あらすじ
※本書は、角川書店単行本『黄金列車』を加筆修正のうえ、文庫化した作品となります。重複購入にご注意ください。
ハンガリー王国大蔵省の職員・バログは、現場担当としてユダヤ人の資産を保護・退避させるべく「黄金列車」に乗り込む。財宝を狙い近づいてくる悪党らを相手に、文官の論理と交渉術で渡り合っていくが――。
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Posted by ブクログ
まず正当性がない業務を、淡々とルールに則ってこなしていく、無秩序の中の秩序が滑稽でもありどこか愉快でもあり。こんな小説を書けることに感嘆。登場人物の名前が似たり寄ったりで最後まであやふやだった。
Posted by ブクログ
ユダヤ人の没取財産を機関車で国外に退避させる道程が普段の仕事や生活の延長線上のように描かれており、そこが読んでいて楽しいところでもあれば辛さが増すところでもある。文章がいつも以上に削ぎ落とされている気がするが、その分バログの夢、夕陽に照らされるアヴァル達といった叙情的なシーンが妙に印象的だった。とりわけラストはよかった。
「また会うことも、ひょっとしたらあるだろう。その時には聞かせて欲しい。一体どうやって全てを奪った海賊船を追い、目当てのものを取り返したのかを。」
Posted by ブクログ
第二次世界大戦末期、ロシア軍が攻めて来る中、ユダヤ人から没収した財産を記者に積み込んだ黄金列車がブダペストを出立する!
主人公は大蔵省の官吏のバログ
武力も無く、権力もなく、誰が敵か解らない中、知恵と機転だけで窮地を乗り越えていかなければならない!
黄金列車はユダヤの財貨を守り抜いて終点へ辿り着けるのか!!!???
黄金列車のバログ現在と、妻を失くすまでのバログの物語が混沌と混ざりながら進みます。
本作の作者の本は多少の読みにくさはあるものの読み手を引き摺り込む何かがある!
Posted by ブクログ
WW2末期、ナチス支配下のハンガリーの財務官バログはソ連軍が迫る首都からオーストリアに向けて国が保有する資産を運ぶ任務を遂行する。その資産とは、ユダヤ人から没収したものだった。
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佐藤さんの東欧戦争ものは「ミノタウロス」に続いて2作目です。こちらは史実にもある、ユダヤ人の没収資産を輸送する黄金列車を描いた小説です。
莫大な物資と関係者をソ連軍が来る前にどうやって運び出すのか、その様子と、ナチスが政権をとって次第にヨーロッパ全体が恐怖に包まれてゆき、バログの友人のユダヤ人が追い詰められてゆく様子が交互に語られて、佐藤さんの文章もあいまって緊張感のあるままラストに向かって突き進みます。
しかし「ミノタウロス」を読んだ後だと、正直なところあまり迫るものはありませんでした。史実をベースにしているということもあるのか、思ったよりもさらりと終わった印象でした。
Posted by ブクログ
題名のとおり
ハンガリーの大蔵省が
ユダヤ人から取り上げた財宝を安全な場所に
移すための列車
それに乗り込む職員や、その家族
戦争の真っ只中
さまざまな襲撃にあいながら
止まる駅や、その町の人々との関わり
いったいなんのために
これを命懸けで運ぶのか?
主人公が失った過去の幸せなど
心の回想を挟みながら
物語は進んでいく
ユダヤ系の友人家族の悲惨な結末が
当時の歴史をあらわしている
思い出のアパートにも戻らないつもりで
黄金列車に乗った主人公
自転車だけを持ってこれからどうするのか?
激動の歴史の中では
思いもよらぬ、人生がある
どっぷり歴史の渦の中に旅してみた