あらすじ
捜査一課の巡査部長、事件に遭遇しましたが育休中であります! 男性刑事として初めての長期育児休業を延長中、1歳になる息子の成長で手一杯なのに、今日も事件は待ってくれない!?
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Posted by ブクログ
「ピンボケパパ」
保育園が決まるまで育休延長となり、ハルは育休刑事から育休延長刑事となった。捜査一課の刑事として復帰するためには実績を上げなければならず、育休中でも捜査に引っ張り込まれている。
「子供を連れていると周囲の景色の解像度が上がる」(p33)とハルは云う。最初の事件では蓮くんが指さした本から犯人の動機が明らかになった。刑事だけなら見過ごしていたかも知れない「物証」だ。
前作の感想でエピソードゼロが読みたいなどと書いたが、「父親刑事」では途中まで蓮くん誕生のお話であることに全く気づかなかった。解像度の低いことである。
沙樹さんが産気づいた時、恐怖心からハルにメールを送った。捜査が大詰めを迎えた折にである。沙樹さんはそれを気遣い自らメールを削除した。自分の子供は幸い元気に生まれてきてくれたが、このときのハルの葛藤は痛いほど理解できた。価値判断の尺度を他人に預けてしまうと逡巡が生まれてしまう。自分にとって都合のよい根拠を並べて立ち向かうべき現実から目を逸らしてしまうのだ。結局「同僚」からの白眼視に耐え、ハルは沙樹さんに寄りそうことができた。自分にとって一番大切な物のために行動した。そんなハルに拍手を送りたい。
これまで上げた実績、関わってきた捜査員たちの支持もあってハルは育休延長刑事から晴れて時短刑事となった。(茶木刑事がハルの捜一復帰を支持したのは「吉野先生のご令弟だから」という理由もあったろうが)
シリーズはまだまだ続きそうで楽しみである。
蛇足ながらテレ朝ドラマ好きの解像度で気づいたツッコミをひとつ。
法医学者なら沢口靖子ではなく、若村麻由美である。
併せて読みたい
「ミステリと言う勿れ」/田村由美
Posted by ブクログ
育休延長中の秋月春風刑事。刑事が育休を取ること事態白い目で見る同僚や先輩達の中で肩身が狭い思いをしていた。そんな中、上司から赤ちゃんが絡んだ事件の相談を受け…
育休中だからこその視点で事件を見れる春風の推理と、それに姉の涼子のスパイスがピリリと効いてナイスコンビです。
育休明けに自分の居場所があるかハラハラしている春風でしたが、今度は時短刑事となり今後の活躍に期待です!