あらすじ
!!!【2022年3月NHK Eテレ「100分de名著」】!!!
ミステリーの原点がここに。――ポー新訳2冊連続刊行!
世界初の推理小説「モルグ街の殺人」、史上初の暗号解読小説「黄金虫」など全11編! 解説「ポーの死の謎に迫る」
彼がいなければ、ホームズもポワロも金田一も生まれなかった――世界初の推理小説「モルグ街の殺人」。パリで起きた母娘惨殺事件の謎を名探偵デュパンが華麗に解き明かす。同じく初の暗号解読小説「黄金虫」や、最高傑作と名高い「盗まれた手紙」、死の直前に書かれた詩「アナベル・リー」など傑作を全11編収録。ポーの死の謎に迫る解説や用語集も。世紀の天才の推理と分析に圧倒される、新訳第2弾!
【ポーの傑作ミステリー+詩】
世紀の天才のメジャー作から知られざる名作まで全11編
モルグ街の殺人 ”The Murders in the Rue Morgue” (1841)
ベレニス ”Berenice” (1835)
告げ口心臓 ”The Tell-Tale Heart” (1843)
鐘の音(詩) ”The Bells” (1849)
おまえが犯人だ ”Thou Art the Man” (1844)
黄金郷(エルドラド)(詩) ”Eldorado” (1849)
黄金虫 ”The Gold Bug” (1843)
詐欺(ディドリング)――精密科学としての考察 ”Diddling” (1843)
楕円形の肖像画 ”The Oval Portrait” (1842)
アナベル・リー(詩) ”Annabel Lee” (1849)
盗まれた手紙 ”The Purloined Letter” (1844)
作品解題
ポーの用語
ポーの死の謎に迫る
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
今まで読んできた日本の推理小説に度々登場する作家エドガー・アラン・ポー。
やっと読むことができました。
「モルグ街の殺人」は、世界初の推理小説とされ、1841年と今から180年も前の作品です。
冒頭の部分は少し読みづらいですが、トリック自体は斬新で面白かったです。
他にも、暗号解読や推理ものがあり、楽しめました。
Posted by ブクログ
ポー傑作選2 怪奇ミステリー編
『モルグ街の殺人』
著:エドガー・アラン・ポー
訳:河合祥一郎
令和4年 角川文庫
角川文庫から出ているエドガー・アラン・ポーの傑作選。怪奇ミステリーが沢山集められていて、面白い話が沢山。
何作かに登場するデュパンは本当にスマートで、ホームズのモデルになったと言われても納得なキャラクター。
巻末にはポーの死の真相に迫る文章もあって、面白い。
Posted by ブクログ
某理由から『ベレニス』を再読したくて、どうせならと登録しました。
実はちょっと前に一読している短編集なのですが、初読ではお話についていくので精一杯だった覚えがあります。新潮文庫ミステリー編と比較すると、詩を含めてマイナーなのが結構載っています。
記憶薄めの感想をいくつか
『告げ口心臓』
前も思ったけど、被害者と犯人はどういう関係?読み飛ばした? その時は罪悪感のある等身大の人間だなんだとか書いたが、ふつうに異常な感覚神経の持ち主ですね。
『ベレニス』 【ネタバレ注意】
ポーこそが死者蘇生のモノマニアではないかというくらい鉄板ネタ。偏執狂の語り手はベレニスに対する恋慕の情はなく、あくまで分析対象であることが強調されているのがポイントか。1835年の作品なので、何気に犯罪小説などを除いて○○が犯人の元祖だったりする??
