【感想・ネタバレ】残された人が編む物語のレビュー

あらすじ

消えてしまったあなたへ――
突然の失踪。動機は不明。音信は不通。
足取りを追って見えてきた、失踪人たちの秘められた人生。
喪失を抱えて立ちすくむ人々が、あらたな一歩を踏み出す物語。

主婦の上田亜矢子は、疎遠だった弟・和也が消えていたと知り驚愕する。
行方不明者捜索協会に依頼して、担当になった西山静香と、和也の行方を追うことに。
和也と時間を共にした人たちから聞かされる話は、亜矢子が知っていた弟とは違っていて……(「第一話 弟と詩集」)。
捜索のはてに、彼らがみつけたものとは。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

民間団体「行方不明捜索協会」に家族や身近な人の捜索を依頼した人の物語5編を収録。各短編に直接の接点はないが、職員「西山」が4つの短編で依頼者の担当となり、残り1篇では彼女自身の捜索物語となる。

身近な人がある日消息を絶ち、あるいは久々に会おうとしたら行方知れずになっている絶望感。接点がなくなっているということは、円満な関係を継続できなかったということなので、それぞれ曰くがあるわけで、小説としてはそのあたりの曰くが読ませどころ…というかメインテーマになる。

そういうテーマだから、ほぼどの物語も明るいものではない。しかし、どの物語も余韻は悪くない。
しっかりきちんと生きていこう、とか、身近な人や接点を断ちたくない人とはしっかり向き合っていこう、とか、そういう風に思えたことが良かった。

残された人が編んだ物語ではあるが、消息を絶った人も彼らからすれば、幸せな世間から接触を断たれた不幸な側に「残され組」ともいえるわけで、彼らには彼ら目線の物語があるんだろう。どこの誰にでも物語はある、語られない見えないその物語も貴重なんだろうなぁと思う。

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2022年10月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 アイデアは巧みだな。こういう感じでたくらむとは。
 一つ一つ読ませるし、最後に連作的なまとまりが来るとは。
 生きることは修業か。

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2022年11月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

まぁ見事に皆様お亡くなりで。。。
3章目のみ共感できなかったけど、
あとはしみじみ故人を偲ぶお話で
じんわりしました。
シリーズ化できると思う

0
2022年09月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

行方不明になった家族、友人、お世話になった人たちを探す5つの物語。
行方不明者捜索協会のスタッフに手伝ってもらいながら探しだしたその人たちはみんなそれぞれの理由で亡くなり警察の身元不明者となっていた。
なぜこうなったのか。どんなふうに生きてきたのかを辿っていく。
真実とは限らなくても、生きていた証の物語が綴られていくのは慰めになるように感じる

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2025年07月12日

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