あらすじ
その夜、僕の青春は〈炎〉とともに産声をあげた――
スマホを忘れて夜の学校に忍び込んだ在原有葉(ありはらあるは)は、屋上を照らす奇妙な光に気づく。そこで出会ったのは、闇夜の中で燃え上がる美少女――伊藤衣緒花(いとういおか)だった。
「もし言うことを聞かないのなら――あなたの人生、ぶっ壊します」
そんな言葉で脅され、衣緒花に付き合う羽目になった有葉。やがて彼は、一見完璧に見えた彼女が抱える想いを知っていく。モデルとしての重圧、ライバルとの対立、ストーカーの影、そして隠された孤独と〈願い〉。
「……僕は衣緒花のことを、もっと信じるべきだった」
夢も願いも青春も、綺麗事では済まされない。〈悪魔〉に憑かれた青春の行き着く先は、果たして。
目次
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序章 屋上のバースデーキャンドル
第1章 この学校にはティラノサウルスがいる
第2章 エクソシストはまた明日
第3章 寿司のちチョコミントアイスクリーム
第4章 リバーサイドで嘔吐して
第5章 あなただけの特別な
第6章 マーブル模様は夜の水深
第7章 ゴミ、タオル、ベッド
第8章 ひとりぼっちのストロベリーリング
第9章 心が求めるものすべて
第10章 石に落ちる星
終章 オーバードライブ
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感情タグBEST3
Posted by ブクログ
悪魔が関わる話って、大体本人の内なる願いとか契約とかが関係しているから、読んでいて面白いし、感慨深い。
衣緒花の願いは自分を見て欲しいこと。
アイドルや読者モデルとかは、ステータスだけが見られがちで、なかなか内面を見てくれることはないだろうから、そういったところに苦しさがあったのかな。
ただでさえ、両親の反対を押し切って上京してきたくらいだし、余計に衣緒花にとって自分を見てくれて支えてくれる存在を欲していたのだろうな。
Posted by ブクログ
現役モデルで悪魔に憑かれた伊藤衣緒花。ふとしたきっかけから、在原有葉が彼女を救うべく奔走する物語。
すべての歯車は必ずしもうまく噛み合わない。しかし、ひたむきな努力を通じて確実に成果を掴み、完璧で無くとも、確実な足跡を残してゆく姿はまさに青春。傑作と思う。
現役モデルとしての自身の目標に向け、弛まない行動を続ける伊藤衣緒花がカッコ良い一方、所々で人間らしさを垣間見せてくれる所が可愛らしく、2面性が印象的。
他には、佐伊さんが非常に達観しており、個人的にツボでした。次巻以降で、またきっと大活躍してくれるに違いないと思っています。
面白いけど何か足りない感
美少女に悪魔取り憑いてて、主人公が相談役・悪魔祓いとして関わっていく話。っていうと人を選びそうだけど、内容はかなり恋愛ものとか青春もので、ヒロインが夢に向けて頑張っていく物語がメイン?かな。
ただこの一巻だけだとモデル美少女が学校にいたり、主人公の背景とか一切わからないけどなんか色々知ってたり、分からない足りない部分を感じる。
かなり読みやすい一冊になっているぶん、ヒロインの魅力はある程度伝わるけど、主人公の魅力やどういう人間なのかがあまり伝わらないまま終わってしまった。