『詐欺-精神科学としての考察』
どの国どの時代にも巧妙な詐欺を考えつくやつはいるもんですね。
『楕円形の肖像画』
ドッペルゲンガーを扱った『ウィリアム・ウィルソン』と同じく、短編ながら前衛的というか着想が凄いですよね。
残りの80ページくらいに作品解題とポーの用語集あり。満足度アップ。
Posted by ブクログ
ポーの作品といえば、史上初の推理小説と言われ、表題にもなっている「モルグ街の殺人」が有名で、実際読んだことがあるのはその作品だけだったけど、他の作品を読んでみてこの著者の後世に与えた影響の大きさがよくわかった。
特にホームズシリーズを連想とさせる記述が多く、「盗まれた手紙」はボヘミアの醜聞を彷彿とさせるし、ホームズシリーズで好きだった「踊る人形」は思い切り「黄金虫」の暗号解読術を引用していたのでびっくり。
江戸川乱歩的な怪奇さもあり、なるほど魅力がある推理小説家です。
ただ、途中に何個か挟まれている詩の必要性がまったくわからない...。
Posted by ブクログ
これの感想時間が無くてかけてなかった。
読書垢をはじめてついに100冊目ということで、せっかくだから記念的ななにかを読みたいなと思い手に取ったのがモルグ街の殺人。
いまからおよそ200年前にかかれたというこの作品、今までまったく知識もないまま、名前だけりを知っている状態だったので、どんなものかお手並み拝見という気持ちで読み始めたものの、これだけの質のストーリーがこの時代にあったのかと、度肝を抜かれた。
ちょっと真相には笑ってしまったけれど、予想外の結末という本格ミステリさながらの締め方で個人的には好印象。
そしてこちらも史上初の暗号小説ということで黄金虫。
所謂シーザー暗号的なものだったけれど、ぎりぎり素人にもわかる暗号を、宝探しのための暗号として作ってあるから、これは当時子供たちにも人気だったのかなと思ったり。
この方の翻訳は三部作になってるようなので、1と2もいずれまた。
Posted by ブクログ
ミステリーの原点とも言えるポーの作品。
これはあまりに斬新すぎる犯人…!古い作品なので正直期待は薄めだったけど、180年も前のミステリーに度肝を抜かれるとは。。
人為的なトリックも好きだけど、期せずしてこうなった、みたいな謎解きも好物です。
Posted by ブクログ
世界初の推理小説『モルグ街の殺人』
小学生のころの児童書で初めて読んだときは、意外な真相におおいに驚いたのを覚えています。今回改めて読んで、推理小説というもののかたちはこの時点ですでに完成していたのだと感じました。
狂気的な殺人現場、バラバラの証言、消え失せた犯人……。それを解くのは理屈っぽい名探偵とその相棒。
不気味で不可思議な事件に、キャラのたった名探偵が相棒とともに挑む。今なお続く探偵小説のフォーマット。それがこの時点で完成していたことがそう思った理由ではありません。奇怪な真相に至るまでのロジックの組み立てが、しっかりと本格ミステリらしく作り込まれているからです。
不可能なものを排除していって、残ったものがどんなに信じられないものでもそれが真実である。
これはホームズの言葉だけど、推理小説の元祖である『モルグ街の殺人』から今に至るまで、この言葉がミステリの歴史に脈々と受け継がれているのだと今回改めて感じました。そう考えると感動もひとしおです。
『モルグ街の殺人』以外のポー作品は初読。『モルグ街』以外での有名どころは暗号小説である「黄金虫」や、モルグ街の殺人で活躍した名探偵デュパンが再登場する「盗まれた手紙」あたりかな。
「黄金虫」も暗号解読のロジックが素晴らしかった。こういう小説の形式や楽しみを初めて生み出したポーの偉大さを改めて感じます。「盗まれた手紙」は今読むとさすがに使い古されたパターンではあるのだけれど、最初にこの観点に気づいたのは、やはりすごいと感じます。
観点で言うと『詐欺――精密科学としての考察』という短編も面白い。いろいろな詐欺や騙しの手口が次々と出てきて、これ一編で短編集一冊分のアイディアが出て来たんじゃないかと思える。
他にも描写の不気味な怪奇小説系の作品や詩も収録されていて、ミステリ作家だけではないポーの側面を楽しめる短編集になっています。
解説も面白かった。ポーはアルコールが原因で亡くなった、みたいな話はなんとなく聞いた覚えがあったのだけど、今回の新訳を担当した河合祥一郎さんは別の仮説をたて、デュパンよろしく推理をしていきます。当時の証言や様々な文献から約170年の時代を超えた繰り広げられる謎解きは、ジョセフィン・テイの名作歴史ミステリ「時の娘」を思い起こさせます。
小説でも解説でも謎解きの楽しめる一冊です。