あらすじ
鬱蒼とした森に覆われた謎の施設で、何不自由ない生活を送っていたサブロウ。
ある日彼は、自分が何者であるかの記憶すらないことに気づく。
監獄のような施設からの脱出は事実上不可能、奇妙な職員は対話もできず、どこか不気味なロボットのようで……。
サブロウは諜報担当のエリザ、戦略家のドック、メカニックのミッチと協力し脱出計画を立ち上げる。
脱走劇の末に彼が直面する、驚愕の真実とは?
鬼才・小林泰三の遺作となった脱獄SFミステリ。
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Posted by ブクログ
老人ホームのような施設で暮らすサブロウ。
どれだけ考えても過去の記憶がない。
年寄りだから仕方がない・・にしてはおかしい。
謎を解くために仲間を作って脱出を試みるも、記憶をなくして施設に戻される、の繰り返し。
面白かった。
これが遺作とはなんとも残念。
Posted by ブクログ
森に囲まれた施設で何不自由ない生活を送っていた老人サブロウは自分の過去に関する記憶が残っていないことに気付く。周りの老人たちも同じような状況であることを知ったサブロウは偶然にも自身の日記帳に脱出を促す何者かのメッセージを見つける。この施設が監獄である疑いを持ったサブロウは仲間を集め脱出を試みるが森の先にあった光景は想像を絶するものだった・・・。
長編として小林泰三氏の遺作となった作品。車椅子生活を送る老人たちが施設からの脱出を図るスリラー小説だ。そして本作はSF小説である。主人公のサブロウは20世紀生まれで100歳を迎えているのだが記憶の片隅には21世紀の記憶どころか22世紀の残像が残る。タイトルは「未来からの脱出」、本当の戦いは森を抜けた光景を見た後に始まる。