【感想・ネタバレ】構築された仏教思想 法蔵 「一即一切」という法界縁起のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

「彼の教学は智儼の持っていた柔軟性を失い、さまざまに亀裂の入った教学になってしまった・・・」 法蔵を異端としてとらえ、批判的な観点から解説している。言い過ぎと思うところもあるが、新しい気づきをもらった。

◆学んだこと
○法蔵のよくないところって?
人のことを気にする弱さ・・・唯識や禅へのライバル心 →フフフ
無窮を認めたこと・・・論理的な破綻 →アハハ
実践性が薄い・・・禅を無視したせいか、信の域を出ていない →???

法蔵は菩薩行を前提にして説いていると思う。
また、禅だけでは行にならないのでは?

○重々無碍の説明スキーム?
十玄縁起無礙法の流れ
異体門相即・相入→同体門相即・相入→重々無碍

異体・同体とも重々無碍と考えるのか?
同体と見るから重々無碍なのか?
分別→無分別→重々無碍

後得智ならば逆に見る?
重々無碍→同体門相即・相入→異体門相即・相入

同体は不待縁だから、「縁起因門六義法」の以下。
1.空・有力・不待縁
4.有・有力・不待縁 例)籾種に一切が含まれる

次に異体は待縁だから、以下。
2.空・有力・待縁
3.空・無力・待縁
5.有・有力・待縁
6.有・無力・待縁

○法蔵のいう「智」とは?
不可説の果分に対して、縁起因分を語ることのできる智慧 (P106)

異体門相即の中で用例が多い。
智+法界縁起=縁成の世界(相互関係)

以下、参考。
『華厳経』の註釈である『華厳経探玄記』を書いた賢首(げんじゅ)大師法蔵(643年 - 712年)によれば、智を第十度、慧を第六度にあてて、この中の「智」は因果、順逆、染浄などの差別を決断する作用であるといって「智」を決断作用とし、「慧」は諸法の仮実、体性の有無などを照達することであるとして、それを疑心を断じ、しかも事物そのものを体験的に知ることであるとしている。 (Wikipedia 般若)

なるほど。

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2011年08月13日

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