あらすじ
栄転を目前にした検察官が最後に手がけた事件は、社内不倫の果ての殺人だった。故意なのか、それとも事故なのか。「検事さんにだけは本当のことを知ってもらいたい」と、恋の始まりから終わりまでをねっとり語る被告の言葉が、真面目な官吏のおだやかな毎日を少しずつむしばんでいく。思わず我が身を振り返る心理サスペンス長編。
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Posted by ブクログ
初めて手に取った作家さんの本。
読んでる途中これを女性作家さんが書いたのは凄いなと感心してしまったけど、読み終えて調べたら男性でした。
やはり、男性でないと書けないような内容だなと思います。
浮気、不倫、ストーカーをし、果てに殺人まで犯してしまった被疑者の男の供述と、それを聞く検事。
被疑者の男の身勝手な考え方、偏執的な語り口による自己正当化が不愉快だけど、引き込まれるものがありました。相手の女性はもっと取るべき態度があったようにも思いますが、被疑者目線だとこうなってしまうのかな。
検事は栄転を控え、受け持ったこの被疑者の話に多少なり自分の過去を重ね、そして感化されていきます。
男性には少なからずこういった感情があるものなのだろうか。
内容が内容だけに不快感や嫌悪感を感じる人も多いかもしれませんが、女性として心理状態が興味深かったです。