【感想・ネタバレ】残された人が編む物語のレビュー

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Posted by ブクログ

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民間団体「行方不明捜索協会」に家族や身近な人の捜索を依頼した人の物語5編を収録。各短編に直接の接点はないが、職員「西山」が4つの短編で依頼者の担当となり、残り1篇では彼女自身の捜索物語となる。

身近な人がある日消息を絶ち、あるいは久々に会おうとしたら行方知れずになっている絶望感。接点がなくなっているということは、円満な関係を継続できなかったということなので、それぞれ曰くがあるわけで、小説としてはそのあたりの曰くが読ませどころ…というかメインテーマになる。

そういうテーマだから、ほぼどの物語も明るいものではない。しかし、どの物語も余韻は悪くない。
しっかりきちんと生きていこう、とか、身近な人や接点を断ちたくない人とはしっかり向き合っていこう、とか、そういう風に思えたことが良かった。

残された人が編んだ物語ではあるが、消息を絶った人も彼らからすれば、幸せな世間から接触を断たれた不幸な側に「残され組」ともいえるわけで、彼らには彼ら目線の物語があるんだろう。どこの誰にでも物語はある、語られない見えないその物語も貴重なんだろうなぁと思う。

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2022年10月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 アイデアは巧みだな。こういう感じでたくらむとは。
 一つ一つ読ませるし、最後に連作的なまとまりが来るとは。
 生きることは修業か。

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2022年11月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

まぁ見事に皆様お亡くなりで。。。
3章目のみ共感できなかったけど、
あとはしみじみ故人を偲ぶお話で
じんわりしました。
シリーズ化できると思う

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2022年09月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

兄弟、友人、配偶者、上司、親...もし身近な人が失踪したらどうしよう?本作は失踪者を追う5話のケースが書かれているが、特筆すべきはどの話も失踪者は死亡していたという事。どこかで人生をやり直していた、なんてケースはゼロ。かなり現実的だ。はじめの2話くらいは実直すぎる展開ゆえか「ふーん...」という感想であまりそそられなかったが、読後はじわじわ沁みる思いが押し寄せる。作中では「どのようにして亡くなったかの事実がすべてではない。物語を作って供養する」とある。そんな静かな優しさがにじむストーリーとなっている。

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2022年07月28日

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