あらすじ
大阪から横浜へ越してきた小学生の大貴は、マンションで同い年の真吾と出会う。性格は全く違う2人だったが惹かれあい、親友に。やがて高校生になった2人は、雑誌の読者モデルをきっかけに芸能活動をスタート。 同居も始めるが、真吾だけがスターダムを駆け上がっていくことで2人の仲は決裂してしまい……。ステージという世界の魔法、幻想に魅入られた幼なじみの2人の青年の愛と孤独を鮮やかに描いた、作家・加藤シゲアキの原点となる青春小説。
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Posted by ブクログ
あの加藤シゲアキさんのデビュー作だと知って即購入しました。舞台は芸能界、死が絡む少し重い話ですが作者が現役アイドルだからこそ書ける作品だと思い、読み終えたあとは満足感がありました。作品を構成する章の名前が、「ジンジャエール」「赤ワイン」など飲み物になっているのもオシャレだな〜と。
Posted by ブクログ
※読む前の方は、以下レビューは読まないことをおすすめします。
ネットでたまたま他の本を購入した際に、へぇアイドルさんが書いたの!しかも芸能界の話?!と興味をそそられ(と言っても、そのアイドルさんを、名前を言われても顔浮かばないレベルの知識なのですが。。さすがにグループ名は知ってます。)、同時購入してみた作品。実は結構前の作品だったのね。
そして、そんな前情報があった影響も多少あるのかもしれないけど、なんか良い方に裏切られた、というのが正直な感想!!
通常、小説は号泣本にしか☆5は付けないんだけど。
この本は、号泣するようなドラマはない(と私は思う)のだけど、なんというか、独特の空気感と構成・結末等の斬新さがあったなと個人的には感じて、ちょっと感心?し過ぎて☆五つ。
まず、まさかのイキナリ自殺来るとは思わないし、カリンのキャラよ!!だし、お姉ちゃんの裏話とか最後の視点の入れ替わり(というか混ざり合いというか。)も、死の示唆も、ホントどういうこと!!!という感じで、でも、流れる思想というか空気感は終始一貫していて納得感あって。
感情とは別のところの、感覚?的なところで、面白かったです。
Posted by ブクログ
加藤シゲアキが書いたという理由で手に取った。どんなもんなのか読んでみたかっただけだった。面白かった。でもモヤモヤが残った。後半にショックを受けてからは流れが早くてすぐに読み終えてしまった。説得力があった。幼い頃から芸能界、しかもジャニーズであった人が書いたもの。芸能界ってそんな感じなんだなって。なんであの人は自分で死を選ぶのかなって思っていたけど、理由はこういうことも一つにあるのかなと思えた。姉のことも最後のりばちゃんが演じていた映画もわからない。よくわからないまま終わった。スッキリ!ハッピーエンド!ではなくモヤモヤ終わったけど、楽しめた。
Posted by ブクログ
芸能界の、妖しさを纏った光に呑み込まれた彼ら。転げ堕ちていく事は選べず、自分をある意味で「伝説」として人々の記憶の中に留めようとした、主人公ふたり。
なんで選んだのがそんな最期だったのか、その思いをトレースしていった追体験の表現が凄すぎて、加藤さんのこの作品に対する本気が伺えた。
Posted by ブクログ
前半の幼少期~高校くらいまでが長く、読むのにだいぶ時間がかかってしまった。だが、そこの部分がしっかり描かれているからこそ、主人公に対する解像度が高くなりどんどん物語にのめり込んだ。率直に面白かった。
舞台に魅せられたごっちのお姉さんも、ごっちも、主人公も、後を追うように自ら命を絶つところにゾワッとした。(主人公が命を絶ったという直接的な描写はないけれど、最後の数ページで主人公の死を感じた。)
Posted by ブクログ
ごっちが本当はどう思ってこんな行動をとったのか、どんな気持ちを抱えながら生きていたのかなんて分からないけど、残された者、託された者は断片をつなぎ合わせてその人を作り上げていくしかないんだよなぁ。そうやって理解しようとしなきゃ上手く生きられないのかもしれない。
Posted by ブクログ
「ピンクとグレーはBLモノだ」と言われて(そんなことはなかったです!!)嫌悪感を抱いていましたが、チュベローズを読んで「シゲの他の本読んでみよう」と思ったのでこの本を手に取りました。
最初は現在、過去、現在…という構成がとても読みにくくて面白くなかったんですが、ごっちが俳優として売れ始めてからははまって読みました。
新居探しで二人が揉める描写はすれ違っている様子がとても伝わってきました。
映画でりばちゃんがごっちの役をやる、撮影するところの書き方は「この物語をりばちゃんがごっちに同化していきながら撮影してます」というのもそうですが、私は「この映画を映画館で観ている」という感覚で読みました。最後はちょっと泣いてしまいました。
実際に映画化されているので、映画の方も見てみたくなりました。
Posted by ブクログ
幼い頃から仲の良かった友達2人の話。
2人が売れっ子芸能人と芸能活動はしてるものの日の当たらない一般人となり、そこに生まれるお互いの葛藤や想いが描かれている。
最後のごっちとりばちゃんの2人が重なり合う芝居のところは、もはやどっちの立場で読めばいいのかわからないくらいの描写で引き込まれました。
Posted by ブクログ
ごっちが自殺するまでが長い。退屈。そこまでおおよそ半分。そこから後はスムーズ。チュベローズのような滑らかさ。
芸能界に埋もれて、そこで生き抜くしかない、やらないはない、歪まない自分と歪ませた自分、憧れた世界と平凡だった世界への憧れ、どちらの世界にも捨てられないもの、どっちつかずは出来なくてすごくもがき苦しんでる様が芸能界にいる彼だからこそ描けた世界観なのかなと思った。