレザー)になっているので敢えて下巻でレビュー。
内容については言うまでもなく、タイムスリップ物としてもジュブナイル小説としても私の中ではダントツの名作です。
★5確定です。ぶっちゃけ内容は他の方のレビュー読んでください。
問題はイラストで…
新装版でイラストが一新された(実際にはカバーイラストのみ)との事で期待したのですが、修正されていませんでした。
本文(上巻)を「詰め襟」検索すれば分かる通り、若松君の制服は「詰め襟」なのです(電子書籍って便利ですね)。
同様に「ブレザー」で検索すると、翔香(名前が既に「時をかける少女」)の部屋に紺のブレザーが掛けられているとの描写が見つかりますので、彼らの通う東高の制服は男子が詰め襟、女子がブレザーだという事が分かります。
なぜそんな制服設定なのかというと、恐らく東高が「もともとが男子高だった」ため(「男子高」で検索)、と思われるのですが…
これは旧作以来の不具合(?)なので、一概に今作のカバーイラスト担当者を責めることもできないのですが、これのために今作カバーの若松君は「自前で女子用ブレザー買って着ている痛いヤツ」になっちゃってるんですよ。何とかしてください。編集担当者様。
まぁ、上下巻セットのカバーイラストはセンスいいし、時代的にもう男女共ブレザーでいいっちゃいいんですけど…本文に「詰め襟」って明記されちゃってますからね(当初、今作で本文が修正されたのかと思った)。
ちなみに旧作の若松君は長髪メガネでちょっとオタクっぽい(某光画部の鳥坂先輩風な)外観だったので、個人的に今作のイラストは大分好感度アップしています。
前述の通り、内容は★5です。基本的にイラストも含めて評価するのが信条なので、それ込みだと★4(理不尽)なのですが、イラストの絵自体に不満はないし思い入れの深い作品という事もあり、今回ばかりは節を曲げて★5を付けさせてもらいます。
次回は是非とも本文とイラストの一致をお願いしたいところ。
Posted by ブクログ
伝説の作品の新装版!という煽りに惹かれて購入。恥ずかしながら元は知りませんでしたが30年近く前に書かれた作品とは思えない、今読んでも綿密に練られたストーリーと鮮やかな伏線回収に感心できるSFミステリです。年代的に主人公たちと同世代になるからかもしれませんが、時代性を感じるのはスマフォがないため電話ボックスやテープ、レコーダーを駆使しているところくらい。あとは違和感なく物語に没入できました。冒頭とラスト、作者本人が蛇足と言う「おまけ」におけるリープの解釈は分かれそうですが伝説というのに相応しい名作です
Posted by ブクログ
最初の日曜日の事件が思いの外、胸くそ悪いやつだったことにビックリしたが、下巻を最後まで読んで、上巻を確認して、物凄く綺麗に纏められた作品だったと感服しました。
あとがき(「『タイム・リープ』の思い出」)にあるように、「おまけ」があるかないかで物語の余韻がだいぶ違うが、個人的にはあってよかったと思う。
もちろん、なかったらなかったで、よりループ感が増して物語の構成力が凄かったと唸るしかないという印象で終わるが、物語的にはあった方が読後の余韻を感じられ、翔香がタイムリープを乗り越えるというカタルシスを感じられてgood。スッキリした。
「お帰り」と「ただいま」の締めかたも良かった。
いやぁ~、本当に素晴らしい作品でした。
文句なしの星5。
Posted by ブクログ
こんなにもぴったりとハマるなんて。帯の言葉って言いすぎでしょ、っていうのも多いけれど、全く誇張されていなかった。
綺麗に最初に戻ってくるのがとても気持ちいい。すぐにもう1周読みたくなる。
そして本筋に加え、和彦と翔香、鷹志のやりとりが面白い。「たまには負ける方が人間が大きくなる」、なんていい言葉なんだろう。
Posted by ブクログ
タイムスリップ、タイムリープが扱われた作品は何作か読んだことはありましたが、ここまできれいに何もかもがはまることがあるのかと感動しました。
きれいに物語が一周して、最後が冒頭に戻ってくる快感は今までにはなかったものでした。本当に細かいところまで組み上げられていて、特に私が驚いたのは月曜日の朝に翔香が飛んだとき起き抜けの翔香に対して母親が、二日酔いじゃないの、という台詞があって、はじめそこを読んだときに変な台詞だなと思っていたのですが、それが翔香が日曜日の夜に飛んだとき、眠れないためにお酒を飲んだ場面につながったとき、本当に驚きました。
Posted by ブクログ
下巻ではどうして翔香がタイムリープしてしまうようになったのかが解き明かされ、展開も早くハラハラドキドキしながらあっという間に読み終えてしまいました。とにかく翔香と和彦が無事で良かったぁ( ;ᵕ; ) 上巻の始まりと下巻のラストが好きでお気に入りです♪ ページ数も多くない作品なので読みやすいと思います。面白かった(っ ॑꒳ ॑ )b
Posted by ブクログ
面白かった! 新装版が出るだけのことはありますね……! ストーリーはさすがにライトですが、タイムリープの動きが実に緻密に構成されており、矛盾の無いように組み立てるには相当神経を使ったのだろうと舌を巻きました。正しい時間軸に沿って各エピソードを並べ替えて読んでみたくなりますね。筆者が後書きで述べているように、主人公の挙動不審さが際立ちそうですが(笑)
それにしても若松くん、キレッキレだな……。そして協力者の関くんの人間ができすぎてて怖い……。
Posted by ブクログ
タイムリープもののミステリーは初めて読みましたが、「あの曜日のこの時間帯は何があったのか?」と先が気になる連続で読む手が止まらなくなる作品でした。
あとがきにもありますが、個人的には分岐であるオマケはアリだと思いました。
Posted by ブクログ
鹿島翔香
県立東高の二年生。
タイムリープ現象に遭遇する。
若松和彦
翔香のクラスメート。トップクラスの秀才。
鹿島若子
翔香の母。
鹿島英介
翔香の父。
藤岡貢
地学の教師。四十五歳。
香坂賢一
級長。
水森優子
翔香の友人。一年のときから同じクラス。
村木良雄
翔香の隣の席。
三原知佐子
翔香の友人。
矢内幹代
翔香の友人。
横山清史
地理の教師。
中田輝雄
英語の教師。二十七歳。独身。
羽村誠太郎
生物の教師。
海野久子
数学の教師。五十一歳。
魚住俊一
英語の教師。三十四歳。
石田健児
生徒会長。
西田昌代
養護教諭。二十七歳。
関鷹志
和彦の親友。柔道部。父親が刑事。
川中邦雄
柔道部顧問。体育の教師で柔道六段の猛者。あだ名は竜。
若松美幸
和彦の妹。