【感想・ネタバレ】ことことこーこのレビュー

あらすじ

離婚して老父母の暮らす実家に戻った香子。専業主婦を卒業し、フードコーディネーターとしての新たな人生を歩み出した矢先、母・琴子に認知症の症状が表れはじめる。弟夫婦は頼りにならず、仕事も介護も失敗つづき。琴子の昔の料理ノートにヒントをもらい、ようやく手応えを感じた出張の帰り道、弟から「母さんが見つからない」と連絡があり……。

年とともに変わりゆく親子の関係を、ユーモアと人情たっぷりに描き出す長編小説。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

あるあるがいっぱいあって、するすると読んだけど、最後はみんな集まってちゃんちゃんかよ、大団円ですな、と思ってたけど、最後は切なかったな。ほろりと泣けた。知価ちゃんに取られちゃったかと思ってなんて皮肉な…と思ったら最後は香子とわかってて良かった。そんな繰り返しの先には本当に忘れちゃう時が来てしまうんだろう。

あったかい人なんだろうな、阿川佐和子さんて。

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2024年02月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

離婚して実家に戻った香子が、認知症の母、琴子のケアをしながら奮闘するストーリー。

香子がフードコーディネーターとして仕事を始めた頃、母の琴子に認知症の症状が出始める。そんな中、父が急逝。
香子が仕事で家を空ける日、琴子を弟夫婦に預けるが、琴子は家に帰ろうとして放浪(徘徊)してしまい、香子は自分が面倒を見なければ、と決意する。

記憶力も根気も体力もなくなってきた琴子だが、香子がフードコーディネーターとしてやっていく上で、琴子が昔書いていた料理ノートが役立ったり、同僚の麻有や、理解ある上司に助けられながら、仕事を続けられる香子は、ある意味ラッキーだと思う。

ボケたと思っていた琴子が、昔の話をしたり、外向けにはしっかりした応対をしたり、また、子供返りしているように見えるのに、時には、親として香子の心配をしたりする。
ついさっき言ったことも忘れ、何度も同じ質問をする琴子に、香子は強めの言葉を発しがちだが、麻有は毎回違う答えを言って自分も楽しんだり、子供が琴子と仲良くなって遊んだりする様子は、私たちが認知症の人と向き合うときのヒントになる。
認知症の人の脳の仕組みは、興味深い。それがわかれば、患者にストレスを与えないような接し方ができると思う。

そして、家族だけでケアしようとすると、家族の負担が大きく、回らなくなりがちだからこそ、デイケアやショートステイを活用するなど周囲に助けを求めることも大事だと思う。

琴子が、認知症だった母と重なり、自省もこめて一気読みしてしまったが、将来、認知症になることが避けられないとしたら、香子のようなかわいいボケ方をしたい。

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2022年07月10日

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